・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。
 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。
・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています
 読みにくい、難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください
(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報よりずっと多くの情報が得られる・・・はず?
   



 昨日、菅平高原 根子岳付近に発生した滝雲


(4Kタイムラプス動画:長野駅付近から東 東方連山 破風岳~根子岳方面)

 関東の沖を、南岸低気圧に先行する低圧部が東進。

 低圧部に吹き込む湿った南東風が関東平野に流れ込み、関東平野 北西部のどん詰まり・・・群馬県の嬬恋村付近で、群馬・長野県境の山々にぶつかって雨雲を形成。

 雨雲が長野県側の下降気流に乗って、あたかも滝のように稜線を流れ落ちる様子が見て取れます。

 今朝は一転、北風優勢。
 長野県北部の山では、各地で逆さ霧と呼ばれる滝雲が見えていると思います。





1、北半球上空の寒気と、向こう一週間の気温傾向


 今日も北半球上空の気圧配置と寒気の実況天気図(昨夜21時まで7日間)のアニメから。
北半球アニメ200402

 昨年12月から毎日作図している北半球上空の実況図。
 強い寒の戻りが気になってここまで続けてしまいました。
 
 さすがに疲れてきたので、3月末日を持って終わりにしたかったのですが・・・
 好奇心が強すぎるKasayanとしては、日本に向けて大陸を南東進中の寒気の行方が気になって仕方がありません。

 さすがに4月末まで作図を続けるつもりはないのですが、「超暖冬が玉突き式に春の空模様に影響するのではないか?」という疑問の答えが見えるまで、とりあえず作図を続けてみようと思っています。

 ということで、連日のように寒の戻りが予想されている向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データをチェック。

週間気温グラフ200402
(図をクリックすると拡大します)

 昨日同様、5日(日)をピークに今日からおよそ6日間、平年を下回る寒の戻りが予想されています

 また、8日(水)頃、いったん平年並みに戻るものの、再び気温が下がる「気配」も。

 シツコイようですが、Kasayan的には農作物に遅霜や遅い雪による農作物への影響が心配です。

 ということで、今日も低温のピークを迎える週末の具体的な空模様。
 天気変化の流れが分かるように、4日(土)09時~5日(日)の空模様を12時間毎にまとめてみました。

GSM週末200402
(図をクリックすると拡大します)

 週末の寒の戻りをもたらす原因は、-30~35℃以下の真冬の寒気を伴った寒冷渦(寒気を運ぶ偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離された寒気の渦)。

 寒冷渦直下で急発達する低気圧が冬型の気圧配置を形成し、強まる北風が平地で雪を降らせるような地上付近の寒気を南下させることが予想されています。

 北日本中心に荒れ模様の天気。
 北陸以北の日本海側では冷たい雨や雪になることが予想されます。

 一方、太平洋側は冷たい北風の晴れ・・・ということになるわけですけど・・・
 晴れるとなると外出したくなる方が増えるかも?

 超暖冬で生育が進み過ぎている農作物の管理に追われる農家の方々を始め、外仕事の方にとっては嬉しい晴天ですけど、なんとも悩ましいところです。

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     



2、今日の空模様・・・一瞬?冬型、寒さ不十分なまま高気圧優勢に!


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平200402

 志賀高原~菅平高原の稜線に沿って北(新潟県方面)から雪?雨?雲が南下中。

 一部は群馬県側に流れ出し、昨日とは反対に群馬県側で滝雲が見えているかもしれません。
 (長野県中部の上田方面にも流出。太郎山の逆さ霧という地元で有名な雲も見えていそうです)

 最低気温は、北風の影響で昨日より5℃以上も低い4.0℃(06時33分)。
 そんな今朝の実況ですが・・・

実況200402

 昨日 南岸を通過した低気圧が・・・急発達しながら三陸沖へ。

 パッと見たところ、西高東低 強い冬型の気圧配置になりつつありますけど・・・
 冬型に伴う降水が活発化し始めた日本海側で降っているモノは関東甲信北部の標高の高い地域を除いて雨主体。
 どうやら寒気の南下が弱いようです。

 衛星の水蒸気画像を見ると、カットオフ気味(偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離されて渦を形成)の上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が本州東岸付近を東進中。

 冬型の気圧配置の骨格が完成しようとしていますけど、冬の寒気を運ぶ偏西風強風帯の本流はサハリン付近に北上したまま。
 今日の冬型は雨主体で・・・上空の気圧の谷が東海上に抜けきるタイミングで、西から回復すると思われます。

昨日19時から今日07時まで12時間のレーダー画像と07時の推計気象分布

全国レーダー07時まで200402







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM2日200402
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 午前中、実況でチェックしたカットオフ気味(偏西風が大きく蛇行し、ついには流れから切り離されて渦を形成)の悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、完全にカットオフして山陰沖を東進。

 さらに-30℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷(ピンクの点線:偏西風の南側への蛇行域)が東日本を南東進。

 西高東低 冬型の気圧配置が完成し、-30℃以下の寒気の通過に伴い太平洋側も含めて大気の状態が不安定になることが予想されますが・・・

 夜にかけて一連の上空の気圧の谷は東海上へ。
 代わって、好天パワー(地上の高気圧や晴天域を強めるチカラ)を持った上空の気圧の尾根(水色の点線:偏西風の北側への蛇行域)が北陸以北と九州南部付近を東進。

 西から冬型の気圧配置の骨格が緩み、回復に向かうことが予想されます。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・下層寒気の南下こそ弱いものの、雨と風だけは一級品の冬型の気圧配置。
 全国的に風が強く、日本海側と北日本太平洋側で強い雨が予想されています。

 もっとも、上空の気圧の尾根に対応して夜にかけては晴天域優勢。
 等圧線の混雑状態が継続する北陸以北は風や波の強い状態が続くものの、西日本は穏やかな空模様になると思われます(となると、明朝の放射冷却による冷え込み・・・寒気の南下が弱いので、高冷地での遅霜が気になりますね)。




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ200402

 紫色は下層雲。

 例によって詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 夜にかけて天気は回復。
 今回の冬型(モドキ)は、それほどの影響はない模様。
 
 ただ日本海には-30℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷が南東進。
 空気が乾燥しているので影響は小さそうですけど、それでも南西風の収束線が活発化する模様。
 明朝、収束線が南下する北日本では局地的な崩れが予想されます。

 そして週末・・・寒の戻りの本番に。
 こちらは影響が心配です。



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


KasayanのYouTubeチャンネル(タイムラプス映像集)https://www.youtube.com/user/kasayangw


 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な範囲で返信いたします。

  ※当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています。
  ※当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。
  ※私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。



航海のための天気予報利用学バナー121212