これをオーバーフロー式で作る場合、
背面パーツと同様、垂直配置で作ってしまうのは危険な気が。
後ろの穴の形状を主として考えると垂直に配置するのが理想だと思います。
しかし、そうするとどうやっても耳部分を抜くことができない。
しかし、そうするとどうやっても耳部分を抜くことができない。
なので耳を主として考え、抜けやすいよう耳にパーティングラインが入るような配置にしました。
粘土の境界線ができるだけ真っ直ぐになるよう模索しながら粘土に埋めて行きます。
更に今回は新たな試みを。
シリコンを流し入れる際、原型の表面が薄く覆われるくらい流したら一旦終了。
こうすると原型の細部までシリコンを手作業で行き渡らせることができるのと、
薄く塗ることでたとえ気泡が発生したとしてもすぐ表面に逃がすことができます。
薄いシリコン層が硬化したら、あとは何も考えずに残りのシリコンをドバっと流してやります。
もちろん余った古いシリコン片も忘れずに。
ここにもしも気泡ができていたとしても原型に触れる場所ではないため何も問題ありません。
これが今回気泡のないきれいなシリコン型を作ることが出来た理由です。
ちなみに
シリコンを塗るのに使った筆はすぐにツールクリーナーで洗浄しないと再起不能になります。
私は1本無駄にしてしまいました。
その後こちらの型もシリコンを段階的に流し入れ、途中で粘土の壁を作ることで
シリコンを節約、最後に石膏でバックアップをしました。
少し工程を省きましたが
こちらが完成したネコの顔部分の型になります。
今までになく完璧に近い形でできたと思います。
見る限り気泡は皆無。
複製時は右の型にレジンを溜めて左の型で蓋をし、溢れさせる予定です。
上の方で書いていた「耳を主として~」という意味は
こちらを見ていただければよくわかると思います。
左の型を横から見るとこのように少し斜めになっているように見えます。
しかし、耳の部分を見ると、耳の稜線に沿って分割ラインが走っているので耳部分にとっては
非常に抜きやすい形状の型となっているのです。
そしてこちらの右にある真っ白いのが石膏のバックアップです。
レジンを溜める方の型はシリコンを極限まで節約したので裏側は非常に歪です。
その隙間を埋めるのとゆがみ防止のために石膏の土台を作っています。
ツタンカーメンの時のようなアンダーゲート式は下から流れるように湯道を作らねばならないので
原型が小さくても全体としては思っているよりもかなり大きい型が必要になります。
それに比べてはるかに小さく作ることができるのがオーバーフロー式です。
原型が小さくても全体としては思っているよりもかなり大きい型が必要になります。
それに比べてはるかに小さく作ることができるのがオーバーフロー式です。
しかし、「オーバーフロー」とは読んで字のごとくレジンを流し込んで型に行き渡らせつつ、
更に余分な量を溢れさせようとするわけですから、
まず、レジンを溜めるための十分なスペース=深さが必要なんですね。
そこがオーバーフロー式の欠点というか注意しなければいけない点です。
ここまでシリコンを節約~と何度も書いていますが、
今回は十分な深さを維持しつつ、不必要な箇所への使用を抑えることができたので
シリコンの節約という意味でも今回は非常に優秀な型を作成できたと思います。そこがオーバーフロー式の欠点というか注意しなければいけない点です。
ここまでシリコンを節約~と何度も書いていますが、
今回は十分な深さを維持しつつ、不必要な箇所への使用を抑えることができたので
まぁ何度もシリコンを節約~と言ってた割に、ベトベトのまま硬化せず、
どうしようもなくなったシリコンをいくつか作ってしまったりしたんですけどねw
原因はどうやら撹拌不足だったみたいです。
複製に必要なレジンの量を算出するために、この型に水を入れ、その量を測っておきます。
水とレジンの比重は調べていませんが、レジン溶液の缶を持っても水とそれほど変わらない感覚なので
レジンは水の量と同じ数値にしてやってみます。
もしも多かったり少なかったりしたら次の複製から調整していけば問題ないので。
1度レジンを流してから気がついたんですが、顔パーツの型で問題が。
はじめにA型にあふれる手前までレジンを入れて硬化。その後、B型にレジンを流して
A型で蓋をして余分なレジンを溢れさせるという手順で考えていたのですが、この方法だと、
はじめに入れたレジンをA型で完全硬化させてしまうと、B型に干渉して蓋ができなくなってしまうことが判明しました。
どういうことかというと、
薄い耳の部分はA型の凹んだ部分とB型の凸部分で薄い耳が成形されるのですが、
A型にレジンを注いで硬化を待つと、その硬化したレジンが邪魔をしてB型で蓋ができなくなるわけです。
そこで苦肉の策でまずA型にレジンを注いで、硬化する前にすぐB型で蓋をしてしまいます。
そのまま硬化を待つと、レジンはもちろん型全部に行き渡っているわけではないのでこのような中途半端な成形物ができてしまいますが耳の部分はしっかりと成形できてます。
その後、残りの部分を成形するために、今度はひっくりかえしてB型の方にレジンを流し入れます。
ここに先程の中途半端な状態の成形物がついたままのA型で上から蓋をします。
聞いたことのないアクロバティックな方法ですが果たしてうまくいくのでしょうか?
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