毎年夏の時期になると近所の神社で夏祭りがある。
夜店が出るのでカホマオは毎年楽しみにしているのである。
今年も2人は張り切って浴衣に着替え、家族4人で出掛けるしゅんち一家であった。
会場に着くと、6時半から開始だというのに、軽く30分は早く始めてた雰囲気。
やはり気の早い老人が多い町内のイベントは
時間通りに行くと遅刻である。
まず総合受付に行きチケットを買う。
そのチケットで食べ物や飲み物を買うシステムなのである。
用意されてる夜店は・・・
綿あめ100円
カキ氷 100円
チョコバナナ100円
焼き鳥 200円
フランク 100円
枝豆 100円
生ビール300円
充分に呑めるやないか。
まさに…
居酒屋 吉村神社。
さすがはローカルな町内の祭りである。
利益度外視の破格な原価販売である。
子供好きそうな綿あめ、チョコバナナ、カキ氷を3つ買っても300円である。
その理由はこのお祭りは育成会などの町内の人達が運営していて、人件費が一番高いと言われる飲食業において、人件費がタダ(ボランティア)なのでこの価格設定なのである。
しゅ「チケット下さ~い」
おじ「はいはい。何枚いる?」
しゅ「2,000円分」
おじ「うぇ!!?2,000円分?」
子供達が100円200円とチマチマ買っている中で大人買いのしゅんち。
最初から生ビール2、3杯飲むつもりである。
・・買うものも手に取り神社の石垣の上に陣取って早速酒盛りを始めた。
石垣の上からは見える風景を肴に生ビールを一口。
掲げられたちょうちん。
楽しそうな人々で賑わう屋台。
これから何か始まるだろう中央のヤグラ。
ハイテンションで駆け回る子供達。
そして、さっきからかかっているBGMは
なぜかアンパンマンメドレー。
アンパーンマーーン♪
〽︎おれ~はすてきなバイキンマン
なぜ、この選曲?
なかなかのセンスである。
・・ふと場内アナウンスがかかる
ピーピーガガッ・・・
アナ「焼き鳥が・・・良い色で焼けていますよー
・・・
買ってくださ~い」
なんだか間の抜けたアナウンス。
アナ「ちびっ子たち~ かき氷、綿あめ、チョコバナナー ありますよ。
・・・
買ってくださ~い」
恐らく原稿など無くおばちゃんが適当に言ってるのだろう。
このローカルな雰囲気がたまらない。
町内のローカルな夏祭りもまたいいと情景を味わいながら生ビールを喉に流し込むしゅんちであった。
嫁タカ「ねえねえ・・・あれみて」
しゅ「ん?」
神社の境内に向かう階段の途中にガラの悪い連中がたむろしている。
派手なガラシャツにハイネックのブーツ。
短髪の金髪に耳に2連ピアス。
そしてモクモクと喫煙中。
そしてガラの悪い仲間を引き連れ、まるでCDのジャケット撮影のようにポージングしている。
まるでONE OK ROCKのようである。
しばらくして派手な女子達が現れた
金髪のロングヘアーに派手な服、そして夜なのにサングラス。
神社の階段練り歩く雰囲気は
まるでE-Girsのようである。
2組のアーティストが揃い、いよいよミュージックステーション的な雰囲気が漂いはじめ、あとはタモリさんの登場を待つといったところである。
何してんの町内で。
アンパーンマーーン♪
〽︎おれ~はすてきなバイキンマン
さっきからどうしても気になるBGM。
ここでまた場内アナウンス。
アナ「ちびっこの皆さ〜ん 花火大会を始めまーす
・・・
花火を燃やしてくださ~い」
間の抜けたアナウンス全開。
花火大会と言っても手持ち花火をひたすらやるという内容。
なんとも地味な大会である。
かほ「ねえねえおとう。チケット余っちゃった」
しゅ「うええ?」
マオ「マオも余っちゃった」
しゅ「なにぃぃぃ?」
2人は後先考えずチケットを買ってしまったのだろう。
最初に300円分買っとけば充分だと説明しておけばよかったと後悔。
しゅ「何枚余ったのよ?」
1・・・2・・・3・・・4
そしてしゅんちの手元に残ってる枚数を合わせると
10枚
やばい。チケットが余りまくっている。
しゅ「とりあえずフランクを2本買ってきて!」
カホ「わかったー!」
しばらくして・・・
かほ「なんか余ってるとかでいっぱいもらっちゃった」
100円でフランク3本。
しゅ「うへぇ!?いまさらそんなに食べれないぞ!」
なかなかチケットを消費させてもらえないようだ。
しゅ「と、とりあえず生ビールもらってくる!」
子供に生ビールを頼むわけにいかず自ら売店へ。
しゅ「生ビール2杯下さい!」
おじ「はいよ!」
これで600円分は消費できただろう。
おじ「なんか余りそうだから 一杯おまけしとくね」
しゅ「へ?」
600円で生ビール3杯ゲット。
やばい。
この町内はデフレを迎えているようだ。
・・こうしてチケット消化の為にさらに生ビールを追加購入。
しこたま飲む羽目になり
しゅんち泥酔。
アナ「次は~ 盆踊りです どうぞ 踊ってくださーい」
ふと盆踊りをみると ワンオクが飛び入り参加をしている。
なんだかんだカッコつけていてもお祭り好きの子供なのだろう。
ここで氷川きよしのズンドコ節がかかる。
ズン ズンズン ズンドコ♪
ズン ズンズン ズンドコ♪
ワンオク町内の活動に精力的である。
ズン ズンズン ズンドコ♪
ズン ズンズン ズンドコ♪
一緒に踊るジイさんとハイタッチ。
うちの町内会にスカウトしてやろうか。
しゅ「よぉ~しっ 俺たちも踊るぞぉ~ヒック」←泥酔中
カホ「えーやるのぉー?」
マオ「恥ずかしいー」
しゅ「大丈夫だ!みんな行くぞ ヒック」
「きよしのズンドコ節」
作詞:松井 由利夫
作曲:水森 英夫
歌手氷川きよし
ズン ズンズン ズンドコ
ズン ズンズン ズンドコ
〽︎風に吹かれて 花が散る
〽雨に濡れても 花が散る
〽咲いた花なら いつか散る
〽おなじさだめの 恋の花
赤い提灯のあかりに灯されたヤグラを囲んで踊る町内の人々。
浴衣を着たおばちゃんの踊り手、飛び入り参加した子供達としゅんち。
夏の夜空に盆踊りの賑わいが響き渡る。
こうして夏のひと時を楽しんだしゅんち一家であった。
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