「100点取りました!」や「○○高校合格しました!」を聞くこと。
それは言うまでもないことだが、
それ以外にもいくつかある。
χ+y = 5 ,χy = 3 のとき,
χ^2 + y^2 の値を求めよ。
これを初見で解ける生徒はなかなかいない。
解き方としては,
χ^2 + y^2 = (χ+y)^2 -2χy
のように式を変形させて,
そこにχ+y=5 ,χy=3 を代入すればよい。
カラクリはイージーだが,
基本的に「式の値」を求める問題は,
χ=○,y=△ のように「文字」に「数」を当てはめることに慣れているので、今回のように「式」に「数」を当てはめるという発想にならない。
そのうち
ヒント下さい!
と言われるので、そのときに
χ^2 + y^2 = (χ+y)^2 ・・・
と、ここまで書くと、
んん?と怪訝な顔をする。(笑)
ほう。いい顔したな。
いや、それ、イコールじゃないですよね?!
そうだね。
何か余分なものがあるよね?
と言いかけたその瞬間。
あ!分かった!!
きたー。(笑)
このときが「最高の瞬間」である。
目をキラキラさせる生徒たちの様子は、20日連勤の疲れを吹き飛ばしてくれる。(笑)
先生先生先生先生!
これこれこれこれこれ!
んー。ノートに「19」と書いてあり、
正解!
よし!
え、これ難しいヤツですか?
と聞いてくるので、
まーかなり難しいやろうね。と。
おースゲー。オレ。
1人正解が出ると,次から次に
先生先生先生先生先生先生!
これですか?
これですか?
先生、こっちも・・・
おー。正解!正解!キミも正解!
みんなすごいな〰️。
文字に数を代入する。という基本的な知識から,数式ごとまとめて数を代入するところまで発想を広げられた。
これが思考の訓練であり、発想の拡大であり、活用力へとつながる。
やはり、基本があって応用である。
最近はともすれば基本を軽視し、最初から視野の広い学びをさせようとする傾向にある。
それも一理あるとは思うが、それだと本当に一握りの人だけがそこにたどり着くことができ、それ以外は、基本すらままならない状況に陥る。
今、まさにそうなりつつある。
九九が言えないまま,カタカナが書けないまま,ローマ字を知らないまま,中学生になり,そのまま高校生になっている。
身体に仕込まれた「義務教育としての知識,計算能力,文章力」などがほとんど無い状態で世に出る人も少なからずいるだろう。
知識偏重=悪
というシンプルな枠組みだけでコトを動かすからこうなってしまう。
上のほうにいる方々にはもっと複雑な考えがあるだろうが、それが下に下にと降りてきて,世間が周知する頃には「知識=悪」だけが残っている状態。
基本を徹底的に叩き込んで,そこから範囲を少しずつ拡大する。
かつての学びがとても良いと思うのだが。