テレフォンカードの使い途 | First Chance to See...

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エコ生活、まずは最初の一歩から。

 災害時に備えて、財布にはテレフォンカードを入れている。昭和生まれの悲しさで、スマホがあればあとは手ぶらでオッケー、というイマドキのライフスタイルには到底馴染めそうにない。

 

 とはいうものの、私もスマホユーザーである。10分以内の通話なら何度かけても無料、というプランに加入してもいる。故に、普段の生活でテレフォンカードを使う機会はまずない。

 

 使わないから減らない。減らないから、自宅にあるテレフォンカードの在庫も減らない。

 

 ……そう、恐ろしいことに、令和の御代にもかかわらず私の自宅には未使用のテレフォンカードが何枚もある。イマドキの若い人には通じないだろうが、その昔、卒業祝いや結婚祝い、あるいは企業の宣伝用としてオリジナルのテレフォンカードが作られ、広く配られた時代があったのだ。だから、1枚500円でNTTの自販機から買うまでもなく、何となくどこからか貰い、何となく溜まっていくものだった——とはいえ、卒業祝いや結婚祝いといった理由で、欲しくもないオリジナルテレフォンカードを作るために1枚500円以上の金を払わされることもあったから、結局のところNTTの一人勝ちだった気がする。

 

 そんなテレフォンカード、金券ショップを覗くと今ではすっかり値崩れしている。500円以上払って作らされたものが、500円をはるかに下回る金額で買取される理不尽。ひょっとすると、企業CMをしているアイドルの写真付きテレフォンカードのようなレア物は、お好きな方々の間で今でも高額取引されているのかもしれない。でも、ヤフオクにもメルカリにも手を出したこともない私には縁遠い話だ。

 

 さて、先日、そんな私の元にツイッター経由でビッグイシューからの寄付募集のお知らせが届いた。何と、今ならテレフォンカードの物品寄付も可能だという。これだよこれこれ、こういう「実際に公衆電話でやり取りすることが必要な人」の手元に、長年溜め込んでいたテレフォンカードを渡したかったんだ!

 

 という訳で、担当者とメールのやり取りをした上で、ビッグイシュー宛にテレフォンカードを送る。送るにあたっては、これまた使うあてもなく長年机の引き出しに入れたままになっていた封筒と切手を利用したので、事実上、私の持ち出しはゼロ。それでいて、ささやかな善行でも施したみたいな気分になれるってんだから、ありがたいやね(え、単に図々しいだけ?)。