34巻4章 ジェニー、ヒロインになる | オズの国へようこそ

オズの国へようこそ

オズの魔法使いにでてきた「不思議の国・オズ」
よ~く観察して味わうと・・・
「生き方が見えてくる」と筆者は思うのです。
オズのリズムを感じると
あら不思議、いつのまにかHappy end になってしまいます。

パレードを待つ人々の中にジェニー・ジャンプは落ちてきました

オズマ姫は
「まあ、オズの魔法使いの言ったことは正確だわ!」といいながら歩みを進めます
 

ジェニーは馬車のクッションにドスンと落ちて止まりました
最初ジェニーは人々が自分が来るこをどうやって知ったのだろうか
と思ったのですが、
黄色い服の人、青い服の人、紫の服の人、赤い服の人、
ちょっとへんてこりんな動物たちに囲い込まれ、
緑の髭の兵隊はジェニーの顔に向けてトランペットを振り回しています。
ジェニーは勘違いに気づき泣き出してしまいました

緑の髭の兵隊は
「君は忘却の洞窟にでも放り込むことにしよう」
と厳しい口調です。

ジェニーはもう私の人生はおしまいねと思ったその時
かわいらしい声がしました。
「お客様を丁寧にお迎えしてね」
この声とともに緑の髭の兵隊は掴んでいたジェニーの腕を離しました。

ジェニーが声のほうをみると
それはそれは今までに見たこともないほど愛らしい少女が立っていました。
オズマ姫です。
「ごめんなさいね。驚いたでしょう。」とオズマ姫は謝まり
「おそらく私の馬車がもっていかれるっておもったんでしょうね。」といいました。
ジェニーは「降ります。」といいましたが
オズマ姫はそのままでいいといい、次にドロシーと良い魔女グリンダを紹介しました。

ジェニーは次第に幸せな気分になり
「私は半妖精です。だからオズの国を統治できるかしら?」
とオズマ姫に尋ねました。
 

オズマ姫は
「今は空きがありませんの。でもメイドのジュリアジャムはあなたの申請を受領しますわ。
ところで、もしあなたが魔法を知っているなら覚えておいてくださいな。
ここではグリンダと私とオズの魔法使いを除いて、他人に魔法を使うことはいけないことなの。」
話をしながらも四人を乗せた馬車はパレードを続けます。
 

人々は熱狂し帽子を高く高く投げ上げます。
投げ上げすぎて戻ってこないほどです。
さきほどまで緑の髭の兵隊とビー玉で遊んでいたマンチキンの少年も
感極まって自分の帽子を投げ上げました。
でも少年は自分が帽子をあごの下できつく結んでいたことを忘れていたのです。
ですから少年ごと飛んでいってしまったのです。
これに気づいたジェニーは素早く立ち上がるとただちにジャンプしました。
空に飛び散る帽子をかき集めているスカイスクレイパー(skyscrapers)を足掛かりにジャンプし
少年をとらえると再びジャンプし馬車に戻り、少年を膝の上で受け止めました。
人々は熱狂的に旗をふっています。
ジェニーは自分に旗が振られているようで女王になった気分になりました。
 

オズマ姫はジェニーの勇敢な行動に感謝を述べました。
空に投げ上げられた少年はオズマ姫の召使の少年で名前はナンバーナインといいました。
ナンバーナインを膝の上に乗せたまま馬車はエメラルドの都の城門をくぐり抜けます。
城壁をでるとそこにはオズカレーター(ozealator)という動く道が準備されていていました。

オズの魔法使いがこの動く道はカドリング人のオズQレイター氏(Mr. Oz Q. Later)により発明されたものだったと
思いをめぐらそうとする間も与えずに道はあっという間にカドリング国にすべり込んだのでした
 

カドリング国では何もかもが赤い色です。
赤いトウモロコシ、赤いニンジン、赤いキュウリ、赤い牛、赤い川、干し草までもが赤い色なのです。
オズカレーターはカドリング国のはじっこまでくると止まりました。
良い魔女グリンダはオズマ姫たちにさよならを告げてオズカレーターを降りました。
オズカレーターは東に向きをかえて進んでいきます。
東はウインキーの国でここでは何もかもが黄色です
黄色のプラム、黄色のブドウ、黄色のスイカ、黄色のベリーの木々ががオズマ姫に頭を下げ
膝の上に果実を落としていきます
ウインキーの人々はウインキーの皇帝ブリキの木こりとともに家に帰っていきました。
そしてギリキンの国境にくるとオズカレーターはけたたましいブレーキ音とともに止まったのでした
人々は何が起きたのかと首をのばしましたがそこにはキリンが見えただけでした

紫色のキリンはオズマ姫に首を向けると、「クリーム川の橋が外れて落ちているんだ
このままだと一日中このままかもしれないよ」
といいました。
「このままパレードをあきらめたくないわ。クリーム川にちょっとかき混ぜてもらえるようお願いしてみましょう。」とオズマ姫はいいました
紫のキリンがオズマ姫のお願いをクリーム川に伝えると川はグルグル回り始めとうとうバターの塊ができました
オズマ姫は「バターを塗り広げてちょうだい!」と唱えると二匹の太刀魚が鼻先を使ってバターを塗り広げていきます。
そして仕上がったのはバターの橋でした。
オズマ姫は太刀魚たちにお礼をいい、オズカレーターはバター橋を渡りギリキンの国へ入りました

ジェニーはギリキンの空気を味わうと、「あーこのままオズの国でずっと暮らしたいわ」といいました。
オズマ姫は「オズの国民として暮らしたらいいわ」といったのですが、
ジェニーは召使いにかしずかれ軍隊を持ち王宮で暮らすことは素敵だと想像しながら「国民より女王になりたいわ。次の投票はいつかしら?」といったのです。
「あら、女王は選ばれるものではないのよ。統治者は継承されるもので、その人がやりたいだけずっとできるのよ」とドロシーがいいました。選挙権がないことに驚いているジェニーに「ここはアメリカとは何もかも違うのよ。」と再び説明してあげました。
 この会話を聞いていたオズマ姫は「なんだか面白そうね。投票ってなあに?」と質問しました。
ジェニーは誇らしげに「紙切れに誰かの名前を書くというもです。」と説明しました。
するとドロシーは「私たちは知らない誰かさんが立候補しても投票はできないわ。それにオズマが選ばれるってもうわかっているもの。」
と誇らしげにいいました。
オズマ姫は笑いながら鈴のような声で「ドロシー、ありがとう。選挙って素敵ね。国民も喜ぶかもしれないわ。」といいました
これを聞いたドロシーは「そうはいってもオズマに対抗して立候補する人がいなければ選びようがないわ。」と答えました。
するとオズマ姫はジェニーを見てこういったのです。
「あなたは私に好意を抱いているけれども、立候補するでしょ?そうしたらこの選挙はうまくいくわ!」
ジェニーはにっこりとわらって「そうね、間違いなく立候補するわ!女王になるために争うの!」
といいました。
そんな話をしているとオズカレターがいったん動きを止めギリキン人を降ろしました。
それから再び動き出すと景色は青い色に変わりマンチキンの国に入りました。
小さくてまるい家が忘れな草のまじったこぎれいな芝生の上に建てられています。
とてもかわいらしい場所なのでジェニーはしばらくここにいたいと思いました。

すると先ほど助けたナンバーナインの声がします。「ジェニー、僕んちで夕飯食べようよ?」
ジェニーはナンバーナインの誘いをうけることにしました。
オズカレーターはマンチキン人たちを降ろすために停止しました。
ジェニーがオズマ姫にお礼をいうと、姫はエメラルドの都に来ることがあれば宮殿に会いに来てください。
選挙のことも発表しなくてはならないわ。」と言ってくれました。

ジェニーとナンバーナインはマンチキン王であるオズのかかしのあとに従ってオズカレーターを降りました。
マンチキン人がオズマ姫に手を振るなか、オズカレーターはマンチキンの山中へと消えていきました。
ジェニーはナンバーナインが「こっちだよ!」というのであとをついていきました。