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 「気象予報士Kasayan番外編」のTweetから。

 一昨日、こんな出来事があったのですが・・・
 早くも昨日 取り換え工事完了!!

 暑い中、マスクをしたままの作業はさぞかし大変だったでしょうに、1時間あまりで作業終了。
 とても丁寧な仕事ぶり。

 見た目はトッポイ工事の兄ちゃん・・・神様に見えました。





1、元台風4号が復活させた梅雨前線 東北に停滞。台風5号のタマゴも合流へ?


 今日も最初は今朝03時の実況天気図⇒今夜21時の予想天気図⇒明日夜21時の予想天気図のアニメから。

天気図アニメ200808

 昨日、北海道を通過した元台風4号の温帯低気圧はオホーツク海へ。
 この低気圧が弱まっていた梅雨前線を復活させたわけですけど・・・

 前線は明日夜にかけて東北付近に停滞し、前線上の低気圧や低圧部(前線のへの字部分)が明日にかけて日本海を東進。

 前線上の低気圧には太平洋高気圧の縁を回る暖湿気が低気圧に集中するため雨雲が活発化し・・・
 ご存知のように、低気圧が接近する東北では明日にかけて大雨になることが予想されています。

 一方、梅雨前線を日本海に持ち上げている太平洋高気圧の南西の端っこ・・・
 フィリピンの東海上では、ここにきて対流活動(水蒸気の湧き上がり)が活発化していて、台風4号が消滅したとたん新たな熱帯低気圧が発生。
 明日(9日)までに台風5号?に成長し、沖縄付近まで北上することが予想されています。

 当然ですが、連休中に南西諸島は荒れ模様に。
 さらにその後・・・台風のままであろうと熱帯低気圧や温帯低気圧に変化しようと、熱帯低気圧を構成している強い暖湿気はいずれ梅雨前線と合流。
 いわゆる「前線を刺激」することで大雨になることが心配されます。

 ということで、今日は明日から3日間、9日09時~11日09時の空模様を、台風の進路や梅雨前線の動向を左右する上空の太平洋高気圧や偏西風強風帯とともにザックリとまとめておきました。

GSM台風5号3コマ200808
(図をクリックすると拡大します)

 明朝までに発生するであろう台風5号?の北上とともに上空の太平洋高気圧も勢力を北に拡大。

 このため台風は東寄りに進むことができず先島諸島を通過した後はそのまま朝鮮半島付近まで北上する模様。
 どうにか沖縄付近や九州西岸付近以外に台風の直接の影響を受けることはなさそうですけど・・・

 上空の太平洋高気圧とともに日本に張り出す太平洋高気圧に覆われるため、日本付近ではドライヤーのごとく上空から乾いた熱風が吹き降りて厳しい暑さになることが予想されます。

 この点、太平洋高気圧の縁からそれなりに強い暖湿気が流れ込むはずですけど、雷雲も下降流に踏み潰されるため夕立があっても極めて局地的かつ一時的なものに。
 10日~11日にかけては、夕立の打ち水効果も期待できず、この夏のピーク?の酷暑になるかもしれません。

 一方、上空の太平洋高気圧の北への張り出しとともに梅雨前線も北上。
 台風4号崩れの低気圧が通過した昨日、道北で記録的な大雨になりましたけど・・・
 台風5号?でも同様の大雨になるかも?

GFS台風5号3コマ200808
(図をクリックすると拡大します)

 これは同日時の米国気象機関(NOAA)発表のGFSモデルの予想。

 台風の進路、進行のタイミング、さらに梅雨前線の降水帯の位置も気象庁GSMモデルとほぼ同様。

 結局「現時点では」以上のシナリオで風雨や暑さの対応策を考えておくのが良さそうです。

 しかし・・・ここにきてなんで台風が連続して発生?太平洋高気圧が活発化??

 いずれもフィリピンの東海上の対流活動の活発化が原因と言えそうですけど、さらにその原因は??

 教科書的にはラニーニャ現象の強まりと考えるべきなんでしょうけど・・・
 Kasayan的には、ここにきてフィリピン東方海上まで南下することの多い上層寒冷低気圧(UCL)の影響もあるのでは??なんて考えていたりします。

 ただどんな理由であれ、梅雨の長雨に続く夏と秋も少々過激な空模様になりそうですね・・・orz

 ※Kasayanとしては、太平洋高気圧が頑張っているというより周囲の要因で無理をさせられているように感じられるのですが・・・うまく説明できないけれど。

 気象庁台風情報:http://www.jma.go.jp/jp/typh/
 米軍(JTWC)台風情報:https://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/  


2、今日の空模様・・・東北に停滞する梅雨前線、先島諸島に北上する熱低 要注目!


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の長野市街地・・・

菅平200808

 今朝も夏らしくない灰色の空。

 かといって涼しいわけでもなく、最低気温は22.4℃(05時13分)。

 暑いなら暑いらしく、夏空っちゅうモンを見せて欲しいところですが・・・
 そんな今朝の実況

実況200808

 Kasayanの住む長野市に灰色の空をもたらしているのは、北陸付近に停滞中の(異論はあるかと思いますがKasayan的には)梅雨前線。

 また暑さをもたらしているのは、東から張り出している太平洋高気圧の縁を回って梅雨前線に流入している暖湿気。

 衛星の水蒸気画像を見ると、梅雨前線に対応する偏西風強風帯が日本海沿岸に停滞中で、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が朝鮮半島付近を東進中。

 このため梅雨前線は山陰沖で活発に。
 北上中の熱帯低気圧の影響で太平洋高気圧の北への張り出しが強まっているため、活発な降水帯は東北に向けて北東進することになりそうです。

昨日19時から今日07時まで12時間のレーダー画像と07時の推計気象分布を10秒アニメ化

全国レーダー07時まで200808







 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM8日200808
(図をクリックすると拡大します)

 詳細は図中の書き込みをお読みいただきたいのですが・・・

 状況はまさに実況の延長線上。
 目先注意すべきことは3点。

 梅雨前線上の低気圧が接近し、最下層の強い暖湿気が流入する東北で大雨になること。

 明朝までに台風5号になると思われる熱帯低気圧が先島諸島方面に北上すること。

 そして強い暖湿気が流入するものの、夕立の発生が局地的なものに留まるほど強い太平洋高気圧に覆われ、晴天の高温になる地域(太平洋側中心)があること。






 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それではGSMモデルで確認したチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージ。

全国流線アニメ200808

 紫色は下層雲。

 こちらも詳細はアニメ中の書き込みをお読みいただくとして・・・

 梅雨前線による東北の大雨は今夜が第一波のピーク?

 また、明朝までに台風5号?になると思われる熱帯低気圧の先島諸島方面への影響も今夜から。

 暗くなってから天気が悪化するパターンであることを忘れずに。

 そして高温は・・・災害級という表現が使われていますけど、(農作物の被害等を除けば)ためらわずエアコンのスイッチを入れるなり涼しい場所に移動するなりして、お約束の水分補給などで限りなく「防げる災害?」。
 防げないエラーをしないようにご注意を。



 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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