ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1983年12月3日付 Quiet Riot - Cum On Feel The Noize

2019-12-01 23:01:35 | 1983年ビルボードTop40
1983年12月3日付ビルボード All American Top40、4週目の1位の大ヒットはLionel Richieの"All Night Long"。Lionel Richieですが、The Commodores時代から数多くのヒットを持っていますが、The Commodores時代には"Three Times a Lady"と"Still"、ソロになってからもDiana Rossとのデュエットで1位となった"Endless Love"、ソロの1位"Truly"に続くこれで通算5曲目の1位となりました。

2位は前週と変わらず、Paul McCartney and Michael Jacksonの"Say Say Say"。Paul McCartneyもMichael Jacksonも説明することありません、ソロでも数多くの大ヒットを持っています。この二人のデュエットとしては、Michael Jacksonのアルバム『Thriller』に収録の"The Girl Is Mine"が最高位2位を記録していますので、それに続く大ヒットとなりました。
この週は1位から4位まで前週と同順位、上位が強くこれで3週連続変わりなしです。
3位も前週と変わらず、Billy Joelの"Uptown Girl"。Billy Joelですが、Top40ヒットは1974年の"Piano Man"からこの曲で通算19曲目、Top3ヒットは1977年の"Just the Way You Are"以来、No.1ヒット2曲を含めこの曲で5曲目となります。
4位も前週と変わらず、2週間の1位を記録した大ヒット、Kenny Rogers with Dolly Partonの"Islands In the Stream"。カントリー界の大御所二人のデュエットです。両者とも50年代から活躍していますが、Kenny Rogersについては1980年の"Lady"以来、Dolly Partonについては1980年の"9 to 5"以来、両者とも2曲目のNo.1ヒットです。
5位は7位からアップ、Daryl Hall & John Oatesの"Say it Isn't So"。数多くの大ヒットを持つデュオですが、Top5ヒットは1982年12月から翌年の1月にかけて4週間1位を記録した"Maneater"以来となります。

この週5位からダウンして7位はQuiet Riotの"Cum on Feel the Noize"。
最高位は11月19日と26日の第5位。年間チャートは1984年の68位。年度の途中ではありましたが年間チャートに入って良かったです。

さて、アメリカのチャートでは、主にアルバムやライブで活躍しているハードロック、メタルバンドの曲が、突然大ヒットすることがあります。
古くは1973年に突然の1位を記録したEdgar Winters Groupの"Frankenstein"や1976年の名曲Blue Öyster Cultの"(Don't Fear)The Reaper"「死神」、この曲のヒットのあとにも1991年のScorpionsの"Wind of Change"、新しいところでも(十分古いと言われそうですが)2003年の大ヒットEvanescenceの"Bring Me to Life"などなど、どの曲も記録と記憶に残る名曲です。こういう曲がチャートを上がってくるとワクワクしますよね。

まずQuiet Riotですが、1973年に伝説のギタリストRandy Rhoadsらによって結成されたヘビィ・メタルバンドです。
Randy Rhoadsのことはロックファンの方々なら私よりもよっぽど詳しいとは思いますが、1978年にはオジー・オズボーンバンドに加入、1982年に飛行機事故で25歳の短い生涯を閉じてしまった、天才ギタリストです。

そのQuiet Riot、Randy Rhoadsの脱退で一時活動を停止しますが、1982年から新メンバーで活動を再開、1983年にリリースした彼ら3枚目のアルバム『Metal Health』からシングルカットされたこの曲"Cum on Feel the Noize"が突然の大ヒット、アルバムも1983年11月に1週のみでしたが1位を記録、年間チャートも1984年の25位と大ヒットします。その後もメンバーチェンジを繰り返しながら今でもアルバムを発表し、活躍しています。

"Cum on Feel the Noize"ですが、この曲はQuiet Riotのオリジナルではなくて、イギリスのこれも伝説的な大人気ハードロックバンドSladeの曲で、1973年にイギリスで1位、大ヒットした曲です。名曲ですね。この名曲をQuiet Riotがアレンジして大ヒットになりました。
曲の作者はいずれもSladeのメンバーNoddy HolderとJim Leaの共作です。


こちらが1973年にイギリスで1位を記録したSladeのオリジナルバージョン。調べてみたらアメリカでは1973年の6月に最高位98位、Hot100にはたった2週でしたがランクインしていました。オリジナルも良いじゃないですか。


今週 先週 song / artist
1 1 ALL NIGHT LONG / LIONEL RICHIE
2 2 SAY SAY SAY / PAUL MCCARTNEY & MICHAEL JACKSON
3 3 UPTOWN GIRL / BILLY JOEL
4 4 ISLANDS IN THE STREAM / KENNY ROGERS with DOLLY PARTON
5 7 SAY IT ISN'T SO / DARYL HALL & JOHN OATES
6 6 LOVE IS A BATTLEFIELD / PAT BENATAR
7 5 CUM ON FEEL THE NOIZE / QUIET RIOT
8 8 HEART AND SOUL / HUEY LEWIS & THE NEWS
9 9 CRUMBLIN' DOWN / JOHN COUGAR
10 11 CHURCH OF THE POISON MIND / CULTURE CLUB
11 14 UNION OF THE SNAKE / DURAN DURAN
12 10 P.Y.T. / MICHAEL JACKSON
13 16 WHY ME? / IRENE CARA
14 27 OWNER OF A LONELY HEART / YES
15 33 UNDERCOVER OF THE NIGHT / ROLLING STONES
16 21 TWIST OF FATE / OLIVIA NEWTON-JOHN
17 24 IN A BIG COUNTRY / BIG COUNTRY
18 13 SUDDENLY LAST SUMMER / MOTELS
19 22 SYNCHRONICITY II / POLICE
20 25 MAJOR TOM / PETER SCHILLING
21 12 TOTAL ECLIPSE OF THE HEART / BONNIE TYLER
22 26 AIN'T NOBODY / RUFUS & CHAKA KHAN
23 29 SOULS / RICK SPRINGFIELD
24 19 TONIGHT, I CELEBRATE MY LOVE / PEABO BRYSON & ROBERTA FLACK
25 35 I GUESS THAT'S WHY THEY CALL IT THE BLUES / ELTON JOHN
26 15 ONE THING LEADS TO ANOTHER / FIXX
27 37 BREAK MY STRIDE / MATTHEW WILDER
28 23 SEND HER MY LOVE / JOURNEY
29 44 TALKING IN YOUR SLEEP / ROMANTICS
30 38 READ EM' AND WEEP / BARRY MANILOW
31 17 TELEFONE (LONG DISTANCE LOVE AFFAIR) / SHEENA EASTON
32 28 TENDER IS THE NIGHT / JACKSON BROWNE
33 39 TIME WILL REVEAL / DEBARGE
34 34 THE SMILE HAS LEFT YOUR EYES / ASIA
35 57 RUNNING WITH THE NIGHT / LIONEL RICHIE
36 42 IF I'D BEEN THE ONE / 38 SPECIAL
37 20 MAKING LOVE OUT OF NOTHING AT ALL / AIR SUPPLY
38 52 JOANNA / KOOL & THE GANG
39 45 I WON'T STAND IN YOUR WAY / STRAY CATS
40 40 INVISIBLE HANDS / KIM CARNES

コメント (23)    この記事についてブログを書く
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23 コメント

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NoiseではなくNoize (音時)
2019-12-01 23:48:29
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/22358399.html
ハイ、この曲は来る~と思っていたので準備してましたよ(^▽^)。
チャートのNo3まで上昇。ポップなロックではありますがヘヴィメタルバンドの曲がこんなに上昇するなんて!と当時はビックリしましたね。
オリジナルはスレイド。"雑音"の意味の「ノイズ」は通常は「Noise」と書きますが、この曲は「Noize」...ズィーズィーザーザーと雑音だけどこれが良いんだぜ!って言っているようですね。
オリジナルも良い (golden_70s)
2019-12-02 11:40:06
突如、ヒットすることがたまにありますよね。
ヘヴィ・メタルというジャンルは普段あまり聴くことがありませんが、
この曲はポップな感じです。
そしたら、スレイドがオリジナルだったんですよね。
なるほど、とおもいました。

この週は、勢いよく、ランクインしてきた曲がありますね。
Unknown (実験鼠)
2019-12-02 19:44:05
ヘヴィメタはあまり得意ではないんですが、この曲はポップでキャッチーで好きでした。世代的にスレイドは知らずに聴いてましたが(後からカバーであることを知りました)。この後でしたっけ? 一時的にスレイドが復活しましたよね。
Unknown (omnibusfan)
2019-12-02 20:12:08
ぶっ飛んだPV

 星船さま、こんばんは。
 この曲は!当時よく聴きました。PVもよく流れていたように記憶しています。ベストヒットUSAだったか、ソニーmusic TVだったか。
 ぶっ飛んだPV、好きでしたねえ。
 
 
ランディローズ (240)
2019-12-02 20:59:30
こんばんは。
当時はクワイエット・ライオットのこのアルバム、よく聴きました。HM/HRブームでしたしね、この当時は。ランディのことを知ったのはこの時で、オジーのアルバムをじっくり聞いたのも、この直後でしたが、ランディのプレイは衝撃的でしたね。未だにオジーのラインディ在籍時の2枚のアルバムはよく聞きます。素晴らしいギタリストでした。
Unknown (太ったボンジョビ( `○´)🎵)
2019-12-02 22:06:47
野茂が大リーグ移籍、ドジャース即優勝
プレーオフでシンシナチに乗り込むとレッズの主砲が控え室に来て
「あんたのおかげだ、ありがとう、ありがとう」と感謝していたそうです。
おりしもストライキの翌年、選手も不安だったのでしょう、そこに野茂、まさに超新星、まさに救世主、日本もですが大リーグが相当に盛り上がりましたね。
そして強引にクワイエットライオット、この頃のチャートにまさに喝を入れるかのようなケビンダブロウの綺麗なダミ声!
そりゃライオネル、ホールアンドオーツ、BJ、ケニロジャなんか
「また今年もおまえらかよ!80年から毎年毎年!ったく!」
といいたくなる年末にかましてくれたヘルシーメタル!
いやーポップス聴かない周りの学生もかなり知ってて嬉しかったです!
脈絡なしですみませんです
聴きやすく (hannah)
2019-12-03 22:00:41
星船さん、こんばんは。
Quiet Riotの突然の大ヒット、ビックリでした。
87年のCinderellaもそうでしたが、それまでノーマークだったグループが突然大ヒットすることがあります。
HM系ですが、やはり大ヒットする曲は聴きやすく、マイルドになってますね。
僕は産業HMとよんでいましたが。
「z」が正解 (星船)
2019-12-03 22:35:12
音時さんこんばんは。
やっぱりこの曲は外せませんね。
ヘビメタグループがTop5入りというのは当時事件でした。インパクト強かったです。
実は、先週までこのブログでは「Noise」と表記していました。記事を書いていて「あれ?YouTubeの表記が違っているぞ!」と思ったら私の方が間違えで「z」が正解だとはこの時初めて知りました。
さすが全英No.1 (星船)
2019-12-03 22:42:01
golden_70sさんこんばんは。
私もヘビメタはあんまり聞かなかったです。Quiet Riotも多少は聞いたことがありましたが、本気に聴いたのはこの曲が初めてです。
オリジナルはさすが全英No.1ヒットということで、元々曲も良かったです。
この週勢いよく入ってきた曲が沢山ありましたが、ロマンティックスは異色の曲でした。
この曲がきっかけ (星船)
2019-12-03 22:46:43
実験鼠さんこんばんは。
ヘビメタグループQuiet Riotの突然の大ヒットでした。やっぱり曲が良かったです。
Sladeはこの曲がきっかけでアメリカで人気が出たのかもしれませんが、ヒットした"My Oh My"と"Run Runaway"、両方とも素晴らしい曲でした。

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