・このブログは天気図アニメ等、PCに最適化されています。 スマートフォンでご覧になる方は、ご面倒でも「PC版サイトを見る」に設定願います。 ・また、このブログでは専門の天気図を多用し、あえて回りくどいコメントをしています。 読みにくい、難しいと思われた方は飛ばし読みして理解できる図だけをご覧ください(これがブログの良いところ)。それでも天気マークだけの天気予報よりずっと多くの情報が得られる・・・はず?
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0、盆休みのアウトドアレジャーに即効性?天気予報の処方箋!
昨日の記事に「遭難救助の現場では、感染防止のため通常体制で対応できない状況」であること。
そして「気象遭難は事前の勉強と準備、そして慎重な行動によって最も効果的に減らすことができるトラブル」だということを書きました。
とはいえ盆休みは目前。
いまさら気象学の勉強をしても間に合うわけがありませんから、Kasayan特製?「超即効性のある天気予報のチェック方法=天気予報の処方箋」をご紹介したいと思います。
※いまさら”山岳気象大全”を理解しようとしても間に合いませんよね?
【天気予報の処方箋1】
「隣接地域の予報をチェックして”悪い予報”は自分の地域にも影響すると考える」
県境、予報区分の境目で天気がスパッと変化するはずがありません。
特に隣接県や隣接予報区分に傘マークがついている場合には、マークだけでなく予報文(これが予報の最終製品)もチェックして、悪天の内容が自分の地域にも影響すると考えておきましょう。
予報には地域的、時間的、程度のブレ幅があるのです。
【天気予報の処方箋2】
「どこの予報をチェックすべきか?あらかじめ準備しておこう」
処方箋1の応用編。
「北アルプスの槍ヶ岳」を登るならどこの予報をチェックすべき?
多くの場合、名山は県境にそびえています。
槍ヶ岳(北アルプス)に登るならメンドウでも長野県北部・中部・岐阜県飛騨・富山県東部をチェックすべし!!
降り出しのタイミング、降り方は最も悪い地域と同じ影響があることも想定すること。
【天気予報の処方箋3】
「5時、11時、17時・・・予報の発表時間を覚えておくこと!」
最新の予報をチェックする必要があることは誰でも知っているのに・・・
最新の予報が何時に発表されるのか?知っている人は意外と少ないもの。
あと5分で最新の予報が発表されるのに、前日17時発表の予報を信じて登山開始・・・はあり得ません。
予報は更新毎に変わるモノ!
05時前に出発するなら、5時にいったん立ち止まってスマホで最新の予報を確認すること!!
「午後3時は夕方です!」
天気予報番組の暇ネタで使われることが多い予報用語の時間帯。
まだ日が高い午後3時も天気の世界では一年中「夕方」。
予報に「夕方から雨で雷を伴う」なんて書かれていたら要注意!
夏山では14時までに行動を終えましょう・・・なんて言いますけど、これは守って欲しいです。
ということで・・・天気予報の処方箋4つ・・・頭に叩き込んで安全登山!お願いします。
1、まもなく温帯低気圧化?・・・台風4号の今後の影響、最新データ!
08時現在、台風4号が間もなく温帯低気圧になろうとしているわけですけど・・・
気になるのは温帯低気圧化した後の「悪」影響。
ご存知のように、梅雨前線の南側は太平洋高気圧エリア。
暖かく湿った南風が吹き込むので・・・
梅雨前線が日本海~北日本に停滞する場合、多くの場合 太平洋側の地域は(梅雨明け直後のように)夏空優勢の高温になります。
このため、首都圏中心主義の?全国ネットの天気予報は「太平洋高気圧が張り出した危険な高温が続きます」なんていう論調になるわけですけど・・・
Twitterに掲載したアニメを見たら天気傾向の全体像は「戻り梅雨」だと思いませんか??
昨日の記事に書いたように、梅雨明けと梅雨明け直後の夏空猛暑は台風4号がもたらしたもの。
台風が消滅すれば元の梅雨(梅雨末期)に戻ると考えるのが自然だと思います。
(次の台風が太平洋高気圧を強めない限りですけど)。
とはいえ、念のため米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルもチェックしておきました。
やはり「戻り梅雨」のような空模様が予想されているわけですけど・・・
先にご紹介した気象庁発表のGSMモデルにはない同心円状の等圧線が東シナ海方面に北上してくることも予想されています。
とすると・・次の・・・が????
気象庁GSMモデルと同様、ヨーロッパ中期予報センターのモデルにもこの同心円は見られませんので、今日のところは様子見・・・ということにしておきたいと思います。
2、今日の空模様・・・夕立はさらに局所的?北日本は荒れ模様に!
それでは今日の空模様。
一昨日、昨日に続いて水蒸気タップリ・・・すりガラス状態の空気。
菅平高原も志賀高原もガラスの向こうに隠れています。
長野市の最低気温は22.5℃(05時37分)。
そんな今朝の実況ですが・・・
台風4号が黄海付近を東進中。
衛星の水蒸気画像を見ると、渤海付近を乾燥した空気を伴った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が南下していて、この乾燥した空気が西側から台風に流れ込み、台風の温帯低気圧化を促していると思われます。
また、日本海まで張り出した太平洋高気圧の縁に沿って暖湿気が日本海まで流入中。
台風がポンプの役目をして暖湿気の流入が強まったため、日本海北部に停滞していた潜在的な梅雨前線が活発化。
再び長~い停滞前線として天気図上に描かれるようになって、北海道の蝦夷梅雨状態がハッキリわかるようになりました。
昨日18時から今日06時まで12時間のレーダー画像と06時の推計気象分布を10秒アニメ化
(2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル
それでは、今日これからの空模様・・・
気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。
(図をクリックすると拡大します)
まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。
上空の太平洋高気圧が日本海~東北北部まで張り出して、梅雨前線に対応する偏西風強風帯(薄赤)を北に押し上げている状態。
また偏西風強風帯に沿って悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が断続的に北東進。
中でもピンクに着色した-5℃いあの寒気を伴う上空の気圧の谷が、台風4号を温帯低気圧化させるとともに発達させながら北海道へと運ぶことになるようです。
で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・台風4号は温帯低気圧化して日本海へ。
上空の気圧の谷が元台風4号の低気圧に先行するため、早くも発達のピークを迎えつつ(閉塞化しつつ)北海道へと接近。
強い暖湿気も流れ込むため大気の状態も非常に不安定になり、明日にかけて北日本に大雨、強風、高波をもたらすことが予想されています。
一方、太平洋高気圧に覆われる前線南側は晴天優勢で推移するのに加え、場の南西風と海風によって流入する暖湿気によって気温が上昇。
日本海側ではフェーン現象の発生もあって(異次元の?)酷暑になると思われます。
また、太平洋高気圧の下降気流域にあありながらも、昇温と上昇気流が強まりやすい地形効果によって長野県を中心とした中部山岳地帯に、局地的な雷雨と思われる降水域が予想されています。
(3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ
それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・
解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージ。
紫色は下層雲。
温帯低気圧化した台風4号による本格的な下り坂は今夜以降。
北海道を除いて日中は夏空優勢の空模様。
ただ、GSMモデルと同様、中部山岳付近にアヤシイ降水域が予想されています。
これは15時の関東甲信付近を拡大したもの。
今日は昨日に増して雷雨は局地的なものに?
ただ昨日とは異なり、雷雲の動きを司る上空約3000mでは、そこそこの風速で南西風が吹く模様。
雷雲の発生が局地的でも雷雲が動けば影響の拡大が心配されます。
といことで、今日は南西方向にアヤシイ雲が見えたらスマホのレーダー画像要確認!
Kasayanの住む長野市も南西の空(冠着山・聖高原方面)が気になります。
※久々に給電しながら長尺のタイムラプス動画でも撮影してみようかな