『 精神エネルギー 』
~ Spiritual Energy ~
政木和三
第二章 地球と人間の科学
◎ 太陽の誕生から消滅
現在の天文学、天体物理学等の放射能による年代測定に基づけば、今から百五十億年前には、宇宙のあらゆる物質、あらゆるエネルギーを巻き込んだ原始大爆発、すなわち宇宙のビッグバンがあったと推定される。
これこそいわゆる宇宙開闢(かいびゃく)天地創造といわれるものである。
ケンブリッジ大学のホイル教授によれば、宇宙は、エネルギーと物質が高密度に閉じ込められた物質(プラズマ)の大爆発、膨張、収縮を八百億年ごとにくり返すといわれている。
現在、天文学では星の寿命はわかっており、太陽が生まれてから、すでに約五十億年も年をとっているといわれているから、死滅するまでの残りは約六十億年となる。
そして、地球は、太陽系の一惑星でその年齢は約四十六億年といわれ、常に太陽とともにあるから、人類は太陽、地球の消滅とともに滅亡するはずである。
したがって、人類の最終寿命は後約六十億年ということになる。
物質とエネルギーの源は、宇宙の爆発、膨張、収縮にある。
『われは始めであり終わりである』
と
『旧約聖書』
に書かれている
『エホバ神』
や、神道でいう
『天照大御神(あまてらすおおみかみ)』、
また大乗仏教でいう
『大日如来』
等、多くの宗教上での宇宙神の表現も、すべてこの宇宙の真実在にかかわっているものであることはこれまた当然のことといえよう。
地球は四十六億年前、宇宙空間の冷たい場所から掃き集められたチリやガスが集積され、重力の圧縮作用を受けて生まれたといわれる。
この圧縮効果のため、地球の中心圧力は一センチ平方あたり約一トンもあるために、地球内部が加熱され、これが内部エネルギーとなっている。
地球は創生以来、太陽放射エネルギーと、創生初期とその後に内封された地球内部エネルギーとの両者の影響によって、絶えざる進化をしてきた。
また、地球内部のエネルギーは、伝熱、対流、大陸移動、造山運動、火山爆発、地震、温泉等によって、地球表面へ熱として運ばれ、地球表面は絶えず変革をうけてきた。
中でも、特に水と生物が、この地球の大気と地表の進化に重要な役割を担ったといわれる。
現在、最も古い生物化石としては、南アフリカのローデシアで、おそらく藻類の化石と思われる一〇から一〇〇ミクロンの球状態(ストロマトライト)が発見されているが、その年齢は三十五億年から三十八億年と推定されている。
今から六億年前に、現在の植物と動物の基本型ともいえる進化した光合成単細胞原始生物が、突然、爆発的に海の中に多数現われ、その中のあるものは約五億年前に三葉虫に進化し、さらに四億五千年前に、植物、動物となって上陸するようになった。
そして、シーラカンスのような原始魚類のあるものは、陸上歩行に必要な四本足を発達させながら、両棲(りょうせい)類から爬虫(はちゅう)類へと肺呼吸する動物として出現し、長い恐竜の全盛時代を経て哺乳類の時代へと進化してきた。
われわれ人類は、その爬虫類と哺乳類の両方の子孫である。
三千八百万年から六千万年前に、樹上に住んでいたメガネザルやキツネザルが、千八百万年前の中新生時代に、どういう理由からか、食物の豊かなジャングルを離れて、二本足で草原に立ったことに始まる。
この一群の猿をプロコンスル、もしくはラマピテクス、ドリオピテクスといい、これらのあるものが人類共通の祖先になったといわれている。
しかし、これら猿人の化石の研究によれば、脳容積と前頭葉のひだの発達は、現在の類人猿や人間より小さく劣っていたといわれる。
脳容積の急激な発達は、今から五百万年から二千万年前に起こり、約二百万年前にアフリカの原始林に住んでいたアウストラピテクスは、脳の容積がかなり発達していたといわれる。
この猿人を経て原始人から現在のホモサピエンスに進化してきた。
人類の脳の構造は図のように新皮質、大脳辺縁系、脳幹、小脳からなっている。
ポール・マクリーンは、トカゲからリスザルにいたる多様な動物の社会行動に対して、脳のどの部分が働くかを、脳の進化の立場から研究し、図式的に示した。
同氏によると、太古の爬虫類から受けつがれた最も古い部分は、脳幹(延髄、脳橋、中脳)と脊椎で、この部分には、心臓や血液循環、呼吸作用をはじめ、生殖と自己保存に必要な神経機構が収納されている。
中でも最も古い部分は中脳のまわりにあるもので、マクリーンはこれを、爬虫類複合体またはR複合体とよんでいる。
これは、おそらく三、四億年前の昔に、爬虫類から受けつがれたものだろうといわれ、動物の攻撃行動や、縄張り争い、儀式行動、または社会的順位に大きな役割を果たしていたと思われる。
大脳辺縁系は、内分泌系で、ホルモンが分泌され、主として情緒決定や、精神作用を生み出す部分で、進化のうえから、鳥類や哺乳類から受けつがれた部分といえる。
新皮質は、知覚、視覚、感覚、記憶、思考、情報処理、認識、理知、知能等、進化上では人類が霊長類から発達した部分である。
人間の本性の野獣的側面は、R複合体の攻撃的および性的側面であり、利他的、情緒的、宗教的側面は辺縁系の非霊長類的な哺乳類的な側面である。
さらに、儀式的、愛情的、理性的側面は、皮質系の霊長類的な側面であるといえる。
そして最も人間らしい本性の特質は、好奇心と問題解決への欲求、つまり知的欲求の理性的、知能的側面で、これは新皮質、すなわち、前頭葉的な人間側面である。
このようにとらえると、人間は常に恐竜や哺乳動物と同居していることになる。
しかし、人間には直観という非言語的な知覚認識がある。
言語による合理思考の歴史は、たかだか数万年ないし数十万年しか経ていないが、直観認識の歴史は、生命の起源にまでさかのぼり、恐竜や哺乳動物との同居のうえで、知覚認識が得られることを忘れてはならない。
ここに人間の精神修養が必要となってくる。
動物との差を見出すものは精神の違いだけである。
人間は、精神の向上により、みにくい葛藤を避け、公害を出さず、原水爆が爆発しないように世界の平和に尽力し、天与の人類の寿命として、太陽が燃えつきるまで、人類をこの地球上から消滅させないように努力すべきである。
つぎに、月が地球の衛星となった時期について考えてみる。
これは無関係の事件のように思われるが、実は地球の生命の誕生に重大なる意義を持つものである。
五億年前の太陽系において、木星の内側に軌道を持った地球の兄弟星(前述のアルファー星)は、今や散りぢりとなり宇宙のチリと称されている小惑星群となっているが、これが近い将来の地球の姿かもしれない。
月の年齢は、いろいろな調査の結果によれば地球とほとんど同じである。
しかし地球生成と同時に衛星となった証拠はない。
これは仮説ではあるが、太陽系の惑星は最初にくらべてひとつだけ数が減っているように思われる。
木星と火星の中間に、もうひとつの兄弟星アルファーがあったはずである。
それが三億六千万年ほどの昔に大爆発を起こし、木端微塵となって軌道上に散らばってしまった。
現在の小惑星群、すなわち宇宙のチリである。
それがときどき地球に降り注いで流星となり、大きいものは隕石(いんせき)として地上に落下する。
その隕石の中に有機物の化石や、ダイヤモンドが発見されているために、そのチリのもとは、地球のように大きな圧力と高温を持ち、その地上は生物の棲息可能な条件を満たしていたように思われる。
それが、精神を伴わぬ高度に発達した科学によって、核融合あるいはそれ以上の巨大なるエネルギーの、制御不能等におちいり、アルファー星は大爆発を起こしたのではないだろうか。
それを前もって知った神の指令により、宇宙船に生命体を乗せ、地球に送り込んできたものが、現在の地球上の生命ではないだろうか。
生命は生命からしか発生しないことは科学的に確かめられており、どこからか生命のタネが飛んでこない限り、地球に生命は発生しなかったはずであろう。
このように考えれば、アルファー星はわれわれ人間のふるさとでもあり、それにおまけがついたものが月である。
爆発して、ちりぢりになった小惑星群の中の、特に中心部にあった高温体部が地球の引力に引かれて、人工衛星のようにちょうどよい角度で、地球引力圏内に入ったために衛星軌道をとり、月となったものではないだろうか。
月は、地球の衛星となってからはまだ新しく、それは数億年から数万年の間かもしれない。
UFOの発見は毎年多数が報告されている。
発見者を政木フーチパターンによって測定してみると、全員一種の超能力者であり、霊感者ともいえる人たちばかりである。
このことから考えると、UFOが多く現われるのは、近い年月の間に、地球がアルファー星のように、新エネルギーによって崩壊しないよう、警告を与えるためであるように思われる。
それは、アルファー星の二の舞いを防ぐために、有識者に警告しているのではないだろうか?
初版発行:一九八七年六月二五日
重版発行:一九九三年
著者:政木和三
発行人:赤尾文夫
編集人:新井政義
発行所:株式会社 旺文社
東京都新宿区横寺町五五
〇三-三二六六-六三七二(編集)
〇三-三二六六-六四一四(販売)
印刷:日新印刷㈱
製本:有限会社 市川第二製本所
©1987,Kazumi Masaki
Printed in Japan(303035)
ISBN 4-01-071062-4
政木先生とのご縁の始まりは、
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今も尚、心の底よりとても尊敬し、感謝している恩師・師匠です。
政木和三先生の廃刊御著書
『精神エネルギー』
~ Spiritual Energy ~
を現状のブログデザインに合わせて
再び掲載させて頂きます。
政木先生の御教えである
『目先の欲望を捨て去り、世のため、人々のために尽力せよ!』
との仰せを引き続き継承するため、
今後も少しずつではありますが、
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