写真の加工で消えるモノ | 雨の日も風の日も IN アメリカ

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在米25年。 アメリカ人旦那との間にティーンのハーフの男の子がいます。 アメリカの企業で企業管理者として勤続22年、フルタイムで働いているワーキングマザーです。 そんな私のごくふつ~の日常日記です。

私の義母、ローラがずっと欲しがっていた家族写真。

 

と言うことで、ローラの旦那さんの計らいで、

 

バレンタインのプレゼントとして、家族写真を撮りに行ってきました。

 

ローラとローラの旦那さん、ヘリの二人の妹とその家族、そして私達の合計10人です。

 

ローラの提案で、写真撮る前にみんなでランチを食べましょうとの事。

 

やだわ~、こういうの、写真撮った後にしてほしいわ?

 

メークも崩れるし、第一、子供ってご飯食べると汚したりしますよね、服。

 

トーマスは、あんまりその心配はないのですが、

 

ヘリは毎回奇跡のように服を汚すので、

 

出来るだけ服が汚れないような食べ物を選ばせたので大丈夫でしたけど。

 

プロの写真家に撮ってもらったんですが、

 

カメラマンは60代くらいのオジさん。

 

そしてアシスタントも60代くらいのオバさんでした。

 

オバさんは、バギーなドレスパンツ(日本語だとスラックス?)を履いていたんですが、

 

多分サイズがあってないのでしょうね。

 

まるで若者がジーンズを腰で履くようにそのドレスパンツを腰で履き、

 

裾がアコーディオン状態で床に引きずっていました。

 

なので、後ろの裾は布が擦れて破れていると言う(笑)

 

それだけでも滑稽なのに(やめなさい)、

 

彼女の3歳児を笑わせるテクがまた凄かった。

 

先ず、自分の頭の上にぬいぐるみを置き、

 

子供の目線が出来るだけカメラ目線になるように

 

オジさんが構えるカメラの真横に並び、

 

Look! Look! Look!とハイテンションで叫びます。

 

彼女の顔があまりにもオジさんとカメラに近く、

 

オジさんの顔とカメラに彼女の髪がばっさりかかっています。

 

ものすごく二人の距離が近いけど、どんな関係なのだろうと撮影中気になっていましたが、

 

後で名刺みたら、ご夫婦でした。

 

なんか納得(笑)

 

こんなんで彼女の髪の毛が写真に写りこまないのだろうか。。。

 

と心配したのもつかの間、彼女はまるで瞬間移動のようにさっとしゃがみ込み、

 

同時に彼女の頭の上のぬいぐるみが宙を舞い、

 

子供が、わー!と言ったその瞬間をオジさんがシャッター切るという。

 

ってか、そんな事しなくても、もっと他にいい手があるのでは?(やめなさい)


って言う瞬間移動術を数回お披露目していました(笑)

 

そして私が気になったのは、おばさんの頭に乗せていた縫いぐるみ。

 

それは、セサミストリートのバートでした。




 

エルモでもなく、クッキーモンスターでもなく(笑)

 

撮影が終わり、オジさんとオバさんが、いろんな加工テクを見せてくれました。

 

最近の加工テクってすごいですね~。

 

見本用のモデルのじいさんばあさんのビフォーアフターの加工を見せてもらったんですが、

 

あっという間に彼らの首のタルみ、顔のシワ、そして赤みが消えました。

 

でもね~、確かに写真だけみたら加工後の方が若返った映りになるんですが、

 

でも、そうすることによって重ねてきたこれまでの年月も一気に消されてしまうようで、

 

なんか、そこにこれまで生きてきた二人のいろんな歴史を感じないんですよね。


写真って何かの記念に撮るものですよね。


例えばこの老夫婦なら、70歳の誕生日とか、金婚式のお祝いに、とか。


でも加工することによって、その歴史が少し変わってしまうような気がします。

 

こういうの、なんかやだな~、ありのままの姿のほうがいいじゃん。

 

確かにみんな年取って昔みたいに綺麗じゃなくなるけど、

 

顔のシワやタルみも私たちがこれまで一生懸命人生を生きてきた証。

 

だから人生は素晴らしい。

 

なんて思っていましたが、加工で一瞬にして消えた私のシミ、タルみを見て思いました。

 

この加工、全身にしてくれないから?

 

人生の歴史とか経験なんて写真に写らなくても結構だわ。


むしろ写るべきではない(いや、オイ)


最近の写真はほんと恐ろしいですね。


写真は真実を写すと言いますが、最近の写真はあれ全部嘘っぱちですよ(やめなさい)