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副院長は、マスコミに向けて、ストの理由等をアピール。医療人として財団のやり方に抗議すると。
でもね、既にスンヒョは手を打っていました。前日にこの騒動についての説明をしていたのです。財団側の主張として。
そして、その中で、投薬ミスによる死亡事故を発見したということも発表したのです。ただちに、遺族に対して結果を報告するとも。
その上で、医療陣とも誠心誠意話し合うことでストを未然に防ぐつもりだとね。
だから、スンヒョは冷静な目で副院長のスト発表を見つめていたのです。
投薬ミスによる死亡事故というのは、やはり大きな注目となりました。
こうなると、ストの正当性などどこへやら・・・ですよ。
ノウルは、スンヒョの主張は正しいと思っていました。
医療がソウルに一極集中することは、間違っていると考えていました。だから、医療過疎の地域にいくつかの科を分けるのも尤もだと。
だから、ストのアンケートでは、スト反対に投票したようです。
それに、周囲の人が口を揃えてスンヒョはあくどいと言うのにも、賛同できないでいました。
医師たちは、スンヒョを追い出すことを最優先に考えています。
医療についてド素人の財団が派遣した社長など・・・と言うところでしょうか。
医師の本分とか、医療とはなんぞやということを全く考えずに利益追求だけを念頭に置いての経営方針を押し付けてきていると考えているのです。
そんなとき、セグル21と言うネット新聞社から副院長にインタビューが申し込まれました。
通常は、拒むことがあまり無い副院長ですが、今はやはり難しいタイミングですわな。
それに、セグル21と言うのが、反骨精神に満ちた結構果敢な記事を書くと分かっていたようです。
でも、無下に断る事ができないので、あちこちに回した挙げ句、ジヌにお鉢が回って来てしまいました。
スンヒョは、社長として病院の赤字を減らし、経営を軌道に乗せる責任がありました。
そのための方法を、あれこれ考えるのですが、おそらくそれは医療人ではない企業家としての考え方なんでしょうね。
医療の世界ではこれまで慣習とされてきたことが、如何に不効率で不経済かと考えるのところなどが医師たちに受け入れられない点でしょう。
韓国では病院の中に斎場があるようですね。
それは保険適用外だとか。
スンヒョは、斎場と検診センターを拡張すべきだと考えました。
要するに、病院の言い値になる部門を重視しようということです。
ジヌとソヌの母親は、再婚しているようです。
昔から、体の不自由なソヌにつきっきりで世話を焼いて来ました。
もう大人になった今でも、小さい子にするように世話を焼こうとしています。
ソヌは、それを煩わしいと感じてるように見えます。でも、一切そんなことを母に感じさせるような事はしません。
ある夜、ソヌの勤務が終わるのを待っていた母は、一緒に食事に行きました。本当は、ジヌにも来てほしかったんだと思います。病院のストが公になっているのも気になっていましたから。
でも、ジヌは約束があるからと断りました。いつもそうなのかな?
ソヌはそれを口実だと思ったようです。
ところで、ソヌの足の怪我は、父親の運転する車の事故によるものだったのかしら?その事故で、父親は亡くなってしまったのでしょうか。
ジヌは本当に約束があったのです。セグル21の記者と会うことになっていました。
ところが、病院を出ようとしたとき、急患が搬送されて来たのです。
ジヌは、すぐさま対応しました。
約束の時間に1時間以上遅れて行ったジヌ。
記者のソヒョンは、ジヌの積めや首筋、そして履いている靴にも血がついているのに気がつきました。その理由をソヒョンは知っていました。
実は、あまりにも待たされたので、救急にジヌを訪ねて行っていたのです。そこで、急患に対応するジヌの姿を見ていたのです。
好感を持ったようです。男性としてと言うより仕事に真剣に取り組む一人の医師として。
ジヌは、ソヒョンの美しさと気配りに一瞬で惹かれたように見えましたが。
ジヌはノウルのことをどう思っているのでしょう。後輩として見ているのでしょうか。周囲はジヌがノウルに好意を持っていると噂しているようですが。
ソヒョンは率直に疑問をぶつけてきました。
ジヌは病院が利益追求に走ってはいけないと主張。投薬ミスを指摘されたとき、それは事実だと認めました。
すると、財団だけを非難することはできないとソヒョン。
ジヌは口を閉ざしてしまいました。不利になることは言えませんからね。
ソヒョンは記者としてそのような態度を取る取材相手の心情をよく理解しているようです。
「相手を苦しめるのが良い取材だとは思いません。答えないのも答えなので。厄介な質問もしますが、ご理解を。」
医療事故には等級があります・・・と、ジヌは説明しました。
それはどれだけ致命打になったか、誰が犯したミスかによって様々に区分されているのです。
それだけ多いってことか?・・・と、スンヒョも医療事故についてソヌ・チャンに聞いていました。
どの程度なら発表するんだ?・・・と、スンヒョ。
ソヌ・チャンは答えません。
発表するメリットが無いだろ・・・と、しばらくの間の後言いました。
その時、突然ノウルがスンヒョの社長室にやって来ました。
マズイです。ソヌ・チャンがスンヒョのスパイだとばれちゃったら。
ソヌ・チャンを部屋に残し、スンヒョ一人が部屋の外に出ました。
ノウルは、スンヒョを小児科病棟に案内しました。
現場を見れば、役に立つのでは?・・・と。
様々な病気、様々な事情で入院している子供たちを見ました。
新生児治療室では、小さな小さな赤ちゃんを見ました。そっと触れたノウルの指先を小さな手で握りしめようと動くのを見ました。
皆一生懸命に生きようとしていました。
なにかを感じたようなスンヒョの表情だったのですが、直後に足早に出ていくのを見ると、気分を害したようにも見えます。
自分でもよくわからない感情に襲われたのかもしれません。
苛立つような切ないような。
でも、一つ言えるのは、初めてスンヒョの自然な笑顔が見えたということ。隣に停まった車の座席で口を開けて眠り込んでる子供を見て、くすっと笑うその顔が、柔らかかったです。
病院では、胸部外科が行った手術中に亡くなったケースについての検討会が開かれました。異例のことでした。
どういう流れで死に至ったかの説明が始まりました。
医師だけの会かと思っていたら、そこにスンヒョが。
専門的な内容だから、分かるわけ無いのに・・・と、誰もが思いました。
ところが、スンヒョはきちんと理解していて、質問を挟んだのです。
処置方法を選択したのは、誰の意思かと。
担当の胸部外科ヤン医師は、躊躇しながらも答えました、自分だと。
静けさが会場に満ちました。
それを破るように、チュ胸部外科長が立ち上がりました。
自分はこの病院に来る前に一つの病院が赤字が理由で破壊されるのを見てきたと言いました。
悪評も凄く、公共医療院の問題点を指摘し閉鎖に同調する人々がどれ程多かったか。しかし、そんな医療院しか行けない老人や子供がいるのだと。
問題点が多いのは承知していた。しかし、それを直せば立て直すこともできた筈。
「社長。胸部外科は人手不足です。若い医師たちは楽で金になる科に集まる。しかし全員がそうではない。胸部外科の医師になる者が少ない。病院が胸部外科に投資しないからです。赤字の手術が多いので。それでも私たちは今日も手術します。万分の一確率の事故を起こしたと非難されても。」
ずっと、チュ胸部外科長は科員から訴えられていたのです、人手不足がどれほど深刻かということを。やっと、社長に対して訴えてくれたと科員はほっとしたのではないでしょうか。
チュ胸部外科長は、他大学出身と言うことで他の医師と距離をおかれていたし、彼自身も遠慮がちなところがありましたからね。