宅建夏休み特集(借地借家法の総まとめ②:借地その2) | 保坂つとむの宅建合格塾

宅建夏休み特集(借地借家法の総まとめ②:借地その2)

みなさん、こんばんは(^o^)。

宅建夏休み特集の第2弾です。今回は、「借地借家法(借地)」に関する“総まとめ講義”の後編となります。





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●●● 借地借家法(借地②)●●●

前回… 借地権者に“不利”な特約であれば無効となる「強行規定」なるものについて説明したが…
 ↓
今回は… この“強行規定ではないケース”について,まずは,紹介したいと思う。

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【地代等の増減請求(強行規定ではない!)

『当事者』は,“将来”に向かって地代等の増減を請求できる(“過去”にさかのぼっての増減請求は…NG!)。
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ただし… 地代等を“増額しない旨の特約”は『OK』なので,この特約があれば,増額請求はできなくなる。
(地代等を“減額しない旨の特約”は…NG!
 ↓
もし… 
地代の“値上げ・値下げ”でもめたら?
● ガンバって,当事者間で“協議(話し合い)”。
● やっぱり協議が決裂…そしたら,『調停』に持ち込む!
● 調停が不調に終わったら,『訴訟』で争う!
…の順となる。
(調停をすっ飛ばして,いきなり訴訟は…NG!

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【先取特権(強行規定ではない!)

借地権設定者は,弁済期の到来した最後の『2年分』の地代等について,借地上の“建物”の上に,“先取特権”を有する。

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【裁判所の介入】

次の1)5)は,“困ったときは裁判所が助けてくれるョ…”シリーズだ。

1)借地条件の変更(強行規定)
借地条件(例:建物は木造しかダメ)があるため,当事者間でもめてしまった場合,裁判所は,『当事者』の申立てにより,借地条件を変更できる。

2)増改築の許可(強行規定)
増改築の制限があるため,当事者間でもめてしまった場合,裁判所は,『借地権者』の申立てにより,増改築を許可できる(存続期間の“延長”等もできる!)。

3)更新後の建物滅失における再築の許可(強行規定)
契約の更新後において,残存期間を超えてもつような立派な建物を再築することについてやむを得ない事情があるのに,借地権設定者がその再築を承諾しないときは,裁判所は,『借地権者』の申立てにより,借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

4)“土地賃借権”の譲渡・転貸の許可(強行規定)
借地権者が,建物を第三者に譲渡しようとする場合で,借地権設定者が,何ら不利ではないのに,土地賃借権(「地上権」の場合は関係なし!)の譲渡・転貸を承諾しないときは,裁判所は,『借地権者』の申立てにより,土地賃借権の譲渡・転貸を許可できる。
 ↓
ちなみに… 借地権設定者からの土地賃借権の譲渡・転貸の“承諾がない”まま,建物が売却された場合には,その建物を購入した『第三者』は,借地権設定者に対し,建物等の買取りを請求できる(第三者の建物買取請求権)

5)競売等があった場合の“土地賃借権”の譲渡の許可
第三者が,借地上の建物を競売等により取得した場合で,借地権設定者が,何ら不利ではないのに,土地賃借権(「地上権」の場合は関係なし!)の譲渡を承諾しないときは,裁判所は,その『第三者』の申立てにより,土地賃借権の譲渡を許可できる(この第三者の申立ては,競売代金支払い後『2ヵ月以内』に限り…認められる!)。
 ↓
ちなみに… こちらの『第三者』にも,上記4)と同様の
買取請求権(第三者の建物買取請求権)が認められる。


注)上記1)4)は,強行規定だが,5)の“譲渡の許可”に関する規定は,強行規定ではない!

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【定期借地権等】

ここでは,“更新のない借地権”を紹介する。

1)定期借地権(通称:一般定期借地権)
存続期間が『50年』以上
 +
『書面』が必要となる(公正証書でなくても…OK!

2)事業用定期借地権等
存続期間が『10年』以上~『50年』未満
 +
『公正証書』が必要となる(公正証書以外は…NG!
 +
建物の用途は,『専ら事業用』に限定される。
ただし… 事業用であっても“居住用建物”はNG!

3)建物譲渡特約付き借地権
借地権を“消滅”させるため,借地権設定後『30年』以上経過した日に,“建物を借地権設定者に譲渡する”旨の特約がある借地権
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書面はいらない(書面の作成は要件となっていない!)。


注)上記1)3)では,建物の“用途”は,とくに制限されない

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【一時使用目的の借地権】

一時使用のための借地権であることが明らか”…な場合,借地借家法の“一部の規定”は,適用『されない』
 ↓
ただし… 一時使用目的の借地権も,“借地権の一種”である(したがって… 借地借家法の“一部”は…適用される!)。

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今回の“総まとめ講義”は…ここまで!






【制作・著作】
たっけんコム(http://www.takken.com/)代表 保坂つとむ

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