2020年9月22日火曜日

人材を成長させるのも組織の役目

病院という組織の中では病棟のキャラクターを決めるのは師長さんであることが本当に多いです。

患者さん側から見ると、病棟の違いというのは多くの場合「診療科目の違い」という表面上の違いが目立つくらいなのかもしれませんが、病院で勤めている人間が内側からその病棟やその科の持つ雰囲気や業務遂行上の暗黙の決まりなどを観察・体感していると、そのダイナミズムを決定づけるのは大いに師長さんのキャラクターが関与していることが明確に読んで取れます。

師長さんの次の命令指揮系統に立っている主任さんがその色になにかの味付けを加えているかと言うと、それはあんまり大きくないと正直思います。やはり決定的なのは師長さんの存在感とキャラクター。

例えば、病棟運営で殆ど何も言わず何も関与しないタイプの陰キャみたいな師長さんも実際居られまして、何故その人が選ばれたのか、単に年功序列なのかというようなレベルの人もおられるのですが、それでも殆ど何も言わないという師長さんのキャラクターが他の人に自由な発言を許したりする度合いを強めることでその病棟のキャラクターを作りますし、師長さんが猛獣使いタイプのような強烈な人だと、その下で従う人達が兵隊さんのようなキャラになってしまうような状態でほぼ何も大きな発言権が無くなって、合わない人は次のシーズンでその病棟からの異動願いを出したりする人もちらほら。w

「よく働く」のですが、どちらかと言うと副官たる主任向きの人もいてそんな人が師長さんになっても意外と当初の看護部長などの期待に応えられなくて燻ってしまったりすることも無いわけでは有りません。(と言うか意外と多いんです、そういう事例も。)

やはり、トップに向く人というのは独断専行であろうがなかろうが、したが迷惑を被ろうがなんだろうが「物事を決めてグループの方向性を決定づける」というタイプの人であろうと思います。一番ダメなのは「みんなで話し合っていろいろ決めていきましょう!」というタイプの人で、この手の人はいわゆる「いい人」であろうとする人が多いですね。

しかし、進路が決まらないと船は漂流する如く、組織全体もその方向性を失い次第に内部には大きな不満が溜まってきます。まずはスパッと進路を決め、間違っていたらサクッと軌道修正をすればいいだけの話。「過ちて即ち改むるを憚ることなかれ」ということが原則だと思います。

やっぱり何でも現時点での組織が向かおうとする方向性は従ってくる人達に見せておかないとね!って事でしょうか。

そんな中で選ばれてはチャレンジをする師長さん達ですが、私はもっとこの人事に柔軟性があって良いと思っています。つまり、若手の有望株をさっと指名しては1年2年とやらせてみて、駄目ならば一旦ヒラなり主任なりに戻して再教育、再チャレンジ。それを繰り返すうちに前回駄目だったところを修正して次に挑むというような事をさせる柔軟性が大事だと思うのです。年寄ばかりを年功序列で(適性もないのに)上の役職に当て嵌めていては組織も腐ります。場合によってはやってみたい人が手を上げる中での選抜も大いに有りかと思うのですが・・・。

人を育てて適切な人に組織を引っ張らせるというのは組織の大小を問わず本当に難しいものですね。


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