栽培改善は先に取り組んだほうが圧倒的に有利だ | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一

栽培改善は先に取り組んだほうが圧倒的に有利だ!!!

 

先日、SNS上で面白い話があった。

技術革新や効率化を突き詰め、技術が普遍化共通化するといずれ皆が同じレベルになって競争の揚げ句原価割れしてしまうというような話です。

なんか変だな、と思ったのですが、技術や効率化の進化が完全に止まるという前提であればそのようことが起きる可能性があるということですね。

 

私は30年以上農業の世界に携わってきましたが、その間に農業というのは恐ろしい進化を遂げています。

初めて農業の世界に飛び込んだのは、北海道の畑作農家でバレイショを作っていました。収穫はディガーで掘り出して人間が列をなしてそれを拾いながら肥料袋に詰めるというもので、肥料袋に入ったバレイショを後から一つ一つ運搬車に乗せるというようなものでした。

今では北海道でのバレイショの収穫はポテトハーベスターが主力でしょう。

北海道以外ではまだまだ違う部分はあるでしょうが、物凄い進化です。

機械化というのは省力化の手段として分かりやすいので、価格と規模的なもの以外では技術の進化という点ではわかりやすいものです。

 

しかし、私が間近で見てきた灌水や追肥というものも大幅な進化を遂げています。

私は会社員時代に点滴灌水チューブの営業マンをしていました。

散水式であると畝ごとにバルブの開け閉めをしなければならず、灌水の手間が大変でしたが点滴灌水であれば相当な面積まで一回の操作で灌水できるという省力化が受けて普及しました。

しかし、省力化だけではなく水と液肥を同時に与えることが容易である点滴灌水では、作物のコントロールをしやすくなり「養液土耕栽培」が可能となりました。

私の所属していた会社も資材を提供しその開発に携わりましたが、画期的だなあ、と思い当時開発に携わった方は皆ハウス栽培は変わると確信したものでした。

今となっては点滴灌水というのはごく普通の存在ですが、散水式の灌水がほとんどであった当時、表面が乾いて土壌の内部だけに灌水されるという点滴システムは、批判を浴びました。

今となっては笑い話かも知れませんが、点滴灌水はイチゴの専門家にはイチゴはクラウンを濡らさないと育たないといわれ、キュウリの先生にはキュウリは空中湿度がないとまともに育たない、と言われ真っ向から否定されたものです。

現在では、ハウス用の環境モニターが劇的に安くなり個人でも活用できるようになり、ハウス栽培の技術は相当に進化しています。

 

私個人を考えてみても、20年ほど前に土耕栽培において土壌の物理特性が収量や品質に最も大きな影響を与えるということを、カルビーポテトの社内報「ポテカル」に発表しました。

残念ながらほとんど誰にも相手にされませんでしたし、理解もされませんでした。しかし、徐々にその理解は深まってきているようです。

しかしながら、私自身もこの間に大きな進歩があります。長年、土壌の物理的な特性を変えるのは時間がかかるという概念に捕らわれていました。いわゆる土地作り信仰ですね。そのため、だいぶ回り道になりました。

しかし、農業を科学する研究会の会員の方々と接するうちにすぐに変えられるじゃないか、と言うことに気付いたわけです。実際「土作り」などというのは、一作で変えられると言うことが明確になってきています。<詳細について知りたい方は、「農業を科学する研究会」に是非参加してください>

 

新しい技術や工程管理というものが有効であれば、有効であるほど速く取り組んだ人が有利です。

一番最初に書かれているように、技術が成熟化し皆が共通の技術を用いて栽培した場合、技術は陳腐化し競争力はなくなるわけです。

しかし、速く取り組めば技術が陳腐化する前にその新しい技術の恩恵に長くあずかれるわけです。皆が始めてからやっても技術的には陳腐化し、技術的差別化にはつながりません。

技術改善や技術革新というのは、速く取り組めば取り組むほど有利で後になるほど不利で恩恵にあずかれなくなるということです。

そのため、多くの産業界では研究開発投資にお金と時間をかけることになります。

これは農業でも全く同じで新しい技術を採り入れるのは、皆が始めてからやっても大した恩恵にはならない。先に人の先に行くから大きな恩恵がある。

いつも様子を見てうまく行くならやろう、と思っている人は機会損失を招いているといえる。

一見すると伸長で成功するからやる~失敗がないと考えている。しかし、実際には大きな機会損失がある。

そして先に取り組んだ人は、皆が追いついてきた時にはさらに先に行っている。

新しく取り組んだことの改良が行われたり、ノウハウが積み重なっ手いることにより先に行けるからだ。

積極的に新しいことに取り組み、新しい分野に取り組むということが経営の改善につながるということを理解すべきである。

 

自由競争に近ければ近いほど、そのわずかな差は長い間に大きな差となり、経営的に厳しくなるだろう。

 


農業を科学する研究会 土壌硬度の均一性評価(β版)を正会員になると使用できる予定です。

 

Agsoil株式会社 土壌硬度の均一性評価(β版)を提供します。

 

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