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富山の知識資本社会への遠い道のり:大学センター入試受験率からみて

2020年01月19日 | Weblog

2020.1.19を以て、第2期の大学センター試験の時代は終わる。この受験者総数が、富山県の高等学校の卒業予定者数に占める割合をみると、厳しい現実が分かる。受験者総数は、5409名、そのうち721名はすでに高校を卒業したいわゆる「浪人」、従って、「現役」は4688名にとどまる。男女比では、過去には、富山県では、女子が男子を実数で上回った時代もあったが、今年は、浪人生を含めて、男子2797>女子2612と、女子がわずかにすくない。これは、女子の受験者比率としては高い県のグループには属しているが、富山の歴史では後退気味である。現代では推薦入試で、この大学センター入試を経由しない進学方式もあるので、いわゆる進学率というレベルでは、富山県は退化してはいない。富山県では、高校3年の卒業予定者が9000名であるから、現役生の受験率は60%となり、決して悪い数値ではない。けれども、大学院大学として、修士・博士のコースにつながる高度な学術研究を実際に体験できる国立難関校に進むには、この第一次選抜の門を通過する必要がある。そのためには、裾野として66%以上の高卒総数の受験率がないと、先端のトップ10%の水準が押し上げられない。富山県では、トップ10%は900名となるが、この枠内からの難関大学への進出が具体的に問題となる。かって比較指標とされた鹿児島ラサールと富山中部との格差は拡大し、富山県の御三家とわれるトップランクも、昔の見る影がないそうだ。栄光を再びという復古調はあえて唱えない。こうなると、進路指導の高度な戦略が求められる。それは、日本の先端科学を牽引している40歳代の教授陣をリスト・アップして、探究志向の延長線と大学院大学の先端講座とを結び、的を絞りこんだ進学指導をすることである。小生の過去の経験では、富山県からの進学者は、大学名と学部名をインデックスとしてしか、進学してこない。そこで、なにが将来性の高い学問か、教えてもらっていない。有名大学では、入学後の、更に厳しい科学者への真実の階段が待っている。そこで敗北させないためには、富山県の教育委員会では、富山県の博士号をもつ学者をモニターとして、トップ10%の目標となる日本の先端科学を牽引している40歳代の教授陣をリスト・アップに協力してもらう必要がある。それと、難関校の2次試験の攻略法を公費を投入しても、成功事例【首都圏の予備校】から導入することである。地域社会の指導層において、緻密な人材育成の道を設計しないで、高校卒の正社員率が全国一というデータを誇ると、彼らが40歳になった時に、世界でおきている知識資本の経済から取り残され、請負製造の日蔭を歩むことになりかねない。


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