書籍・映画・アート

マトリックス4

マトリックス4の制作がはじまってるみたいですね。
(2021年の公開予定)

これを機会にまた鑑賞してみようと思います。マトリックス、そしてストーリーが難解で、ちょっと評価が分かれるマトリックス2(マトリックス・リローテッド)と3(マトリックス・レボリューションズ)について、僕なりに話しておきます。

ネタバレあり。

……。

これは現実だとしか見えない夢を見たことがあるか?

もし、その夢から目覚めることができないとしたら?

夢と現実の世界をどうやって区別することができる?

モーフィアスが主人公ネオに問いかけた言葉です。

この映画で「マトリックス」とは、仮想現実の世界を意味する重要なキーワード。

これはマトリックスという夢の世界で眠り続ける人類たちを目覚めさせるために、主人公たちが現実世界と仮想現実世界(マトリックス)を行き来して活躍する目覚めの物語です。

この物語内での世界観は、人間が現実だと思っていた世界が夢であり、本当の現実がその外(マトリックスの外)にあった、という構成になっています。

そこは機械によって人間が支配され、プラグにつながれマトリックスの中の 夢=仮想現実 を見させられている世界。

人類は夢を見ながら、機械たちにエネルギーを吸い取られています。

仮想現実の外の、現実世界は太陽が消え荒廃しています。その中で、一部のマトリックスから逃れた人間たちが集まっているのが「ザイオン」という街。マグマの熱でエネルギーを得ながら、本当の人間たちが住む最後の砦となっています。

ザイオンは人類を機械から自由にすることを目指しています。

当初(マトリックス1)、主人公のネオも、ザイオンから来たモーフィアスやトリニティによって、マトリックスの外側(現実世界)に出ることができました。

ネオが覚醒するまでが1のストーリー。

で、続編の2、3。

2(リローデッド)は、設計者アーキテクトからマトリックスとザイオンがなぜ存在するのか、歴史が明かされます。変則コード・アノマリーが救世主であり、マトリックスにリロードされる運命であったこと。

3(レボリューションズ)は、ネオが機械との休戦のためスミス(ウィルスのような存在)を倒し、マトリックスを自由化するところまで。

このような流れとなっています。

最重要ポイントは、

マトリックス2(リローデッド)では、救世主として目覚めたネオがマトリックスの設計者であるアーキテクトと出会うシーン。

カギ屋さんの秘密キーで扉を開けて、パァァァァとキアヌが光に包まれて、いっぱいテレビ画面があるとこに行ったら、お髭のおじいちゃんがいたって場面です。

ここ。

アーキテクトとは、マトリックスの創造主のようなプログラムです。

そこで明かされるのは、実は、ネオは6人目の救世主であること。なんと、「これまでも5人の救世主がいて、アーキテクトの与える選択肢からザイオンを再建させてきたんだよ」ということでした。

実は、アーキテクトが最初に創ったマトリックスは完璧なものだったのですが、人間は不完全な存在。その完全無欠の世界に適応できず、多くの人間がプログラムを受け入れることができずに失敗。

そこで次に、オラクル(預言者)のアドバイスからシステムに「直観」を取り入れてみました。

直観とは、不確定で不完全な要素。

システムに合理的ではない要素、自由意識による「選択」を与えたことで、人間のほとんどがプログラムを受け入れるようになったのです。

同時に、マトリックスに対抗するザイオン(プログラムを受け入れなかったごく少数の人間たち)を創り出しました。

この少数派を「アノマリー」(合理的な説明ができない変則性)といいます。

そこで、アーキテクトはザイオンから救世主(The One)が生まれるようにして、そのアノマリーをソース(マトリックスの根源プログラム)に再度組み込む(リロードする)ことによって、よりマトリックスを強化させるようなデザインにしました。

うーん、こんな感じの説明で、わかるでしょうか?

つまりですね。

最初の作品『マトリックス』は

機械 VS 人間

マトリックス VS ザイオン

という構図だったんです。

それから、フタを開けてみたら

(扉あけてパァァァってなったら)

機械に対抗する街ザイオンですら、マトリックスの創造主にとってはより完全なシステムを創り出すための巧妙な仕組みだったことが明かされます。

そして、主人公には2つの選択肢が用意されます。

左の扉:このまま全人類を絶滅させるか。

右の扉:ネオの変則コード(アノマリー)をマトリックスにリロードすることを条件に、マトリックスから23人の人間を解放してザイオンをいちから再建する。

これまで、5人の救世主は皆すべて右の扉(人類の存続)を選びました。

「さて、どちらの扉を選ぶのか?」

主人公ネオは、2つの扉のひとつを開きます。そして、与えられた選択を超えて
過去5人の救世主たちとはまったく別次元の道に進みます。

それは人類と機械の共存。

さて。マトリックス4はどんなストーリーが展開するのでしょうか……。

ABOUT ME
マッキー
牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。