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【石油価格、安過ぎでも高過ぎでも困る米の適温は1バレル100ドルか!?】「古い世界」は石油とともに終わる④

2019-11-05 00:01:44 | アメリカ

前回からの続き)

 前記したことを含め、原油価格の最大の決定要因はアメリカの動向―――米実体経済及び米金融経済の双方―――にある、といえるでしょう。別な言い方をすれば、アメリカ以外の世界には、同国以上に原油価格を大きく変動させる要因はない、といった感じだと考えています。原油価格が下がったとき、その原因がよく中国のせい(経済成長減速&原油需要減退)にされたりしますが、この場合、中国は単に「当て馬」にされているだけ?であり、その真因はアメリカの石油需給が予想以上に緩んでいたりしたため、だったりします。そして、中東で何らかの襲撃事件等が起こったときにその価格が急騰するのは、それで深刻な原油供給不足が生じそうだから上がる・・・のではなく、そのように多くの米投資家が予想してNY市場で原油(先物とか)を買うから上昇しているわけです。

 さてそのアメリカの原油価格ですが、現在、非常に難しい局面にあるものと推測されます。まあ実体経済面からは、原油、とりわけガソリン価格は安ければ安いほどよいでしょう。このあたり米一般国民ならそう願うし、来年の大統領選の勝利を狙うドナルド・トランプ大統領としても同様で、いまは少なくともガソリン価格が跳ね上がるような事態は何としても避けたい、と思っていることでしょう。

 しかし金融経済面からみると、いまの価格―――1バレル50ドル台半ば(WTI)―――は、何とも微妙・・・というより安すぎ、といえるくらいなのではないか。これシェールオイルの採算ラインとされる同約50ドルをちょっとしか上回っていません。となると各社は、少しでも利益を上乗せしようとして増産に走るでしょうから、その価格には下押しの力が働きそう。であれば、業者の中には、採算割れ→経営危機→銀行等に支援要請・最悪デフォルトに陥るところもあるかもしれません(?)。それに加え、米以外の産油国の中にも、この価格水準では財政資金が調達できず、国債の乱発やら対外債務不履行とかに追い込まれるところが出てくるおそれも・・・って、それらでいちばん大やけどをするのは、ほかならぬアメリカ・・・の投資家たち、だったりするわけです・・・

 このように、原油価格は高くなっても安くなっても困る―――いまアメリカはこのジレンマに大いに悩まされているものと想像されます。では、全米が満足できる?ゴルディロックスな(ほどよい)加減の原油価格帯ってどのあたり?・・・って個人的には現在の倍近く、すなわち1バレル・・・100ドル!?前後の水準なのではないかと。「それで『全米が満足』って、ガソリン代が高くなり過ぎてしまってトランプ政権支持層の多く(米白人庶民層など)が反発するのでは?」でしょうね。ですが、もし原油価格がいまのレベルから上述トレンドに従ってさらに下がってしまうと、最終的に巨大金融恐慌は免れず、これにともなう財政コストすなわち米国民の負担額は「∞」!?になりかねません。であれば、同100ドルの重みに耐えてでも、この破局を防ぐほうが、まだマシなのではないでしょうか・・・?

 ・・・って、じゃあ100ドルにできるの?って話になりますが、謀略まがいの!?サウジアラビア石油施設襲撃&一部破壊でも瞬間的に60ドル台に上がった程度だったわけで、現状のマーケット動向を冷静にみれば困難な印象だし、実際には現在の50ドル台から将来は40ドル台、30ドル台・・・に向かって下がっていく可能性のほうが高いでしょう(?)。となると、その過程で上記危機の端緒となりかねないデフォルト等の発生を防ぐことは不可能、ということに・・・(?)

(続く)

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