Des | First Chance to See...

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エコ生活、まずは最初の一歩から。

 実話に基づくITVのテレビドラマ。全3話で、主演のデイヴィッド・テナントは1983年に逮捕された実在の連続殺人犯、デニス・ニールセンを演じている。タイトルの「デズ」とは、デニス・ニールセンのニックネームだ。

 

 

 私がデイヴィッド・テナント目当てでこのドラマを観たことは言うまでもないが、数ヶ月前に観たばかりの「Staged」でのかわいらしさはどこへやら、薄気味悪くて薄汚い連続殺人犯に化けきっていて、「ああもうこいつ、本当にやだ」と何度思わされたことか(苦笑)。

 

 ドラマは、排水溝から人骨が出てきたのに気づいた大家が警察に通報し、そこに住んでいるデニス・ニールセンが仕事から帰ってきたところを警察が捕まえて一緒に部屋に行き、そこで遺体だか遺骨だかの一部が見つかるわ、デニス本人もあっさり白状するわで、さくっとその場で逮捕して連行した——までは良かったけれど、デニスの至って協力的な証言によると、殺したのは15、6人くらい、遺体は煮たり焼いたりして処分したが、バーなどで出会った身よりのない男を自宅に呼んで殺害したものだから、名前までいちいち覚えていないという。おいこらちょっと待て、人骨があってもそれが誰のものか特定できなければ、殺人事件として起訴できないじゃないか!

 

 最初はとっても協力的に思えた犯人は、回が進むうちにどんどん厄介になり、ダニエル・メイ扮する気の良さそうな刑事さんの苦悩はいよいよ深まる。フィクションに出てくる連続殺人犯と違い、実話の連続殺人犯ときたら本当に場当たり的で杜撰でいい加減、それだけに逆に事件の裏付けをとるのが難しい……。

 

 実際の事件を知らないだけに、先の展開が全くわからず、最後の最後までドキドキしながら観た。やっぱりリアルな殺人常習犯の思考回路って予想外だわ。