世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

終わりよければ全て良し! 逆もまた然り

2020年09月28日 | 100の力
映画が好きだ。

海外ドラマが好きだ。


コロナ禍に於いて、

映画・ドラマ三昧な日々を送っている。


そんな中、いつも想うのは

どういうラストになるかで

その映画の価値、面白みが決まる、ということだ。


「エ、ここで終わるの?」と思わせる作品が

少なからずある。


終わり悪ければ、

それまでの感動が興ざめしてしまう。


人生も、また同じ。



これまでTV(特に地上波)は観たことがなかったが、

「半沢直樹」は別だった。


だが、最終回、

完全に「大和田劇場」と化してしまった。

直樹のお株を大和田が奪ってしまった。




主客転倒劇だった。



半沢の周りの

敵対しながら協力してくれたすべてのキャストが辞めてしまう。


そして、

その散り際は、それぞれ素晴らしかった。


中でも

大和田は秀逸だった。

完全に主役の座を奪われた格好となった。


あそこは、

半沢が辞め、

大和田を引き留めて残すべきだった。


直樹が頭取になることを

視聴者は望んでいたのだろうか。

いささか疑問だ。


というか、

「半沢直樹」に頭取の姿は似つかわしくない。


日本のサラリーマンは、

一兵卒が(せいぜい次長・課長・係長が)、

憎たらしい上司や権力者を次々になぎ倒していく姿に

我が身を重ね、

勧善懲悪というテーマの中に

スカっとする痛快さを感じていたのではなかろうか。


これは、

出世物語ではない。

復讐劇なのだ。

下剋上劇なのだ。


「やられたらやり返す」という一見冷酷さの中に、

許しと温情、

優しさと慈悲が潜んでいればこそ

人の心を打つ。


そこに「男の美学」がある。


だからこそ、共感する。

拍手喝采する。



最後は

あからさまに頭取の席を狙い、

いささか食傷気味ではあったものの、

憎たらしいまでの顔芸と言い回しで敵役を演じながら、

最後は最大の協力者(犠牲)となった大和田に

花を持たせ

懐の深さを見せなければ

単なる復讐する冷酷人にすぎなくなってしまう。



全ドラマを通じるキーワードは、

花言葉にもあった、

正義と誠実


忠誠、忠実ではない、

忠を省いた誠実である。


その陰にあるのは、確固たる信念と燃え滾る情熱だ。


忠犬ハチ公型の日本のサラリーマンには

なかなかできない芸当である。



続編があるとするならば、

頭取としての「半沢直樹」ではなく、

バンカーでなくなった「半沢直樹」に期待したい。









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