ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

1983年6月4日付 ビルボード 全米 Top40 Prince - Little Red Corvette

2019-06-02 20:53:32 | 1983年ビルボードTop40
1983年6月4日付ビルボード All American Top40、2週目の1位はIrene Caraの"Flashdance ... What A Feeling"、映画『フラッシュダンス』の主題歌です。Irene Caraですが、1980年のこちらも映画『フェーム』の主題歌で最高位4位を記録して以来の2曲目のTop5ヒット、もちろん初めてのNo.1獲得です。

1週間の1位からダウンして2週目の2位はDavid Bowieの"Let's Dance"。David Bowie、Top40には1976年に10位を記録した"Golden Years"以来の登場(Queenとの"Under Pressure"を除きます)。1位では1975年の"Fame"以来2曲目となります。
3位は3週間の4位からアップ、Men At Workの"Overkill"。新人で"Who Can It Be Now?"、"Down Under"と2曲連続のNo.1を記録、この曲で3曲連続のTop5入りです。
4位は8位からアップ、Culture Clubの"Time (Clock Of The Heart) "。アメリカでのデビューシングルで2位を記録した"Do You Really Want to Hurt Me"に続く2曲連続のTop5ヒットです。
5位は前週と変わらず4週目の5位、Thomas Dolbyの"She Blinded Me With Science"。イギリスではヒットを持っていますが、アメリカでは初めてのヒットでTop5入りです。

この週6位からダウンしての8位はPrinceの"Little Red Corvette"。
最高位は5月21日と28日の6位、年間チャートは25位。1979年に最高位11位を記録した彼の初めてのヒットシングル"I Wanna Be Your Lover"から4年ぶりのTop40ヒットで大ヒットとなりました。

Princeですが、デビューアルバムは1978年にリリースした『For You』ですがヒットせず、2枚目のアルバム『Prince』が彼の実質的なデビューアルバムと言っていいでしょう、最高位22位を記録するヒットアルバムとなり、前述のようにシングル"I Wanna Be Your Lover"が最高11位を記録するヒットとなります。
その時にはAT40でもだいぶ話題になりました、すべての楽器を彼一人で演奏し、曲もすべて作る天才ミュージシャンとして紹介されました。(ただ、その時は、正直「気色悪い人だなぁ(~_~)」とも思っていました(ファンの皆様ゴメンナサイ!今はそんなこと思っていませんよ))

さて、そのPrinceですが、その後出した2枚のアルバムはいまいちの売り上げ、シングルもTop40には入りませんでした。そして1982年10月にリリースされた彼の5枚目のアルバム、2枚組の大作『1999』が大ヒットします。当初はそこそこの売り上げ、ファーストシングルカットされた"1999"も最高位44位とTop40入りを逃しましたが、2枚目のシングル"Little Red Corvette"が最高位6位の大ヒット、それに伴ってアルバムの方もチャートを上昇し最高位9位(プリンスが亡くなった2016年には7位を記録、これがこのアルバムの最高位になります)、Billboard200年間チャートも5位の大ヒットアルバムとなります。超ロングヒットアルバムで、翌年の年間チャートでも22位にエントリーします。また、"Little Red Corvette"のヒットの後、ファーストシングルの"1999"が再度チャートを上昇、最高位12位を記録します。
アルバム『1999』も2枚組にもかかわらずすべての曲が彼の作によるもの。プロデュースも彼自身が手掛けています。バックバンドに初めてThe Revolutionが付きますが、それでもほとんどの楽器を彼が演奏しています。やっぱり天才ですね。

"Little Red Corvette"のギターソロはプリンスではなく、The RevolutionのメンバーDez Dickersonが弾いています。(プリンスはギターだけは苦手なのかなぁ、と思いましたが、いやいやそんなことはありません。彼は天才ギタリストでもあります。こちらをご覧ください
この曲で初めてプリンスを好きになりました。さびの部分が大好きです。ギターもカッコイイですね。


今週 先週 song / artist
1 1 FLASHDANCE ... WHAT A FEELING / IRENE CARA
2 2 LET'S DANCE / DAVID BOWIE
3 4 OVERKILL / MEN AT WORK
4 8 TIME (CLOCK OF THE HEART) / CULTURE CLUB
5 5 SHE BLINDED ME WITH SCIENCE / THOMAS DOLBY
6 3 BEAT IT / MICHAEL JACKSON
7 9 MY LOVE / LIONEL RICHIE
8 6 LITTLE RED CORVETTE / PRINCE
9 7 SOLITAIRE / LAURA BRANIGAN
10 10 STRAIGHT FROM THE HEART / BRYAN ADAMS
11 11 AFFAIR OF THE HEART / RICK SPRINGFIELD
12 12 ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME / NAKED EYES
13 13 FAITHFULLY / JOURNEY
14 14 DON'T LET IT END / STYX
15 17 FAMILY MAN / DARYL HALL & JOHN OATES
16 25 ELECTRIC AVENUE / EDDY GRANT
17 16 PHOTOGRAPH / DEF LEPPARD
18 24 NEVER GONNA LET YOU GO / SERGIO MENDES
19 20 SHE'S A BEAUTY / TUBES
20 26 TOO SHY / KAJAGOOGOO
21 28 I'M STILL STANDING / ELTON JOHN
22 41 WANNA BE STARTIN' SOMETHIN' / MICHAEL JACKSON
23 19 I WON'T HOLD YOU BACK / TOTO
24 15 JEOPARDY / GREG KIHN BAND
25 18 DER KOMMISSAR / AFTER THE FIRE
26 27 TRY AGAIN / CHAMPAIGN
27 32 WE TWO / LITTLE RIVER BAND
28 37 COME DANCING / KINKS
29 33 THE WOMAN IN YOU / BEE GEES
30 30 THE ONE THING / INXS
31 23 STRANGER IN MY HOUSE / RONNIE MILSAP
32 34 THAT'S LOVE / JIM CAPALDI
33 40 OUR HOUSE / MADNESS
34 35 ALL THIS LOVE / DEBARGE
35 36 NO TIME FOR TALK / CHRISTOPHER CROSS
36 - EVERY BREATH YOU TAKE / POLICE
37 38 ALL MY LIFE / KENNY ROGERS
38 21 RIO / DURAN DURAN
39 39 LOOKING FOR A STRANGER / PAT BENATAR
40 44 THE CLOSER YOU GET / ALABAMA

コメント (19)    この記事についてブログを書く
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19 コメント

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80年代 (240)
2019-06-02 21:33:45
こんばんは。今日のクリス松村さんのラジオ番組、1981年6月の特集でしたが、~1983年くらいまでの洋楽って、ホントにいまだに魅力的です。
ここでの大好きな曲はDEF LEPPARD「PHOTOGRAPH」、SERGIO MENDES「NEVER GONNA LET YOU GO」あたりでしょうか。
Unknown (実験鼠)
2019-06-02 22:02:34
この曲好きですねー(一応、100選にも選びました)。といっても、再三申し上げている通り、若い頃はブラック・ミュージックが苦手だったので、本当に好きになったのは、かなり後になってからですが。
そういえば、自分が初めてプリンスを聴いたのはこの曲でしたね。
Prince時代の始まり (hannah)
2019-06-02 22:22:06
星船さん、こんばんは。
80年初頭の♪I Wanne Be Your Lover♪の時は各番組で凄いアーティストが登場したと話題でした。
83年はM.Jacksonの年でしたが、もう一人タイプが異なるブラック系アーティストの登場です。
Michaelが87年に♪Bad♪をリリースするまでの間に、Princeはミュージックシーンを席捲し、まさにPrince時代でした。
Unknown (太ったボンジョビ)
2019-06-02 23:26:28
いやぁいーですねーコルベット
私の愛聴83その4です
星船さんとは異なり私はイントロとラストの掛け合いが大好きです
プリンスの持ち味は優しい歌なのでは、と無理矢理な推測さえ出てしまいます
LPバージョンの方がいいんじゃないかのベスト3に入りますね
他の2曲は恋におぼれてとスイートチャイルドてす
なお前作の戦慄の貴公子もそれなりにアルバム売れてた気がしますが、シングルのタイトル曲は未だにトライしておりません、何か脱力しそうな気がして…
で、しつこいようですがコルベットはリクエストコーナーで唯一紹介されなかったシングルではないかと…
星船さんも録音の出どころは覚えてないさうだすね
永年シングルバージョンがあることさえ知らなかったですよ
A面最高の3曲 (音時)
2019-06-02 23:58:09
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/18716462.html
アルバム「1999」はA面最初の3曲が秀逸で「1999」~「Little Red Corvette」~「Delirious」ばかり聴いておりました。(来日の決まったU2.彼らの「The Joshua Tree」も最初の3曲を繰り返し聴いてました)
日本ではシングル発売遅く、"Delirious"のB面だったのを知りませんでした。
良いですね (golden_70s)
2019-06-03 20:42:56
プリンスの曲で1番好きな曲です。
イントロの何とも”妖しい”雰囲気がとても良いです。

この頃、マイケルVSプリンスみたいな図式はありませんでしたか?
私は、大人になってからのマイケル・ジャクソンの歌い方が好きではなかったので、
どちらかと言えば、プリンスでした。
Unknown (ローリングウエスト)
2019-06-03 21:23:52
プリンスは数年前に特集記事を作ろうと思ったらユーチューブがことごとく閲覧制限やミュートがかかっていて往生して断念しました。今はいい映像がたくさん見られてだいぶ制限が緩みましたね~。また記事作成に再挑戦してみようかな!
M.J. vs. Prince (hannah)
2019-06-03 21:46:24
golden_70sさん、こんばんわ。
確かに80年代はM.J. vs. Princeみたいなところはありましたね。
Q.JonesのプロデュースによりビッグネームとなったMichaelと、自作自演でプロデュースまでこなすPrinceと。
83年を代表するアルバムが♪Thriller♪であれば、84年を代表するアルバムは♪Purple Rain♪でした。
以降M.J.は寡作傾向になりましたが、Princeは精力的に1年1作ペースでした。
お互い若くして逝去したのが残念です。
1982年8月頃 (星船)
2019-06-04 21:20:07
240さんこんばんは。
80年代に入ってからも良い曲がたくさんありました。
81年から83年の間だと、個人的には1982年8月頃のシカゴ、スティーブミラー、フリートウッド・マックがTop5に入っていた時のチャートが大好きです。
Def LeppardのPhotographの突然のヒットはうれしかったです。
音楽の好みは (星船)
2019-06-04 21:24:18
実験鼠さんこんばんは。
音楽の好みですが、やっぱり年とともに変わりますよね。私もソウルの中でもファンク系の曲が苦手でしたが、今ではよく聴く曲もたくさんあります。
Princeですが、彼の初めてのヒットシングル"I Wanna Be Your Lover"の頃は、本文にも書きましたが好みではなかったですが、この曲"Little Red Corvette"を聞いてからはだいぶ変わりました。

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