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JR九州 811系1500番台車~ラッシュ対策を強化したリニューアル車両

2019-08-31 | 鉄道[九州・JR]
今日で8月も終わり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には夏休みを利用して遠出された方も多いと思いますが、その中にはJR旅客各社の普通・快速列車が乗り放題となる格安乗車券「青春18きっぷ」を利用された方も居られるかと思います。
 
MAKIKYUは6月~7月中頃にかけては業務の都合などで余り遠出もできず、「MAKIKYUのページ」更新も休止のお知らせを掲出する状況でしたが、7月下旬には業務が一旦落ち着いた事もあり、先月~今月にかけて3週間程遠出していました。

今夏の旅行は海外メインだったものの、フェリー発着港までの足などとして青春18きっぷも1セット(5回分)購入して利用、首都圏~京阪神~中国地方~九州北部にかけての普通・快速列車乗継移動で利用したものでした。

その際には近年JR九州の福岡地区で数を増やしている811系「1500番台」車にも初めて乗車機会がありましたので、今日取り上げたいと思います。

811系はJR九州発足から間もない1989年(平成元年)に登場した九州島内(交流60Hz区間)専用の近郊型電車で、国鉄時代に設計・導入された交直両用車の415系に比べればまだ幾分新しいとはいえ、30年強に渡る平成時代を経て令和時代に入った今日ではベテランの域に達した車両になります。

経年劣化に加え、直流電動機を用いた主電動機などもエネルギー効率の面で芳しいとは言い難く、首都圏で活躍する同世代車の中には退役進行中の車両も少なくない程、JR九州では今後811系の継続使用を見込んで大規模リニューアル実施が進行しており、リニューアル施行車は番台区分が1500番台に改められています。

 
主回路更新(VVVFインバーター制御化)や行先表示器のフルカラーLED化、パンタグラフのシングルアーム化など、近年他事業者の大規模リニューアル車で実施される事が多い更新内容各種に加え、JR九州ではお馴染みの某有名デザイナーの参画による内外装のテコ入れにより、車体各所でロゴや英文字などを見る事ができるのも大きな特徴です。

また九州北部地区を走る近郊型電車は811系をはじめ、他形式でも前面貫通扉上に行先を表示しているものの種別表示は側面のみ、そのため先頭部を見ただけでは普通なのか快速なのかを識別できない車両が多数活躍しています。

字幕式では幕数の関係などで致し方ないと感じる事もあるものの、大規模リニューアルでフルカラーLED式に改めた以上は、交互表示やスクロール表示などで種別と行先の双方を表示して…と感じる所ですが、他形式車両併結時の情報指令伝達の関係などもあるのか、現状では更新前の字幕時代と同様に行先のみの表示となっており、今後のプログラム更新などに期待したいと感じたものでした。

車内に足を踏み入れると、以前は転換式クロスシートがズラリと並び、福北間の乗り通しなど1時間強に渡る乗車を強く意識した雰囲気だったものの、後進車両増備や老朽車両退役などで登場時とは状況が大きく変化した事も影響してか、ラッシュ対策を強く意識したオールロングシート車に改められています。

蛍光灯LEDと共にグローブレス化、化粧板も白無地となっており、客ドアも内側はガラス押え形状などは変化したものの、相変わらずステンレス無地ですので、割合簡素な印象を受けたものです。

優先席以外は青系統のモケットを用いたロングシートは、背ずり部分がやや特徴的な形状、袖仕切りにロゴを散りばめたガラスを用いている辺りは、デザイナーの個性が出ていると感じたものでした。

とはいえ最近背ずりに合板を用いた座席を装備、座席モケットも1車両内で様々な柄を用いた車両を多数導入しており、最近では床材にQRコードもどきの模様が多数描かれた車両も散見されるJR九州にしては大人しい雰囲気。

一部のドア上には次駅表示などを行うLED文字案内装置が装備されていますが、最近では4か国語表示対応のLCDモニターを装備する車両も少なくない状況、JR九州でも最新型車両では採用事例があり、異国にも近い土地柄も考慮すると役不足の感が否めず、ないよりは良いものの情報伝達面では今後の改善に期待とも感じたものでした。

総体的な講評として大規模リニューアルに際してはもう少しテコ入れした方が…と感じる面も幾つかあるものの、一般車両として万人受けする車両を志向したのでは…と感じる面が多く、一部では「白缶」とも呼ばれる常軌を逸した座席を装備した車両などに比べれば遥かに快適、乗降性も改善されていますので、普通列車主体の運用で20~30分程度の乗車なら悪くないと感じたものでした。

ただ高速バス競合区間でリクライニングシートを装備した高速バスよりも運賃が割高となる区間も少なくない事を考慮すると、福北間など片道1時間以上の乗車となる事も少なくない快速・区間快速での充当は、少なくとも昼間時間帯は極力避けた方が良いと思われ、今後リニューアル車が増える事も考慮すると、車両運用面での配慮などは必須だろうと感じたものでした。


あと「MAKIKYUのページ」更新ですが、9月以降は月に2~3回程度の更新ができれば…と思っていますので、今後も引き続きアクセス頂けると幸いです。


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