昨日(20日)午後の新潟県境 信濃町 野尻湖畔。
この雪の量は、11月あるいは4月上旬とほぼ同じ。
信濃町の とある場所ではフキノトウが芽を出したという話も。
とても大寒とは思えない光景が広がっていますが、野尻湖畔のライブカメラを見る限り、今朝の野尻湖畔は大寒の景色に追いつこうとばかりに積雪が急増しています。
Kasayan・・・今日は仕事で、長野県と新潟県の県境に広がる飯綱高原~黒姫高原(野尻湖畔)~妙高高原を越えて新潟県新井市へ。
今季初の本格的な雪道運転・・・4WD、スタッドレスとはいえ、とても怖いというのが本音。
早めに出発するつもりですが、緊張で肩がコリコリになりそうです。
1、北半球上空の寒気と、向こう一週間の気温傾向
それでは今日も北半球上空の気圧配置と寒気の実況天気図(昨夜21時まで7日間)のアニメから。
北極で寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)として成長し、シベリアに流れ出した-42℃以下の寒気塊・・・
放射冷却ビンビンのシベリアの大地で、北半球最大の寒気塊に成長してしまいました。
いつもなら今週末にも日本付近にやって来るはずですけど、昨日と今日の週間予報支援図(週間予報作成用のプロ用の資料:昨日の記事に掲載した図にリンク)によると25日頃に日本の北を素通りしてしまうことが予想されています。
ただ・・・日本の北を素通りしたからと言って、寒気が素直に弱まったり北極に里帰りするとは限りません。
ちなみに向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データ(前日の計算値と比較)は・・・
北半球最大の寒気塊が日本の北を素通りするタイミングで北海道の気温が平年をやや下回ることが予想されているだけで・・・西日本を中心に平年をムチャクチャ大きく上回ることが予想されています。
ということで・・・せっかくの?寒気塊も、少なくとも月末28日頃まで日本の温度調節、日本海側の降水量調節をしてくれないということになりそうです。
となると・・・28日(火)以降はどうなんだ?という疑問が沸くのが当然ですから・・・
とりあえず・・・気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)がはじき出した、ブレ幅MAXの28日(火)21時~30日(木)21時の空模様を上空の寒気の様子とともにまとめておきました。
(図をクリックすると拡大します)
発達した南岸低気圧が非常にゆっくりと太平洋岸を東進。
南岸低気圧が四国沖に差し掛かる頃、関東南部でも雪が降る可能性が示唆されています。
また、南岸低気圧が東海上に抜けようとするタイミング(冬型形成のタイミング)には、-30℃以下の冬の寒気が朝鮮半島南部まで南下(上空約1500mの0℃線は今季一番、南西諸島まで南下)することが予想されていて・・・
この南岸低気圧が通過した後、短期間ではあるもの今季一番の冬型と気温の低下をもたらすという「可能性」「沢山あるシナリオのひとつ」「ブレ幅の一端」を示唆しています。
ちなみに、このような予想がはじき出されているのは偏西風の蛇行を非常に深く予想しているから。
こんなときは計算値のブレ幅が大きすぎ、この計算値をそのまま受け入れることは出来ません。
他国のモデルを見ても・・・「現時点では」各国の計算値を総合して一定の傾向を見出すのは「急ぎすぎ」といった状況です(一定の気温の低下は想定できそうですけど)。
気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
「シベリアに北半球最大の寒気塊が形成されるようになった」ということは事実ですから、2月、3月で穏やかな温度調整がなされることを祈りましょう。
なお、25日(土)頃に、北半球で一番の寒気塊が日本の北を素通りする際の空模様・・・
北日本限定?の西高東低 冬型の気圧配置と寒気の南下が予想されていて・・・
太平洋岸には季節を分ける停滞前線・・・時期的に早すぎる菜種梅雨(晩冬と初春を分ける前線)が停滞するという、この時期としては珍しい気圧配置、天気分布が予想されています。
今年の大寒を象徴するような空模様と言えるかもしれません。
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
2、今日の空模様・・・冬型は一時的!北陸以北日本海側の回復はダラダラだけど・・・
それでは今日の空模様。
(1)今朝の実況・・・予報のスタートライン
今朝の 長野市街地・・・
日本海で湧き上がった雪雲が・・・新潟県と長野県北東部の県境に位置する関田山脈(鍋倉高原など)を越え、飯山市を通り過ぎ、野沢温泉~木島平を経て志賀高原で最発達。
弱まりながら菅平高原に南下して、下降気流によって弱まりながら軽井沢~上田方面で消えていく雪雲の様子が手に取るように見えています。
ただ・・・長野市の最低気温は0℃ジャスト(07時17分)。
長野県北部に寒気を運び込む北風が思ったほど強まっていないかもしれません。
そんな今朝の実況ですが・・・
もちろん西高東低 冬型の気圧配置。
等圧線の本数や-30℃以下の冬の寒気を運ぶ偏西風強風帯の位置からすると、(いつもの冬なら)強い冬型なんて表現はためらわれる状態ですけど・・・
今期の冬型としては一級品の冬型の気圧配置だと思います。
この冬型・・・日本海には気圧の谷と低気圧が解析されていて、気圧の谷の南側では風の収束線に沿った雪雲の帯(JPCZ:日本海寒帯気団収束帯)が南下中。
この収束線が平地で雪を降らせる-6℃以下の寒気の南限になっていて、すでに収束線が通過した北陸以北では降雪主体に。
また等圧線が南北縦型・・・北風が雪雲を内陸深くまで運び込む山雪傾向の降雪になっていると思われます。
これは、06時まで3時間の解析降雪量(表示ページにリンク)。
やはり日本海側では平野部より脊梁山脈付近の山沿い中心に降雪量が増加。
野尻湖近くの信濃町アメダスでは08時に積もり始め(04時)からの積雪が15センチになっています。
昨日19時から今日07時まで12時間のレーダー画像と07時の推計気象分布
※山陰に向けて収束線の雪雲の帯が、弓状にしなりながら南下していく様子が分かります。
(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル
それではこれからの空模様・・・
気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。
午前中、-30℃以下の冬の寒気と悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東~北日本を通過。
冬型の気圧配置の骨格がピークを迎えるものの・・・
夜にかけて上空の気圧の谷は東海上に抜け、代わって好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が西日本を東進し。
早くも西から回復に向かい始めることが予想されています。
で、このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・午前中は東~北日本中心の西高東低 冬型の気圧配置に。
平地降雪の目安=上空約1500m -6℃線の位置や降水(雪)エリアが山陰まで拡大する状況は、今季一番(少なくとも3番以内)のシッカリした(強いとは言いにくい)冬型の気圧配置と言えそうです。
一方夜にかけては、上空の気圧の尾根の東進に伴い高気圧の晴天域が西から拡大。
とはいえ冷たい北風優勢の高気圧東側に位置する北陸以北では、夜にかけて日本海側の降雪が残ってしまいそうです。
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ
それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・
解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。
紫色は下層雲。
概ねGSMモデルとほぼ同様。
詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・
明朝、高気圧の中心は関東付近まで南東進。
西~東日本では晴れて風が弱まる一方、寒気がまだ残っている状態。
強力な放射冷却現象が発生しそうですから、地域によっては「温かさのあまり忘れているかもしれない」水道の凍結防止・・・ご注意ください。
さて・・・運転に気を付けて、行ってきます!!
※チェーン、スコップ、脱出用滑り止め板、ボロ毛布、ゴム引き厚手袋、すべてOK
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 ・天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
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kasayan様に是非今週末以降の連日予想が出てきている関東の雪について、解説いただけますと幸いです。最悪だと2014の大雪を超えてしまうポテンシャルがあるように感じており、当方埼玉川越在住なのですが、避難も含めて検討しないといけないのかと思っております。過度な煽りもなく冷静にデータに基づいた解説をいただけるkasayan様のご見解をいただきたく、どうぞ宜しくお願い致します。
Kasayan
がしました