『失われた時を求めて』全14巻(岩波文庫) | First Chance to See...

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 読書家を自認したければ一度は走破しておかねばならぬと言われている(言われてない)、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』。昨夜、私もついに完走を果たした。

 

 

 めでたい!!!

 

 第1巻に手を出したのは、2018年12月31日、実家に帰る新幹線の中だった。あれから約1年半、途中、何度も長〜い中断期間があって、何度「これは中断であって挫折ではない」と自分に言い聞かせたことか。読み出すと意外とおもしろいんだけど、いったん本を置くとつい億劫になってしまう。でも、長い中断の後でも意外とさくっと続きを読み始められる。何とも不思議。

 

 話の続きが気になって仕方ないという類の小説ではない。だからと言って、ストーリーがないわけではないし、登場人物たちの思いがけない行動に驚かされることもたびたびある。

 

 ただ、そうは言っても分厚い文庫本で全14巻、一度チャレンジするだけならともかく何度も繰り返して読む人って相当なマニアだろうな、とか思いながら読んでいたはずなのに、そんな私ですら最後まで読むとまた最初に戻って読み返したくなる。小説として、そういう仕組みになっている。さすがによく出来ている。

 

 実際に私が二度目のチャレンジに挑むかどうかは別として(別なのかよ)、もう一度最初から読み返したいな、という気持ちになれたことを今は素直に言祝ぎたい。そして、

 

 

 2020年12月末日締切りの「全14巻を収めることのできる特製美装ケース」とやらを、正々堂々と岩波書房に請求しようじゃないの!

 

追伸/『失われた時を求めて』を読み始める前に、まず『失われた時を求めて』の一部を映画化した『スワンの恋』(1983年)を観て、フランス語ネイティヴの誰かにその美声を吹き替えられてなお圧倒的に格好いいジェレミー・アイアンズのシャルル・スワンで予習したことを白状しておく。この映画が公開された当時、「これのどこがプルーストじゃ」とか何とか貶されてあまり評判がよくなかったみたいだけど、でも若かりし日の圧倒的に格好いいジェレミー・アイアンズを拝めるだけで十分じゃないか、と強く反論するぞ。

 

 

 小説を読んでいてシャルル・スワンが出てくるたび、ジェレミー・アイアンズの麗しいお姿が脳裏に浮かぶ。当然、シャルル・スワン贔屓になりましたとも♡

 

追伸2/『失われた時を求めて』の日本語訳なら何種類かあるけど、吉川一義訳の岩波文庫は文章の読みやすさに加え、大量の注や写真がそのページに直接添えられていたのもすごく良かった。私に限って言えば、そういう補助輪なしには読み通せなかった可能性も高い。あらためて感謝!