もう金輪際パイプは買うまいと何度も誓っては破ってを繰り返している流山珍だが、2017年以降本当にパイプを買っていなかった。というのも、RCMはあらゆる意味で私の理想とするパイプに限りなく近く、究極の一本とまでは言えなくとも、それに極めて近い一本ではないか?と思える程の秀逸なパイプだったからもある。
しかし何を間違えたか、このコロナの日々の鬱積した「何か」が私を狂わせたのか?このコロナの災禍の中、買ってしまったのである。
しかし言い訳を一つ言わせてもらえば、買ったのは「パイプ」ではない。パイプのボウル部分である。ファルコンというボウルの脱着が可能なシステムパイプの、ボウルの部分だけである。
かねてからメシャムをシャンクから独立させたいという願望はあった。ブッショカンのSパイプのボウルも脱着可能だが、白く塗ったボウルはあるがメシャムは無い。真ん丸のボウルはなかなか無いのである。ファルコン用のボウルはよくトルコで作られているが、クラシックな形かトプカピなど彫りの煩わしいものがほとんどで、なかなかツルンとした丸いものは少ない。これはネット上で偶然見つけたものである。ちょっと見つけた時はテンションが上がった。しかも直径5センチ位でかなり大きいのだ。
早速トルコから取り寄せたのは良いが、正直、このパイプの喫味については想像がつかない。ファルコンなのだろうか?メシャムなのだろうか?
正直、ファルコンの喫味はそれほど好みではない。ある意味、アルミチューブを潜って来る煙は理想的なクール・スモークではある。それは理論上正しいのだが、何しろパイプという代物は理論ではない。仮に理論なのだとしたら、世の中にはカーステンしか残っていない筈である。
だからまだ正直なところ、恐ろしいのでブレイクインしてない(笑)。
それにしても白く無傷なメシャムには心を奪われる。息を呑むほどに美しい。
暫くは眺めているだけにしよう………。