土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

願泉寺、南大阪真宗寺院の拠点です。

2019年02月07日 | 大阪の古寺巡り





(2019.02.02訪問)


極楽密寺から真宗本願寺派の南大阪の拠点とも云える貝塚御坊、願泉寺を訪ねます。悪名高きR26を約10キロ北上スグです。
願泉寺は平成16年から23年まで7年がかりで平成大修復工事が行われたそうで、意外だったのはその境内、通常真宗寺院は広い境
内に多くの伽藍が軒を並べているイメージなんですが、ここの主要伽藍は本堂一つ、結構な大きさなんですが、拠点寺院としては少
しばかリ寂しい印象。この日はまったくの無人で、本堂も閉ざされたまま、残念ながら真宗寺院の真髄には触れることは出来ません
でした。




            ▼門前には金凉山と山号が刻された石灯籠が両脇に2基建てられています。

 





            [ 願泉寺 ]
            ●山号 金凉山 (きんりょうさん)
            ●院号 真教院 (しんきょういん)
            ●寺号 願泉寺 (がんせんじ) 別称 貝塚御坊
            ●宗派 浄土真宗本願寺派 (じょうどしんしゅうほんがんじは)
            ●開山 伝行基菩薩 (ぎょうき)
            ●開創 伝天平十二年 (740年)
            ●中興 天文十四年 (1545年) 卜半斎了珍 (ぼくはんさいりょうちん)
            ●本尊 阿弥陀如来立像
            ▲大阪府貝塚市中846 TEL.072-422-1302  
            ▲拝観料 境内自由
            ▲南海本線「貝塚駅」から徒歩約5分





▼山門。真宗の貫禄か豪快な四脚門です。切妻造、本瓦葺。江戸期延宝7年 (1679年)建立。







願泉寺縁起
僧行基の開創と伝えられ、応仁年間に蓮如上人が教えを説いた草庵であるという。 天文十四年 (1545年) 根来寺から卜半斉了珍を
招請、再興し同二十四年 (1555年) 免租権を付与された。その後、織田信長に攻められ兵火にかかり焼失、三年後方8間の本堂を建
立、 天正十一年 (1583年) 顕如上人が紀州鷺ノ森からこの地に移り、2年余りここは本願寺であった。江戸初期、家康より寺内諸
役免許の黒印状を受け明治維新まで貝塚の領主であった。





▼山門貫上の龍の彫刻。







▼手の混んだ彫の龍が睨みつけています。木彫ですが目は玉眼、歯牙は白く着色、しかも持っている龍玉が光ってるんです。







▼両脇に大灯籠を従えた山門。







▼山門からは境内が見えません。3間の隠塀です。







            ▼本堂前に青銅の大灯籠。笠、火袋、竿、基壇にまで彫刻が施されています。







▼本堂 (重文)。桁行9間、梁間9間、入母屋造、本瓦葺、向拝3間付。 寛文三年 (1663) 建立。
 とにかくデカイ、境内に聳え建つと云う感じ。この日は内部を窺うことも入堂することも出来ませんでした。







▼本堂前面が格子戸。







▼本堂内陣の様子。真宗荘厳でキラキラ輝いていますネ。(この写真はネットから借用)







▼本堂外縁は全面格子戸。







▼外縁は前一段落しの二段廊下になっています。        







▼跳ね上げた上蔀戸。金具で吊り下げられています。







▼篰戸の性格上すこぶる頑丈な作りのようですネ。







▼廊下の両端の板戸画、こちらは桜に雉、反対側は雪の情景でした。

 





▼こういうところまで、凝に凝った豪華な大屋根妻の懸魚と破風飾り。







▼破風飾りと奥の貫彫刻。







▼屋根瓦の妙、何種類の瓦が乗っかってると思います?







▼流れ。







▼本堂。







▼手水舎。







▼鐘楼 (重文)。方1間、四本柱、切妻造、本瓦葺。元禄十三年(1700年)建造。







▼鎌倉期の梵鐘。







▼太鼓楼 (重文)。桁行三間、梁間三間、重層、入母屋造、本瓦葺。江戸中期享保四年 (1719年) 建造。







▼経蔵。方1間、宝形造、本瓦葺き、1間向拝は唐破風のとても見栄えのする建物です。







▼経蔵扁額。







▼庫裡玄関。曰く「大玄関は平時は使用いたしません、無理に開けぬよう。こわれます。」
 真宗寺院はご朱印のないところが多く、この一文でこちらもご多分に漏れず無いようですネ。






人っ子一人いない真宗寺院はどこか寂し気、明るい開けっぴろげの本願寺のイメージが少々崩れた今日の願泉寺でした。
オシマイ。



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