今日は足関節の障害について

来られた方は足関節の骨折後の方でした。

今回は障害の種類に関係なく起こる、競技を開始する上で多くの方が陥っている状態をメインに伝えます。

 

目次

 

・競技に復帰する上で起こりうる動きでの問題について

・身体的状態について

・改善方法について

・最後に

 

 

・競技に復帰する上で起こりうる動きでの問題について

 

競技では、体重をかけるのが怖く思い切って動けない。動こうとしても足首が曲がらず動きにくい。動き出しが悪い、ジャンプもしくは着地がうまくできない。

このようなことが多いですが、今回のケースでは前の踏み込み時の痛みに加え後ろに下がるのは怖い状態でした。そのほかの問題はまだバドミントンを始めていないので今後浮き彫りになってくると思います。

ちなみに自分も22歳の時靭帯断裂をし手術、ギブスが取れたあと後遺症にとても苦しみました。現役時代は足首の可動域を病院で測定するとなんと背屈は0度(足を延ばすのが底屈、曲げるのが背屈)、その状態で強引に動いていました。とにかく動き出しが悪く、前に行く動作が本当にやりにくい状態でした。今ではその原因がわかっているので10年以上曲がらなった足関節は今曲がっています。自分の経験だけでなく多くの方が怪我後様々な動きの不具合を感じていると思います。

 

 

 

・身体状況について

寝た状態で検査をすると大きな可動域制限はありませんでした。ただし、正しい動きをしているかというと足関節は問題のある動きをしていました。専門家向けならここの内容が大切ですが、この説明になると各骨の名前など聞き覚えのないものばかりでるので説明を省きます。

可動域制限は左右差は少なくとも、正しいと考えられる関節運動からは逸脱している状態になっていると考えてください。これを見逃すと様々な問題を引きおこすので難治している足関節の場合細かく見てもらうことをお勧めします。

筋力など他の評価については異常なほどの問題は見られず、リハビリはそんなに行っていないというわりには良い状態でした。病院でも問題なしと判断され,すべての動作の許可を得たとのことでした。

 

ここで今回の一番伝えたい部分です。足関節、膝関節、股関節単体では大きな問題がでていなくても、それぞれの関節が共同で動くことになると問題が出ていました。

最低でもこの3関節の動きの「パターン」を良くしなければ動きづらい状態になります。

今日の方はこの問題に加え、骨盤を含む体幹部の動きも協力してうまく動いていない状態でした。つまり、3関節+体幹が協力して曲がっていくという動作が破綻した状態ということです。

この状態は自分も陥っていましたが、本当に動きにくいです。前が取れないなどの問題があった場合、いくら筋力をつけても動けるようにならない方は多いです。自分の現役時代は結局最後まで不具合は感じていました

 

 

・改善方法について

そのままパターンを学習させていく単純なものです。ただしスクワット動作だけではうまく作れないのでスクワット姿勢をまずはつくります。その状態から骨盤を含む体幹部の操作を行っていきます。

一般的なスクワットは膝を前に出さない傾向がありますが、自分の場合前に出します。というよりもそこは着眼点として重要視しなく3関節のバランスに加え、体幹部との協調性を重要視します。

これを行うとかなり動きやすくなります。ちなみにこの3関越のタイミングが良い選手は相当高いレベルの選手だと思います。

ただし、その動きでないと動けない、もしくは障害が起こるかといえば違います。違うパターンでもバランスさえその人なりに取れていれば負担は少なく、ある程度は動きを確保できるようです。

トレーニング後、踏み込みの痛みは最初と同様な動きの評価では消失、後ろの下がりの恐怖心も軽減していました。つまり痛めているわけではなく、動きのパターンがある部分に負荷を増大させ、痛みを誘発していたということが考えられます。

本人も競技を行う自信がわいたようで、今後の動きにつなげていけそうです。

 

・終わりに

怪我後の復帰時に痛みがなくなっても全く動けるようにならない人は多いかと思います。

それは元の状態も実は悪かった可能性が高く、それが障害によりさらに破綻、正常というより前の自分なりのパターンいうものを見失って行くのだと思います。

こんなときは前の状態に戻すのではなく、今の不具合を含めより良い新しい状態を目指していくことを自分はしていきます。

モチベーションにもつながりますからね。後退していたものを出発地点に行くのではなく進んだ先を目指していくので。

ピンチもチャンスですね!!