平成30年 宅建“法改正”講座① ※追記アリ
※ 今年度(平成30年度)の改正点である「田園住居地域」を考慮し忘れた箇所があったので、10月18日23:58にその部分の追記を行いました。
みなさん、こんばんは(*^▽^*)。
今日&明日は、“本試験直前特集”として、2日間にわたり、今年度の宅建受験生のみなさま向けに法改正等に関する情報をお届けします。
●特集①…昨年&近年の改正点等 ←今回!
●特集②…今年度の改正点
まず、今日は…
“昨年&近年”の改正点等をご紹介しましょう。
なお、重要度を“★”で示していますが、これは、あくまでも今年度の試験においての重要度となります。
(したがって、すでに出題済みの改正点で今年の試験で出題される可能性は低いであろうと思われるものは重要度を低く評価する…未出題の内容については多少古い改正点でも掲載する…等の調整を行っています。)
一般的な受験者は、“★★★”以上の項目のみ確認すれば十分。すべて確認するのは、相当学習の進んだ上級者のみでOKです!
今日も応援の“ポチッ”をお願いしま~す!
人気ブログランキングへ
●●● 宅建“法改正”講座① ●●●
宅地建物取引士試験の対象となる範囲についての昨年&近年の主な改正点や重要判例を,下記でご案内します。
――――――――――――――――――――――――
【民法 (“再婚禁止期間”の変更)】
(重要度 ★)
従来,女性の再婚禁止期間は“6ヵ月”でしたが,これが憲法違反であるとの最高裁の判断(最高裁判決:平成27年12月16日)が出たため,民法の規定(733条)が,次のように改正されました。
● 女は,前婚の解消または取消しの日から起算して『100日』を経過した後でなければ,再婚をすることができない(条文そのまま)。
まっ,試験に出る確率は低いと思いますので,気になる方は“100日”という数字だけ押さえておきましょ(*´▽`*)。
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
とくになし
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法① (媒介業者の“囲い込み”防止)】
(重要度 ★★★★)
“囲い込み”とは,媒介業者が,レインズなどで問い合わせが入った場合に,すでに申込み済みなどと難癖(笑)をつけて,これに応じず,なんとか自社のみで契約を成立させようとすることをいいます。
↓
売主・買主の双方から報酬を受け取れるいわゆる“両手”に持ち込むために行われる不正行為の1つですが,結果として,依頼された物件の売却時期が遅れてしまうなどの弊害が生じてしまうため,物件申込みがあったら,その都度,媒介依頼者にちゃ~んと“報告”しなさい…と義務付けることにしたものです。
↓
以下が,新設された規定です。
● 宅地・建物の『売買』または『交換』の“媒介契約を締結”した宅建業者は,その媒介の目的物(物件)に“申込み”があったときは,『遅滞なく』,その旨を依頼者に報告しなければならない。
なお,この報告義務は,従来からある業務報告(定期報告)とは異なる制度であるため,その違いをしっかり把握しておくことが必要です。
《従来からある報告(定期報告)》
一般媒介 ……… 義務ナシ
専任媒介 ……… 『2週間』に1回以上
専属専任媒介 … 『1週間』に1回以上
《物件申込みがあった場合の報告(改正により新設)》
一般媒介 ……… 申込みがあったときは『遅滞なく』
専任媒介 ……… 申込みがあったときは『遅滞なく』
専属専任媒介 … 申込みがあったときは『遅滞なく』
↓
新設された報告義務は,“一般・専任・専属専任”のいずれの媒介契約であっても適用される点,期限がすべて“遅滞なく”である点が,従来の定期報告とは異なっています。
↓
また,申込みの内容が,売主の希望条件を満たさない場合(例:購入希望額が低額)であっても,申込みがあった都度,報告しなければならない(=媒介業者が,勝手に判断して報告を省略するのはNG!)…という点も,頭に入れておきましょう。
ちなみに,従来の報告義務との共通点もあります。それは,次の2点です。
↓
1)報告の方法は,書面・口頭・電子メールのどれでも『OK』!
↓
2)上記の規定に“反する特約”は,『無効』となる(例:報告を省略する ⇒ 無効!)。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻93ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法② (重要事項説明の“簡素化”)】
(重要度 ★★★★★)
従来,相手方等が宅建業者であっても…素人であっても,35条の重要事項説明について,ルールに違いはありませんでした。
↓
これが改正されて,次のようなルールになりました。
● 相手方等が宅建業者であれば“宅建士による口頭での説明”は『不要』である。
(宅建業者に対しては,35条書面の交付のみでOK!)
改正前・後で整理すると…
《改正前は…》
買主等が宅建業者であっても,宅建士による説明,35条書面の交付,ともに必要となる。
《改正後は…》
買主等が宅建業者であれば,宅建士による説明は不要である。
(35条書面の交付のみ必要となる!)
なお,宅建業者に対しては,あくまでも宅建士による“口頭での説明”が不要になっただけであり,宅建業者に対して交付する35条書面であっても,従来同様,宅建士の“記名・押印”は必要なので・・・あしからず!
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻99ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法③ (“賃貸住宅管理業者”に関する説明)】
(重要度 ★★)
35条の重要事項説明で,賃貸物件の管理者の氏名・住所を説明する際,その管理者が「賃貸住宅管理業者」の登録業者であれば,その『登録番号』も記載&説明することになりました(登録業者でなければ,従来どおり,氏名・住所の説明だけでOK!)。
↓
この「賃貸住宅管理業者」の登録制度は,以前,当ブログで取り上げたことがあります。気になる人は“宅建試験が終わってから(← これっ,大事ですよ!)”,下記のブログ記事をご覧になってくださいまし。。。
https://ameblo.jp/hosaka-tsutomu-no-blog/entry-12250986942.html
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
下巻109ページ
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法④ (弁済対象者からの“除外”)】
(重要度 ★★★★★)
営業保証金や弁済業務保証金の弁済対象者から『宅建業者』が“除外”されることになりました。
(じつは,以前から保証協会などでは,業者より素人さんを優先して還付を行う運用がなされていたのですが,今回の改正により,法律自体で“素人さんを救済するためのもの”というルールを明確にした…ということです。)
↓
また,これに伴い,宅建業者に対しては,“供託所等の説明”が『不要』になりました。
(供託所の所在地は○○です。あっ,でもアンタは業者さんだから,還付は受けられませんぜ。残念!!!・・・な~んて説明したら,嫌み( ;∀;)になるだけだしね・・・アハッ! アハッ!)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻50,62,116ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法⑤ (“従業員名簿”の記載内容の変更)】
(重要度 ★★★★)
宅建業者が事務所に備えるべき従業員名簿の記載事項から『住所』が“除外”されることになりました。
↓
従業者名簿には“閲覧制度”があるため,住所の記載は,従業者のプライバシー保護の観点から問題視されていましたが,この点が改正により解消されます。
(ちなみに,事務所に備える帳簿には,閲覧制度はないぞォ!・・・φ(..)メモっち)
この改正のせいで,近年の宅建試験では,従来以上に従業者名簿の出題可能性が高くなったかも。。。
↓
だから,頑張って従業者名簿の“記載事項”も覚えちゃいましょう!
↓
1)氏名&生年月日 ⇒ 歳バレるんだプライバ(以下略
2)従業者証明書の番号 ⇒ 証明書との連携を図らなきゃ
3)主たる職務内容 ⇒ そりゃそうだ。これっ,絶対暗記!
4)宅建士であるか否か ⇒ 俺は宅建士だ<(`^´)>ってか
5)事務所の従業者となった&従業者でなくなった年月日
従業者名簿ちゃんと記載しないと,“罰則(50万円以下の罰金)”あるぞ!…オマケ
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻71,125ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法⑥ (“業界団体”による研修)】
(重要度 ★★★)
宅建業法で“研修”と言えば,保証協会の“必須業務”としての研修がありましたが,これとは別に,宅建業者を社員(メンバー)とする団体(要するに業界団体)による“研修実施の努力義務”の規定が設けられました。さらに,この業界団体の研修に保証協会が“費用を助成”することもできるようになりました。
↓
まとめると,次のとおりです。
《保証協会》
宅建士等に対する研修を実施しなければならない。
(従来からあるやつ ⇒ 保証協会の『必須』業務)
《業界団体》
宅建士等に対して『体系的』な研修を実施するよう努める。
(「努める」だから ⇒ 業界団体の努力義務)
《保証協会から業界団体へ》
研修の『費用を助成』することができる。
(「できる」だから ⇒ 保証協会の『任意』業務)
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
下巻57ページ
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法⑦ (免税事業者の報酬額)】
(重要度 ★★★)
宅建業者(免税事業者)の報酬について,“消費税”の加算額が,下記のように変更されました。
(課税事業者の報酬に対する消費税の加算額は,8%のままで,とくに変更はありません。)
● 変更前: 4%加算(報酬×1.04)
↓
● 変更後: 『3.2%』加算(報酬×1.032)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻118ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【都市計画法 (開発許可の不服申立てルール)】
(重要度 ★★)
従来,開発許可を申請したのに不許可となり,これに不服がある者は,先ず“開発審査会への審査請求”を行い,その採決を経た後でなければ,裁判所に“訴え”を起こすことができない…とされていましたが,これが,下記のように改められました。
● 開発許可に不服があった場合は,『審査請求を経ず』に,“訴え”を起こすことができる。
(いわゆる「審査請求前置主義」の廃止)
要するに…
審査請求をすっ飛ばして,“いきなり訴え”を起こすことができる…ということです。
↓
なお,建築基準法の建築確認申請の結果に不服があった場合も,上記と同様のルールに変更されました。いちおう念のため。。。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻152ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法① (用途制限:ダンスホール)】
(重要度 ★★★)
従来,『ダンスホール』は,風俗営業店として扱われていたため,キャバレーや料理店と同じ用途制限を受けていました。
(特定行政庁の許可があった場合を除き,商業地域か準工業地域でないと,建築できない!)
↓
これが,次のように改められました。
● 『ダンスホール』を“風俗営業店から除外”し,カラオケボックスと同じ用途制限を受けるものとする。
具体的には…
『ダンスホール』の用途制限は,次のようになります。
(なお,特定行政庁の許可があれば,どの用途地域でも建築OKなのは言うまでもありません。)
《建築できない用途地域は?》
低層住居系用途地域
(=第一種・第二種低層住居専用地域&田園住居地域)
第一種・第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
《建築できる用途地域は?》
第二種住居地域
準住居地域
商業系用途地域すべて(近隣商業&商業)
工業系用途地域すべて(準工業&工業&工業専用)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻168ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法② (用途制限:ナイトクラブ)】
(重要度 ★★★)
従来,「ナイトクラブ」は,風俗営業店として扱われていたため,キャバレーや料理店と同じ用途制限を受けていました。
(特定行政庁の許可があった場合を除き,商業地域か準工業地域でないと,建築できない!)
↓
これが,次のように改められました。
● 「ナイトクラブ」を風俗営業店から除外し,『劇場・映画館』等と同じ用途制限を受けるものとする。
具体的には,「ナイトクラブ」の用途制限は,次のようになります。
(なお,特定行政庁の許可があれば,どの用途地域でも建築OKなのは言うまでもありません。)
《建築できない用途地域は?》
住居系用途地域すべて
(ただし,『200㎡未満』であれば,準住居地域は建築OK!)
工業地域
工業専用地域
《建築できる用途地域は?》
準住居地域(上記のとおり,『200㎡以上』だと建築NG!)
商業系用途地域すべて(近隣商業&商業)
準工業地域
(オマケ…時間がない人はスルーしてちょ)
そういえば,前コーナーで「ダンスホール」の用途制限についての改正もありましたよね~(#^.^#)。
↓
なんで,改正したかというと,風俗営業扱いだと,未成年者が立ち入れないので“親子ダンスイベント”などに使えないから…ブーイングが出たんですね(笑)。なんせ,義務教育でも,学校の授業でダンスを行う時代になりましたからねぇ~。俺の学生時代には考えられな(以下略
↓
んっ,ところで,ダンスホールとナイトクラブって,何が違うんだ。。。???
↓
「ダンスホール」は,しっかりと設備を設けて,お客さんにダンスを楽しんでもらう施設です。これに対して,「ナイトクラブ」は,ダンスだけじゃもの足りないぞ…飲食もさせろォ~という施設。。。だから,ダンスホールよりドンちゃん騒ぎの可能性のあるナイトクラブの方が,用途制限は厳しくなっています。
(ちなみに,先生がダンスを教える社交ダンススクールなどは,学習塾なんかと同じ括りなので,従来から別扱いです。。。ご参考までに)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻168ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法③ (容積率の緩和:老人ホーム)】
(重要度 ★★★)
従来から,地下室で“住宅の用途”に供する部分の床面積は,“3分の1”を限度に,延べ面積に算入しない…とする容積率の特例がありましたが,下記のとおり,この特例の対象が拡大することになりました。
● 住宅地下室の床面積を延べ面積に算入しない特例について,新たに『老人ホーム』等を適用対象とする。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻173ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法④ (容積率の緩和:エレベーター)】
(重要度 ★★★)
従来から,共同住宅の“共用廊下・共用階段”に供する部分の床面積は,延べ面積に算入しない…とする容積率の特例がありましたが,改正により,下記の特例も加わることになりました。
● 政令で定める『昇降機』の昇降路の部分も,延べ面積に算入しない…ものとする。
↓
この改正のポイントは,次の3つ!
↓
1) 政令で定める昇降機とは,『エレベーター』のみを指す。
(だから… “エスカレーター”は,この特例の対象外となる!)
↓
2) “共用廊下・共用階段”のように,共同住宅に限定されない。
(だから… “オフィスビルや戸建て住宅”も特例の対象となる!)
↓
3) あくまでも『容積率』についての特例である。
(だから… “建ぺい率”には,このような特例はない!)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻173ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法⑤ (建築確認関連の手続)】
(重要度 ★★)
従来は…
↓
《建築確認》
“建築主”が,建築主事 or 指定確認検査機関に対して,建築確認申請を行う。
《構造計算適合性判定》
その申請を受理した“建築主事 or 指定確認検査機関”が,都道府県知事等の構造計算適合性判定を求める。
↓
…という手続になっていましたが,これが,次のような手続に改正されました。
● 構造計算適合性判定を建築主事等の審査から独立させ,“建築主”が構造計算適合性判定を『直接申請』できる仕組みに改め,建築主が審査者や申請時期を選択できるようにした。
平たく言えば…
『建築主』が,“建築確認の申請”と“構造計算適合性判定の申請”を,それぞれ『直接』に行う…ルールに変わったということです。
↓
ちなみに,比較的簡易な構造計算について,十分な能力を有する者が審査する場合には,構造計算適合性判定の『対象外』とする…改正も行われました。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻182ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法⑥ (仮使用承認の民間活用)】
(重要度 ★★)
従来,工事中の建築物の仮使用の承認は,“特定行政庁”等のみがすることができる…とされていましたが,これが,次のように改正されました。
● 仮使用部分と工事部分とが防火上有効に区画されている等の安全上・防火上の基準を定め,その基準に適合する場合は,『指定確認検査機関』や『建築主事』が,“仮使用”を認める(承認する)ことができる。
要するに…
“お役所の権限”だったものを,“民間(指定確認検査機関)に開放”した・・・ってことですネ。
↓
ただし,民間団体の裁量でなんでもかんでも承認されたら困るので,ちゃんと安全性等の基準を定めますョ。その基準を満たしている場合のみ,民間団体も仮使用の承認をしちゃってかまいません…ってルールにしたわけです。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻183ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【農地法 (4条・5条の許可権者)】
(重要度 ★★★)
従来,農地法4条&5条の許可権者は,次のようになっていました。
《原則》 『都道府県知事』
《例外》 “4ヘクタール超の農地”の場合は,『農林水産大臣』
↓
これが,下記のように改正されました。
● 農地法4条&5条の許可権者は,次のとおりとなる。
《原則》 『都道府県知事』
《例外》 “指定市町村の区域内”では,その『市町村長』
※ 面積は関係ナシ!(4ヘクタール超の農地であっても,知事 or 指定市町村長が許可権者となる!)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻198ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【不動産鑑定評価基準 (特定価格の改正等)】
(重要度 ★★)
不動産鑑定評価基準が広範囲に改正されましたが,試験対策上,とくに重要なのは,次の3点です。
● 「特定価格」とは,
↓
市場性を有する不動産について,法令等による社会的要請を背景とする『鑑定評価目的』の下で,正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより,正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう『市場価値と乖離する』こととなる場合における不動産の適正価値を適正に表示する価格をいう…との文言に改正された。
● 「鑑定評価の手法」の適用については,
↓
従来は,原価方式・比較方式・収益方式の“3方式を併用すべき”である…とされていたが,
↓
『複数』の鑑定評価の手法を適用すべきである…との文言に改正された。
● 「収益還元法」については,
↓
従来は,一般的に市場性を有しない不動産以外のものにはすべて適用すべきものであり,自用の“住宅地”といえども賃貸を想定することにより適用されるものである…とされていたが,
↓
一般的に市場性を有しない不動産以外のものには『基本的に』すべて適用すべきものであり,自用の『不動産』といえども賃貸を想定することにより 適用されるものである…との文言に改正された。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻206,207,209ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【所得税 (空き家に関する譲渡所得の特例)】
(重要度 ★)
譲渡所得について,次のような特例が設けられています。
● 以下の要件を満たす譲渡については,その譲渡に係る譲渡所得の金額について,『3,000万円の特別控除』を適用することができる。
《対象者》
『相続』または『遺贈』により,下記の対象財産を取得した個人
《対象財産》
次の1)~3)の要件を満たす家屋(被相続人居住用家屋)やその敷地等
1) 『昭和56年5月31日』以前に建築された家屋であること
2) 『区分所有建物』ではないこと
3) 相続開始の直前は,被相続人だけが居住していた家屋で,相続の開始により『空き家』となってしまったこと
(空き家が条件であるため,相続開始時から譲渡時までに事業・貸付・居住用に供されてしまうと・・・対象外となる!)
《譲渡要件》
相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに,次のいずれかを譲渡した場合
1) 元々耐震基準を満たしている家屋&その敷地等
2) 耐震性が劣るため『耐震リフォーム』をした家屋&その敷地等
(耐震基準を満たさない家屋を,耐震リフォームもせずに,そのままの状態で譲渡した場合は・・・対象外となる!)
3) 家屋を『取り壊した』後のその敷地(要するに更地)
《譲渡価額制限》
譲渡価額が『1億円』を超えないこと
近年問題になっている空き家対策として,相続がきっかけで誰も住まなくなった住宅を売った場合には,税金を安くしてあげますョ…という特例なわけですね。
(ただ,地震に弱い住宅をそのまま売っちゃたらマズイので,ちゃんと耐震リフォームしてね。こんな古い家を耐震リフォームしたところで,高い値段でなんか売れねーじゃんか!・・・って場合は,住宅をぶっ壊して更地で売却してもかまわないョ・・・ザックリ言えばそんなとこです。)
↓
まっ・・・ 覚えることが多いし,そもそも譲渡所得の問題自体が出るかどうかわからないので,学習が進んでいない受験生は,スルーしちゃってください!
(…って,最後に書くなよ,オイ! 自分ツッコミ(笑))
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に未掲載の内容となっております。
――――――――――――――――――――――――
【固定資産税 (“タワマン”課税の見直し等)】
(重要度 ★★)
ザックリと,次の2点だけ押さえておきましょう。
↓
1)マンションの固定資産税は,従来は専有部分の床面積割合に応じて課税していたが,タワーマンションについては,高層階の方が税金が高くなる見直しが行われた。
↓
2)放置された一定の空き家(特定空家等)が建っている土地については,課税標準が1/6になる小規模住宅用地の特例が受けられなくなる改正が行われた。
タワマン課税は,高層階の方が値段がメチャクチャ高いので,実態にあわせて,不公平感を是正したわけですな。
また,空き家の方は,税金が高くなるのを嫌ってボロ家を解体せずに放置しているケースが社会問題になっているので,倒壊の危険や景観を損なう等の問題に対処するために改正したというわけです。
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
下巻215ページ
――――――――――――――――――――――――
【重要判例 (“遺産分割”に関する判例変更)】
(重要度 ★★★)
従来,預金・貯金は,被相続人が死亡すれば,相続分に応じて当然に相続人に分割される…とされていましたが,これが最新判例により,次のように変更されました。
(最高裁決定:平成28年12月19日)
● 預金・貯金も『遺産分割』の対象となるため,当然に相続人に分割されるのではなく,相続人全員で協議して決めることになる(=相続開始と同時に,自動的・機械的に分配されるわけではない!)。
例えば,一部の相続人が,被相続人の生前に贈与を受けているなどで,相続人間に不公平な状況があっても,従来では,預金の山分けの仕方で調整することができなかったのですが,今回の最高裁の判断により,このような不公平を是正することが可能となりました(生前贈与を受けていない相続人については,預金の分け前を多くすることにより不公平感を解消する…など)。
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
上巻197ページ
――――――――――――――――――――――――
今回の“法改正”講座は…以上です。
【制作・著作】
たっけんコム(http://www.takken.com/)代表 保坂つとむ
※ 記事の内容に関する質問は、受け付けておりません。
※ 記事を許可なく転載・複製することを禁じます。
みなさん、こんばんは(*^▽^*)。
今日&明日は、“本試験直前特集”として、2日間にわたり、今年度の宅建受験生のみなさま向けに法改正等に関する情報をお届けします。
●特集①…昨年&近年の改正点等 ←今回!
●特集②…今年度の改正点
まず、今日は…
“昨年&近年”の改正点等をご紹介しましょう。
なお、重要度を“★”で示していますが、これは、あくまでも今年度の試験においての重要度となります。
(したがって、すでに出題済みの改正点で今年の試験で出題される可能性は低いであろうと思われるものは重要度を低く評価する…未出題の内容については多少古い改正点でも掲載する…等の調整を行っています。)
一般的な受験者は、“★★★”以上の項目のみ確認すれば十分。すべて確認するのは、相当学習の進んだ上級者のみでOKです!
今日も応援の“ポチッ”をお願いしま~す!
人気ブログランキングへ
●●● 宅建“法改正”講座① ●●●
宅地建物取引士試験の対象となる範囲についての昨年&近年の主な改正点や重要判例を,下記でご案内します。
――――――――――――――――――――――――
【民法 (“再婚禁止期間”の変更)】
(重要度 ★)
従来,女性の再婚禁止期間は“6ヵ月”でしたが,これが憲法違反であるとの最高裁の判断(最高裁判決:平成27年12月16日)が出たため,民法の規定(733条)が,次のように改正されました。
● 女は,前婚の解消または取消しの日から起算して『100日』を経過した後でなければ,再婚をすることができない(条文そのまま)。
まっ,試験に出る確率は低いと思いますので,気になる方は“100日”という数字だけ押さえておきましょ(*´▽`*)。
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
とくになし
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法① (媒介業者の“囲い込み”防止)】
(重要度 ★★★★)
“囲い込み”とは,媒介業者が,レインズなどで問い合わせが入った場合に,すでに申込み済みなどと難癖(笑)をつけて,これに応じず,なんとか自社のみで契約を成立させようとすることをいいます。
↓
売主・買主の双方から報酬を受け取れるいわゆる“両手”に持ち込むために行われる不正行為の1つですが,結果として,依頼された物件の売却時期が遅れてしまうなどの弊害が生じてしまうため,物件申込みがあったら,その都度,媒介依頼者にちゃ~んと“報告”しなさい…と義務付けることにしたものです。
↓
以下が,新設された規定です。
● 宅地・建物の『売買』または『交換』の“媒介契約を締結”した宅建業者は,その媒介の目的物(物件)に“申込み”があったときは,『遅滞なく』,その旨を依頼者に報告しなければならない。
なお,この報告義務は,従来からある業務報告(定期報告)とは異なる制度であるため,その違いをしっかり把握しておくことが必要です。
《従来からある報告(定期報告)》
一般媒介 ……… 義務ナシ
専任媒介 ……… 『2週間』に1回以上
専属専任媒介 … 『1週間』に1回以上
《物件申込みがあった場合の報告(改正により新設)》
一般媒介 ……… 申込みがあったときは『遅滞なく』
専任媒介 ……… 申込みがあったときは『遅滞なく』
専属専任媒介 … 申込みがあったときは『遅滞なく』
↓
新設された報告義務は,“一般・専任・専属専任”のいずれの媒介契約であっても適用される点,期限がすべて“遅滞なく”である点が,従来の定期報告とは異なっています。
↓
また,申込みの内容が,売主の希望条件を満たさない場合(例:購入希望額が低額)であっても,申込みがあった都度,報告しなければならない(=媒介業者が,勝手に判断して報告を省略するのはNG!)…という点も,頭に入れておきましょう。
ちなみに,従来の報告義務との共通点もあります。それは,次の2点です。
↓
1)報告の方法は,書面・口頭・電子メールのどれでも『OK』!
↓
2)上記の規定に“反する特約”は,『無効』となる(例:報告を省略する ⇒ 無効!)。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻93ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法② (重要事項説明の“簡素化”)】
(重要度 ★★★★★)
従来,相手方等が宅建業者であっても…素人であっても,35条の重要事項説明について,ルールに違いはありませんでした。
↓
これが改正されて,次のようなルールになりました。
● 相手方等が宅建業者であれば“宅建士による口頭での説明”は『不要』である。
(宅建業者に対しては,35条書面の交付のみでOK!)
改正前・後で整理すると…
《改正前は…》
買主等が宅建業者であっても,宅建士による説明,35条書面の交付,ともに必要となる。
《改正後は…》
買主等が宅建業者であれば,宅建士による説明は不要である。
(35条書面の交付のみ必要となる!)
なお,宅建業者に対しては,あくまでも宅建士による“口頭での説明”が不要になっただけであり,宅建業者に対して交付する35条書面であっても,従来同様,宅建士の“記名・押印”は必要なので・・・あしからず!
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻99ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法③ (“賃貸住宅管理業者”に関する説明)】
(重要度 ★★)
35条の重要事項説明で,賃貸物件の管理者の氏名・住所を説明する際,その管理者が「賃貸住宅管理業者」の登録業者であれば,その『登録番号』も記載&説明することになりました(登録業者でなければ,従来どおり,氏名・住所の説明だけでOK!)。
↓
この「賃貸住宅管理業者」の登録制度は,以前,当ブログで取り上げたことがあります。気になる人は“宅建試験が終わってから(← これっ,大事ですよ!)”,下記のブログ記事をご覧になってくださいまし。。。
https://ameblo.jp/hosaka-tsutomu-no-blog/entry-12250986942.html
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
下巻109ページ
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法④ (弁済対象者からの“除外”)】
(重要度 ★★★★★)
営業保証金や弁済業務保証金の弁済対象者から『宅建業者』が“除外”されることになりました。
(じつは,以前から保証協会などでは,業者より素人さんを優先して還付を行う運用がなされていたのですが,今回の改正により,法律自体で“素人さんを救済するためのもの”というルールを明確にした…ということです。)
↓
また,これに伴い,宅建業者に対しては,“供託所等の説明”が『不要』になりました。
(供託所の所在地は○○です。あっ,でもアンタは業者さんだから,還付は受けられませんぜ。残念!!!・・・な~んて説明したら,嫌み( ;∀;)になるだけだしね・・・アハッ! アハッ!)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻50,62,116ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法⑤ (“従業員名簿”の記載内容の変更)】
(重要度 ★★★★)
宅建業者が事務所に備えるべき従業員名簿の記載事項から『住所』が“除外”されることになりました。
↓
従業者名簿には“閲覧制度”があるため,住所の記載は,従業者のプライバシー保護の観点から問題視されていましたが,この点が改正により解消されます。
(ちなみに,事務所に備える帳簿には,閲覧制度はないぞォ!・・・φ(..)メモっち)
この改正のせいで,近年の宅建試験では,従来以上に従業者名簿の出題可能性が高くなったかも。。。
↓
だから,頑張って従業者名簿の“記載事項”も覚えちゃいましょう!
↓
1)氏名&生年月日 ⇒ 歳バレるんだプライバ(以下略
2)従業者証明書の番号 ⇒ 証明書との連携を図らなきゃ
3)主たる職務内容 ⇒ そりゃそうだ。これっ,絶対暗記!
4)宅建士であるか否か ⇒ 俺は宅建士だ<(`^´)>ってか
5)事務所の従業者となった&従業者でなくなった年月日
従業者名簿ちゃんと記載しないと,“罰則(50万円以下の罰金)”あるぞ!…オマケ
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻71,125ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法⑥ (“業界団体”による研修)】
(重要度 ★★★)
宅建業法で“研修”と言えば,保証協会の“必須業務”としての研修がありましたが,これとは別に,宅建業者を社員(メンバー)とする団体(要するに業界団体)による“研修実施の努力義務”の規定が設けられました。さらに,この業界団体の研修に保証協会が“費用を助成”することもできるようになりました。
↓
まとめると,次のとおりです。
《保証協会》
宅建士等に対する研修を実施しなければならない。
(従来からあるやつ ⇒ 保証協会の『必須』業務)
《業界団体》
宅建士等に対して『体系的』な研修を実施するよう努める。
(「努める」だから ⇒ 業界団体の努力義務)
《保証協会から業界団体へ》
研修の『費用を助成』することができる。
(「できる」だから ⇒ 保証協会の『任意』業務)
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
下巻57ページ
――――――――――――――――――――――――
【宅建業法⑦ (免税事業者の報酬額)】
(重要度 ★★★)
宅建業者(免税事業者)の報酬について,“消費税”の加算額が,下記のように変更されました。
(課税事業者の報酬に対する消費税の加算額は,8%のままで,とくに変更はありません。)
● 変更前: 4%加算(報酬×1.04)
↓
● 変更後: 『3.2%』加算(報酬×1.032)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻118ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【都市計画法 (開発許可の不服申立てルール)】
(重要度 ★★)
従来,開発許可を申請したのに不許可となり,これに不服がある者は,先ず“開発審査会への審査請求”を行い,その採決を経た後でなければ,裁判所に“訴え”を起こすことができない…とされていましたが,これが,下記のように改められました。
● 開発許可に不服があった場合は,『審査請求を経ず』に,“訴え”を起こすことができる。
(いわゆる「審査請求前置主義」の廃止)
要するに…
審査請求をすっ飛ばして,“いきなり訴え”を起こすことができる…ということです。
↓
なお,建築基準法の建築確認申請の結果に不服があった場合も,上記と同様のルールに変更されました。いちおう念のため。。。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻152ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法① (用途制限:ダンスホール)】
(重要度 ★★★)
従来,『ダンスホール』は,風俗営業店として扱われていたため,キャバレーや料理店と同じ用途制限を受けていました。
(特定行政庁の許可があった場合を除き,商業地域か準工業地域でないと,建築できない!)
↓
これが,次のように改められました。
● 『ダンスホール』を“風俗営業店から除外”し,カラオケボックスと同じ用途制限を受けるものとする。
具体的には…
『ダンスホール』の用途制限は,次のようになります。
(なお,特定行政庁の許可があれば,どの用途地域でも建築OKなのは言うまでもありません。)
《建築できない用途地域は?》
低層住居系用途地域
(=第一種・第二種低層住居専用地域&田園住居地域)
第一種・第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
《建築できる用途地域は?》
第二種住居地域
準住居地域
商業系用途地域すべて(近隣商業&商業)
工業系用途地域すべて(準工業&工業&工業専用)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻168ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法② (用途制限:ナイトクラブ)】
(重要度 ★★★)
従来,「ナイトクラブ」は,風俗営業店として扱われていたため,キャバレーや料理店と同じ用途制限を受けていました。
(特定行政庁の許可があった場合を除き,商業地域か準工業地域でないと,建築できない!)
↓
これが,次のように改められました。
● 「ナイトクラブ」を風俗営業店から除外し,『劇場・映画館』等と同じ用途制限を受けるものとする。
具体的には,「ナイトクラブ」の用途制限は,次のようになります。
(なお,特定行政庁の許可があれば,どの用途地域でも建築OKなのは言うまでもありません。)
《建築できない用途地域は?》
住居系用途地域すべて
(ただし,『200㎡未満』であれば,準住居地域は建築OK!)
工業地域
工業専用地域
《建築できる用途地域は?》
準住居地域(上記のとおり,『200㎡以上』だと建築NG!)
商業系用途地域すべて(近隣商業&商業)
準工業地域
(オマケ…時間がない人はスルーしてちょ)
そういえば,前コーナーで「ダンスホール」の用途制限についての改正もありましたよね~(#^.^#)。
↓
なんで,改正したかというと,風俗営業扱いだと,未成年者が立ち入れないので“親子ダンスイベント”などに使えないから…ブーイングが出たんですね(笑)。なんせ,義務教育でも,学校の授業でダンスを行う時代になりましたからねぇ~。俺の学生時代には考えられな(以下略
↓
んっ,ところで,ダンスホールとナイトクラブって,何が違うんだ。。。???
↓
「ダンスホール」は,しっかりと設備を設けて,お客さんにダンスを楽しんでもらう施設です。これに対して,「ナイトクラブ」は,ダンスだけじゃもの足りないぞ…飲食もさせろォ~という施設。。。だから,ダンスホールよりドンちゃん騒ぎの可能性のあるナイトクラブの方が,用途制限は厳しくなっています。
(ちなみに,先生がダンスを教える社交ダンススクールなどは,学習塾なんかと同じ括りなので,従来から別扱いです。。。ご参考までに)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻168ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法③ (容積率の緩和:老人ホーム)】
(重要度 ★★★)
従来から,地下室で“住宅の用途”に供する部分の床面積は,“3分の1”を限度に,延べ面積に算入しない…とする容積率の特例がありましたが,下記のとおり,この特例の対象が拡大することになりました。
● 住宅地下室の床面積を延べ面積に算入しない特例について,新たに『老人ホーム』等を適用対象とする。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻173ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法④ (容積率の緩和:エレベーター)】
(重要度 ★★★)
従来から,共同住宅の“共用廊下・共用階段”に供する部分の床面積は,延べ面積に算入しない…とする容積率の特例がありましたが,改正により,下記の特例も加わることになりました。
● 政令で定める『昇降機』の昇降路の部分も,延べ面積に算入しない…ものとする。
↓
この改正のポイントは,次の3つ!
↓
1) 政令で定める昇降機とは,『エレベーター』のみを指す。
(だから… “エスカレーター”は,この特例の対象外となる!)
↓
2) “共用廊下・共用階段”のように,共同住宅に限定されない。
(だから… “オフィスビルや戸建て住宅”も特例の対象となる!)
↓
3) あくまでも『容積率』についての特例である。
(だから… “建ぺい率”には,このような特例はない!)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻173ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法⑤ (建築確認関連の手続)】
(重要度 ★★)
従来は…
↓
《建築確認》
“建築主”が,建築主事 or 指定確認検査機関に対して,建築確認申請を行う。
《構造計算適合性判定》
その申請を受理した“建築主事 or 指定確認検査機関”が,都道府県知事等の構造計算適合性判定を求める。
↓
…という手続になっていましたが,これが,次のような手続に改正されました。
● 構造計算適合性判定を建築主事等の審査から独立させ,“建築主”が構造計算適合性判定を『直接申請』できる仕組みに改め,建築主が審査者や申請時期を選択できるようにした。
平たく言えば…
『建築主』が,“建築確認の申請”と“構造計算適合性判定の申請”を,それぞれ『直接』に行う…ルールに変わったということです。
↓
ちなみに,比較的簡易な構造計算について,十分な能力を有する者が審査する場合には,構造計算適合性判定の『対象外』とする…改正も行われました。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻182ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【建築基準法⑥ (仮使用承認の民間活用)】
(重要度 ★★)
従来,工事中の建築物の仮使用の承認は,“特定行政庁”等のみがすることができる…とされていましたが,これが,次のように改正されました。
● 仮使用部分と工事部分とが防火上有効に区画されている等の安全上・防火上の基準を定め,その基準に適合する場合は,『指定確認検査機関』や『建築主事』が,“仮使用”を認める(承認する)ことができる。
要するに…
“お役所の権限”だったものを,“民間(指定確認検査機関)に開放”した・・・ってことですネ。
↓
ただし,民間団体の裁量でなんでもかんでも承認されたら困るので,ちゃんと安全性等の基準を定めますョ。その基準を満たしている場合のみ,民間団体も仮使用の承認をしちゃってかまいません…ってルールにしたわけです。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻183ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【農地法 (4条・5条の許可権者)】
(重要度 ★★★)
従来,農地法4条&5条の許可権者は,次のようになっていました。
《原則》 『都道府県知事』
《例外》 “4ヘクタール超の農地”の場合は,『農林水産大臣』
↓
これが,下記のように改正されました。
● 農地法4条&5条の許可権者は,次のとおりとなる。
《原則》 『都道府県知事』
《例外》 “指定市町村の区域内”では,その『市町村長』
※ 面積は関係ナシ!(4ヘクタール超の農地であっても,知事 or 指定市町村長が許可権者となる!)
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻198ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【不動産鑑定評価基準 (特定価格の改正等)】
(重要度 ★★)
不動産鑑定評価基準が広範囲に改正されましたが,試験対策上,とくに重要なのは,次の3点です。
● 「特定価格」とは,
↓
市場性を有する不動産について,法令等による社会的要請を背景とする『鑑定評価目的』の下で,正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより,正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう『市場価値と乖離する』こととなる場合における不動産の適正価値を適正に表示する価格をいう…との文言に改正された。
● 「鑑定評価の手法」の適用については,
↓
従来は,原価方式・比較方式・収益方式の“3方式を併用すべき”である…とされていたが,
↓
『複数』の鑑定評価の手法を適用すべきである…との文言に改正された。
● 「収益還元法」については,
↓
従来は,一般的に市場性を有しない不動産以外のものにはすべて適用すべきものであり,自用の“住宅地”といえども賃貸を想定することにより適用されるものである…とされていたが,
↓
一般的に市場性を有しない不動産以外のものには『基本的に』すべて適用すべきものであり,自用の『不動産』といえども賃貸を想定することにより 適用されるものである…との文言に改正された。
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に掲載済みです。
(「50日でうかる宅建士」下巻206,207,209ページ参照)
――――――――――――――――――――――――
【所得税 (空き家に関する譲渡所得の特例)】
(重要度 ★)
譲渡所得について,次のような特例が設けられています。
● 以下の要件を満たす譲渡については,その譲渡に係る譲渡所得の金額について,『3,000万円の特別控除』を適用することができる。
《対象者》
『相続』または『遺贈』により,下記の対象財産を取得した個人
《対象財産》
次の1)~3)の要件を満たす家屋(被相続人居住用家屋)やその敷地等
1) 『昭和56年5月31日』以前に建築された家屋であること
2) 『区分所有建物』ではないこと
3) 相続開始の直前は,被相続人だけが居住していた家屋で,相続の開始により『空き家』となってしまったこと
(空き家が条件であるため,相続開始時から譲渡時までに事業・貸付・居住用に供されてしまうと・・・対象外となる!)
《譲渡要件》
相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに,次のいずれかを譲渡した場合
1) 元々耐震基準を満たしている家屋&その敷地等
2) 耐震性が劣るため『耐震リフォーム』をした家屋&その敷地等
(耐震基準を満たさない家屋を,耐震リフォームもせずに,そのままの状態で譲渡した場合は・・・対象外となる!)
3) 家屋を『取り壊した』後のその敷地(要するに更地)
《譲渡価額制限》
譲渡価額が『1億円』を超えないこと
近年問題になっている空き家対策として,相続がきっかけで誰も住まなくなった住宅を売った場合には,税金を安くしてあげますョ…という特例なわけですね。
(ただ,地震に弱い住宅をそのまま売っちゃたらマズイので,ちゃんと耐震リフォームしてね。こんな古い家を耐震リフォームしたところで,高い値段でなんか売れねーじゃんか!・・・って場合は,住宅をぶっ壊して更地で売却してもかまわないョ・・・ザックリ言えばそんなとこです。)
↓
まっ・・・ 覚えることが多いし,そもそも譲渡所得の問題自体が出るかどうかわからないので,学習が進んでいない受験生は,スルーしちゃってください!
(…って,最後に書くなよ,オイ! 自分ツッコミ(笑))
この改正点は…
「50日でうかる宅建士」に未掲載の内容となっております。
――――――――――――――――――――――――
【固定資産税 (“タワマン”課税の見直し等)】
(重要度 ★★)
ザックリと,次の2点だけ押さえておきましょう。
↓
1)マンションの固定資産税は,従来は専有部分の床面積割合に応じて課税していたが,タワーマンションについては,高層階の方が税金が高くなる見直しが行われた。
↓
2)放置された一定の空き家(特定空家等)が建っている土地については,課税標準が1/6になる小規模住宅用地の特例が受けられなくなる改正が行われた。
タワマン課税は,高層階の方が値段がメチャクチャ高いので,実態にあわせて,不公平感を是正したわけですな。
また,空き家の方は,税金が高くなるのを嫌ってボロ家を解体せずに放置しているケースが社会問題になっているので,倒壊の危険や景観を損なう等の問題に対処するために改正したというわけです。
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
下巻215ページ
――――――――――――――――――――――――
【重要判例 (“遺産分割”に関する判例変更)】
(重要度 ★★★)
従来,預金・貯金は,被相続人が死亡すれば,相続分に応じて当然に相続人に分割される…とされていましたが,これが最新判例により,次のように変更されました。
(最高裁決定:平成28年12月19日)
● 預金・貯金も『遺産分割』の対象となるため,当然に相続人に分割されるのではなく,相続人全員で協議して決めることになる(=相続開始と同時に,自動的・機械的に分配されるわけではない!)。
例えば,一部の相続人が,被相続人の生前に贈与を受けているなどで,相続人間に不公平な状況があっても,従来では,預金の山分けの仕方で調整することができなかったのですが,今回の最高裁の判断により,このような不公平を是正することが可能となりました(生前贈与を受けていない相続人については,預金の分け前を多くすることにより不公平感を解消する…など)。
「50日でうかる宅建士」の参考ページは…
上巻197ページ
――――――――――――――――――――――――
今回の“法改正”講座は…以上です。
【制作・著作】
たっけんコム(http://www.takken.com/)代表 保坂つとむ
※ 記事の内容に関する質問は、受け付けておりません。
※ 記事を許可なく転載・複製することを禁じます。