コトバが使えない | 勉強で困らないために

勉強で困らないために

成績が上がらない。そもそも勉強しない。「どうすれば?」よりも「どうあるべきか?」
教育の王道を突き進む『学習塾LOGOS』(福岡県春日市・太宰府市・大野城市)の代表が考える勉強の本質とは。

前回のつづき。

少し前の話だが「最近の中学生の読解力がヤバい」という記事を読んだ。


幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、
大名には沿岸の警備を命じた。

1639年、ポルトガル人は追放され、
幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。

この2つの文章の意味は同じか?

という問いに対して、
中学生の43%は「同じ」、そして57%は「異なる」と解答したらしい。

もちろん正解は「異なる」だが、これはかなりインパクトのある調査結果である。


このニュースがにわかには信じられず(笑)、
logosでも全3教室で実施してみた。

他にも同様の読解問題を作成し、全4問に紛れ込ませて実施したところ、正答率は、
中1→76.47%
中2→87.88%
中3→88.73%
という結果。

うーむ。
ちゃんと間違えるなー(笑)

分析すると、「考え方」はさまざまあった。

たとえば「幕府と大名との関係性」を理解している者は、比較的読みやすく、後の文に違和感を覚える。

また、純粋に「読解力」だけで、
「幕府は」→「命じた」
「幕府は」→「命じられた」の違いを捉えた生徒もいた。

本当は、そこを見たいのだが、なかなか「純粋な読解力」をむき出しにするのは難しい。

さて、こういった生徒の読解力の現状は、「教科書で勉強することができない」ことを意味している。
仮にテストを教科書持ち込み可 としても、おそらく満点は取れない。

ちなみに、「ヒトの話を聞く」、「聞いて理解する」のは、もっと苦手としている。(笑)

つまり、学ぶ以前に、「学ぶ素養」が大きく欠けていっているのだ。

じゃあ、映像で分かりやすくしたらどうか?

そもそも、学力なんて必要なのか?
学力がなくても生きられる世の中を作ろう!

などの意見も出始めている。

果たして、根本的な問題に蓋をして、小手先だけの対症療法がどこまで通用するのか。

しつこいようだが、
コトはもはや学校や文科省の手の届かないところに来ている。