富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

香港の「明報」がつたえる香港革命の実像

2019年10月06日 | Weblog

香港政庁が、覆面となる防塵のマスクを禁止する法令を出したが、それは愚策も甚だしい。法令で禁止すればするほど、対抗の手段は発達してくる。民主化の運動には、誰も指導者がおらず、大きく武勇派と穏健派とに分かれているが、実は両者の対立はない。SNSで多元的に、自然発生的に、自分ができる範囲で、それぞれが工夫している。運動の方向も、アメリカ議会を動かしたいグループもあれば、台湾との連帯をめざす動きもある。中国共産党の穏健派は、若者の就業環境、住居環境などを唯物論から理解しようとしているが、この写真を見れば、極めて高い文化意識、つまり自由と民主そのものを価値とする高潔な価値意識が、香港のなかで成長してきたことを意味する。日本のマスメディアも、そろそろ香港の自治主体が、「香港式広東語」を使う人々の間で、北京式の普通語になじまない「反大陸派」が、圧倒的な物量でせまる「大陸漢語」の世界を跳ね返している。この写真は、香港式の広東語を使う香港人の民主派の牙城である「明報」社のものである。news.mingpao.comで検索すれば、すぐにでも参照できる。すでに彼らの国歌が生まれ、次は、仮面劇へと展開していく。中華民国の国歌も、革命歌である。それに対抗する歌がネットを介して流布する。こうしたありようは、ハーバーマスの理論が想定していた以上に、政治言語に対置する生活者による生活者の言語文化が「自律」できる可能性を示している。都会人としてのバラバラな青年層が、「香港人」として共通の連帯感を表明しはじめている。実は、あの大清帝国も、この香港の西医書院という医学校の学生たちが「革命」を口にした時から始まった。その一人が孫文である。今回は、多様で、多元的な「街頭劇場」を全世界に見せることで、中国共産党の「天安門前」の陳腐な軍事パレードと、仮面劇を街頭で演じる抵抗者と、見事に並立させることに成功した。アメリカよりも、面白いのが包括的な中華人の感性の豊かさである。香港の若者が直接民主制がもたらす民衆の自律的な、自覚に成功するなら、その波は、東京にも及んでくる。彼らは、日本語が使える人、フランス語で出来る人、多様な人材を抱えている。世界に見事に発信している。【このブログでは、基本、中国共産党の穏健派を支持し、香港独立論には同調しない。しかし、香港から飛び出した孫文革命が、中国共産党の香港支配という強権として跳ね返ってきた。こうした伝統的な指導性民主主義の革命政党は、政治言語の世界で硬直化することで、若者の支持を失う】

 

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「冨冨冨」・富山第一主義の... | トップ | 景気後退とマイナス成長の違い »
最新の画像もっと見る