初めて買う煙草である。ヴァニラ・クリームという大昔からある定番の煙草の亜種である。
ヴァニラ・クリームは図らずもよく買ったものだ。というのは、四年前まで住んでいた祖師ヶ谷大蔵の商店街(現ウルトラマン商店街)にはパイプ煙草を置いているたばこ屋が「ルピナス」と「イシイ」の2軒しかなくなってしまい、しかも限定した銘柄しか置いていなかったからだ。
「ルピナス」にはハーフ&ハーフしか置いてなく、「イシイ」にはアンフォーラ・フルアロマとマクバレン・ヴァニラ・クリームしか置いていなかった。アンフォーラとハーフ&ハーフはわかるとしても、何故ヴァニラ・クリーム?というのは未だに謎である。どうやら、近所に常喫している人が住んでいるらしく定期的に売れるかららしい。
ヴァニラ・クリームはそんなわけでよく買って吸っていたのだが、辟易するほどのヴァニラ臭で、あまり常喫向きとは思えない。煙草としても強目でしっかりとニコチンを摂取できるので着香好きのスモーカー向きという訳でもない。特にパウチものはフレーバーが飛び易い為か丸缶より入念に着香されており、そりゃあもうヴァニラ・エッセンスを床一面に溢してしまったようなルームノートである。
ヴァニラ着香というとブラック・ヴァニラ(プランタ)が先ず挙げられるが、これに比べたらさほどヴァニラではない。凡そヴァニラの着香ではこれ以上ヴァニラをストレートに表現した煙草はないのではないかと思う。
あまつさえこの様な強烈なヴァニラなので、更にトフィーともなればそれ相応の覚悟が必要だ。
トフィー(英: toffee。英語発音: [ˈtɔːfi] トーフィ、[ˈtɔfi] トフィ。日本ではしばしばタフィーとも呼ばれる。)とは、バター(および場合により小麦粉)と共に糖蜜または砂糖を加熱(転化糖を生成)して作る菓子である。材料は、摂氏150から160度(華氏300から310度)のハードクラックキャンディ になるまで加熱する。トフィーは、ナッツやレーズンと混ぜて調理されることがある。
(ウィキペディアからの引用)
恐る恐るパウチを開封すると、
ムムムッ!!確かに凄まじい。
これは堪らん。良い意味でも悪い意味でも。
それでは早速、火を点けて吹かしてみよう。
あれっ?
っとなった。ヴァニラ・クリーム程には執拗くはない!
トフィーという程好いロースト感が加わる事によって、突き刺さるようなヴァニラ臭が軽減されているのだ。
存外にバランスの均衡した、ありふれたフレーバーになってしまったと言わざるを得ない。少し辛口な言い方をすれば、スウィート・キャベンディッシュ系の着香煙草としては、全く面白みに欠ける。
そして、喫煙終了後の感想として、どうもこのヴァニラ・トフィーは、ヴァニラ・クリームよりもニコチンが弱いのではないだろうか?尤もこれは検証不可能な主観に過ぎない。たとえそうであったとしても、平均的な着香ものに比べニコチンが低いという事はない。
ただ、私は従来のヴァニラ・クリームの方が断然好きだ。