スペイン乗馬学校450周年記念ガラ公演 | First Chance to See...

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 「SALE」の文字につられて思わず買った、スペイン乗馬学校の450周年を記念して開催されたスペシャルガラ公演のDVD。

 

 

 DVDのジャケットからして存分にかっこいい。

 

 スペイン乗馬学校の通常の公演は、美しい内装とシャンデリアが印象的な建物の中で行われるが、今回のスペシャルガラではスペイン乗馬学校のすぐそばにある英雄広場に特設会場が設置され、いつもの会場より広い、屋外でのパフォーマンスとなった。また、スペインにある王立アンダルシア馬術学校からも2組の馬と騎手のコンビが参加していて、いつもと違う特別感を出していた。

 

 「レバード(Levade)」(後ろ足だけで立ってじっとしている)、「クールベット(Courvette)」(後ろ足だけで立った後、後ろ足を揃えた状態で何度かジャンプする)、「カプリオーレ(Capriole)」(空中に飛び上がった瞬間に、後ろ足をまっすぐ蹴り出す。DVDのジャケット写真がまさにそれ)といった、難易度の高いジャンプ・パフォーマンスを、二人掛かりで手綱やムチで馬に動きを指示して行わせるのが"Airs on the Ground"なら、同じジャンプ・パフォーマンスを人が馬に乗った状態で行うのが"Airs above the Ground"。このパフォーマンスそのものは、私も朝の調教見学とかパフォーマンス公演で見たことがあるけれど、生で見るのと違い、DVDには英語の解説もあればスローモーションもある。おかげで、私のような素人には、馬たちがいかにめいっぱい集中してバランスやタイミングをはかり、これらの大技を決めているかがよくわかる。

 

 とは言え、生で見た時は、こんなに次から次へとカプリオーレが完璧に決まってなかったような気がする。きれいに後ろ足を伸ばし切れないことも多いのだ。DVDだから失敗シーンは削除されているのか、それとも450周年の特別公演だけに馬も騎手も気合が入ってたのか、さて?

 

 あと印象的だったのが、騎手を乗せた馬が「クールベット(Courvette)」を見事に決めた時、騎手が「よっしゃあ!」とばかりに得意満面の表情をしてみせたこと。何があろうといつもすまし顔のスペイン乗馬学校の騎手にしては珍しいと思ったら、何のことはない、スペインからゲスト騎手だった。同じようにクラシカルなドレサージュをやっている乗馬学校でも、やはりお国柄が出るんだねえ。

 

 圧巻なのは、最後に行われた「カドリール(Quadrille)」。いつもは8頭の馬で行われるけれど、今回の会場はいつもより広いためいつもより多い14頭もの馬たちによって繰り広げられていた。それでいて、乱れもせずぶつかりもせずきれいに揃って複雑な足さばきをこなすから凄い。騎手だって、普段の会場と違う分、距離感もタイミングも図りにくかっただろうに。

 

 おまけに、騎手が足さばきの変更や方向の指示を毎回馬に出しているはずなのに、ごくわずかな手の動きだけで合図しているらしく、素人目にはどうやって馬に伝えているのか全然わからない——むしろ、馬のほうが動線を完全に憶えていて、騎手の指示を待たずに動いているかのように見える。あるいはいっそ、テレパシーとか?