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 昨日は、講演を聞きに新潟県境 信濃町 野尻湖畔にあるナウマンゾウ博物館へ。

野尻湖パノラマ181210
(写真をクリックすると拡大します)

 同じ信濃町でも丘一つ南にある信濃町アメダスでは積雪1センチでしたが、野尻湖畔では多い3~5センチ程の積雪。

 長野県北部の降雪は、善光寺から北に向かって一里(約4キロ)一尺(約30センチ)で積雪が増えるといわれています。

 地形の影響が顕著な日本海側の降雪。
 この冬は本腰を入れて調査してみようかな?・・・なんて気持ちにさせられます。

1、北半球上空の寒気の影響



 (1)北半球上空の寒気と気圧配置の動向・・・6日間アニメ

 
 今日も日課の?北半球上空の寒気と気圧配置の動向から。
北半球アニメ181210
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 今回の寒波も終盤戦
 カムチャッカ半島西側の寒冷渦(低マーク:寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)西側から北海道に、今回の寒波の中心 -42℃以下の寒気が南下し始めています。

 ということで北海道では寒波の影響がピークを迎えているわけですけど・・・この寒気が抜ければ今回の寒波も終了ということになります。

 ただ・・・大陸では小さな寒冷渦が発生し、ジワジワと南東進中
 タイミング的に明後日にも日本付近にやってくると思われます。

週間気温グラフ181210

 これは向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データ。

 今回の寒波が終わる明日・・・西日本中心に一時的に気温が上昇したあと、週末にかけて再び気温が平年を下回りプチ寒波?になることが予想されています。
 やはり大陸を南東進中の小さな寒冷渦・・・しっかり仕事をする模様。

 また、プチ寒波?が終わった後、週末にいったん気温が上昇するものの、来週前半再び気温が下降することが予想されています。

 暖冬といわれている割には低温の日のほうが多い感じ・・・・
 平均すると暖冬になるような、すさまじく暖かい日が訪れたりするんでしょうか??

 まあ、そんなことは学者さんに任せておいて、この気温傾向で目先気になるのは・・・

 明日に予想されている「西日本中心の気温の上昇」
 気圧の谷が通過する割には東~北日本で気温が上昇しないのは(関東甲信南部に雪を降らせる)南岸低気圧の特徴だったりします。

 また、②来週前半(17日(月)から)西から気温が下降する予想・・・再び寒気が南下し、寒波が訪れる兆候かもしれません。

 ということで、①明日にも通過が予想される南岸低気圧の影響と、②来週前半にあるかもしれない寒波の影響を、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってチェックしておきました。


 (2)明日 11日(火)に予想される「南岸低気圧」の影響

 
 では明日予想されている南岸低気圧の影響から。
 念のため、低気圧が東海上に抜ける12日(水)09時までの計算値をチェックしておきました。

GSM11日から3コマ181210
(図をクリックすると拡大します)

 南岸低気圧による降雪が心配される関東甲信付近・・・降り出しは明日の午後、低気圧が西日本の南岸を通過しはじめるタイミングになる模様。

 また、このタイミングで関東付近は東風優勢に。
 関東平野北部では局地的に東から-2℃以下の寒気が流れ込んでくることが予想されています。

 もっともこの寒気・・・平地で雪を降らせるには少々厳しい気温で、地面付近に冷たい北寄りの風が流れ込んでくる場合などの条件が整えばようやく”みぞれ”になるレベル。
 さらに寒気は、明朝までに北上してしまう予想。

 気温が下がる夜であることを考慮しても標高の高い所中心にみぞれになる程度と考えておくべきかと思います。

 念のため、関東甲信付近を拡大

GSM11日中部拡大181210
(図をクリックすると拡大します)

 群馬県の北部の山沿い、そして秩父や長野県境の高い山一時的に雪が降る程度。

 もっとも「現時点で」「計算値を素直に読めば」ということですから、今夜、そして明朝の天気予報を必ずチェックして、対応を考えていただきたいと思います。


 (3)来週前半の気温下降傾向は?・・・来週前半も寒波??

 
 では、週間の気温傾向のグラフで気温の下降が予想されていた来週前半の空模様
 現時点で気温が底を打ちそうな18日(火)21時の空模様をザックリとまとめておきました。

GSM18日181210
(図をクリックすると拡大します)

 まだまだ先のこと・・・ブレ幅たっぷりの「計算値」でしかありませんけど、強い冬型・日本海側で大雪、太平洋側でも降雪といった、悲喜こもごもの空模様が予想されています。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     




2、今日の空模様・・・寒波の影響 北日本中心に今日いっぱい


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝は新潟県境 信濃町 野尻湖畔からのブログ更新。

野尻湖畔1181210

 もはや完全な冬景色
 白い枝を透かして見る空はミルク色でメリハリもありません。

野尻湖畔2181210

 もっとも、積雪は車のタイヤが見える程度。
 冷え込みもー3℃前後で窓ガラスが凍結しない程度(流れ落ちた露がサッシのレールを凍らせてはいますが)。

 今季最初のまとまった降雪ですけど、積雪2mもあり得るの当地ではまだまだ序の口といった感じです。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況181210

 朝鮮半島方面から張り出してきた高気圧が目立つようになってきました。
 このため、西高東低 冬型の気圧配置は北日本中心に。
 活発な雪雲能登半島以北に偏っているようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると、真冬の寒気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が北海道を通過中
 北海道付近には今後も真冬の寒気を運ぶ北西偏西風が停滞するようですけど、この上空の気圧の谷が抜けることで今回の寒波も峠を越えることになりそうです。

昨日18時~今日06時 レーダー画像・推計気象分布
全国レーダー06時まで12時間181210
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 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って詳しくチェックしておきましょう。

GSM10日181210
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 北日本では、-30~40℃以下の真冬の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴う上空の(比較的波長の長い)気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に通過するようですけど、今夜の一波を持ってとりあえず打ち止め?になる模様。

 また、北陸付近と太平洋岸に偏西風強風帯が停滞する西~東日本では、午前中上空の浅い気圧の谷(正渦度極大値)が断続的に通過するものの、には西から好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が接近
 ゆっくりと回復に向かうことが予想されています。

 で、このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・今夜にかけても北日本では西高東低 冬型の気圧配置が続くものの、等圧線の間隔が次第に拡大
 下層寒気の北上は見られないものの、強風や高波は徐々に収まってくると思われます。
 (オホーツク海沿岸は収束線が通過するタイミングで断続的に風雪が強まる?)

 一方、西~東日本では高気圧の晴天域が拡大
 日本海にはJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の雪雲の帯が残るものの、日本海側の降雪域も弱まる気配がみられます(ということは明朝放射冷却で冷えそうですね)。

 もっとも南西諸島付近・・・気圧の谷が停滞し、今夜にかけても雨が降りやすく、風・波の強い状態が予想されています。


 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それでは以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ181210
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 紫色は下層雲。

 今日いっぱい冬型の影響は残るものの、明朝には気圧の谷通過モードに転換。
 南岸低気圧通過のシナリオが始まります。

 明朝の放射冷却現象による冷え込みが日中の気温低下を助長し、関東甲信南部の降雪域が広がる・・・なんていうシナリオまで考えてしまうんですが・・・
 本当に微妙な条件で成立する関東南部の降雪・・・つきなみですけど、最悪を想定して空振りを喜ぶ気持ちでいてほしいとおもいます。


 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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