『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』 | First Chance to See...

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 2015年のアヌシー国際アニメーション映画祭で観客賞を受賞した、フランス・デンマークの長編アニメーション。19世紀末のサンクトペテルスブルグ、北極点を目指して行方不明になった冒険家の祖父の足跡を追って、少女サーシャはたった一人で旅に出た。

 

 

 大胆に省略した線と独特の色遣いを用い、ロシア貴族の舞踏会から凍結した海を進む砕氷船まで、不思議な臨場感と美意識で描き出す。ストーリーやキャラクターのおもしろさもさることながら、この色と線の動きだけでも充分以上にわくわくする。

 

 セルアニメーションっぽいけど、YouTubeにアップされていたメイキング映像で確認してみたところ、作りとしてはCGアニメーションだった。シンプルに徹した絵柄になったのは予算の都合もあったらしいが、こういう作品を見せられると、何でもかんでもリアルに作り込めばいいってもんじゃないってことに改めて気づかされる——この夏公開された実写版という名のCGアニメ版『ライオン・キング』とか、あれはあれで凄かったとは思うけどね。