要点まとめ(権利関係その19…借地借家法-借地) | 保坂つとむの宅建合格塾

要点まとめ(権利関係その19…借地借家法-借地)

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みなさん、こんばんは(^^)。

私の“有料メルマガ(保坂つとむの「宅建」合格塾 ~プレミアムバージョン~)”のメイン記事「メルマガテキスト」を要約した“要点まとめ(穴埋め問題付き!)”を、今回もお届けいたします。

今回&次回は、民法の特別法である「借地借家法」がテーマとなります。

「借地借家法」は、通常、借地から1問、借家から1問の“計2問”が出題されます。

他の特別法である「区分所有法」と「不動産登記法」の難度が、近年上昇し、正解を出しにくくなっているため、この借地借家法で、なんとか点数を稼ぎたいものです。

学習時間がかかり、苦手とする受験生も多いですが、ポイントをキチンと押さえれば正解が出せる可能性は高いので、完全マスターを目指して、頑張ってください!



《この要点まとめは…》
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●●● 借地借家法(借地)●●●

建物の所有を目的として“他人の土地を利用”する場合,民法上,「地上権(物権)」「土地賃借権(債権)」の2つのメニューが存在するが…
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実務上は,「土地賃借権」が“主流”なのが実情である。
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なぜなのか?
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「土地賃借権」の方が,地主にとって“有利”だからである。
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しかし,土地賃借権では“借主の保護が十分でない”のも事実である。
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そこで…
この法律(借地借家法)で,借主側の保護を図っている。

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【用語の定義】

1)借地権
建物の所有が目的
(建物の用途や登記の有無を問わない!)
 +
地上権or 土地賃借権


2)借地権者
借地権を有する者(地上権者 or 土地賃借人)
(要するに,土地の“利用者”のことである!)


3)借地権設定者
借地権を設定している者(地上権設定者 or 土地賃貸人)
(要するに,“地主”のことである!)

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【強行規定】

借地借家法上のルールと異なる“特約”を定めた場合,その特約が“借地権者にとって不利”であれば,無効となる。
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これを,強行規定という。



注)借地権者に有利”な特約であれば,有効となる。
(特約は,なんでもかんでも無効…というわけではない!)

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【普通借地権(強行規定)

1)普通借地権の存続期間
● 期間を定めない場合,30年となる。
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● 期間を定める場合,30年以上であればOKである。
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30年未満”の期間を定めても,その定めは“強行規定”により無効となり,結果,その存続期間は“30年”となる。
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期間の定めナシ”となるわけではない。
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したがって,存続期間が決まっていない借地権…というのはない


2)普通借地権の更新-1(合意更新)
● 更新後の期間を定めない場合,初回更新では20年,2回目以降では10年となる。
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● 更新後の期間を定める場合,初回20年以上,2回目以降10年以上ならOKである。
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「合意更新」は,“建物の有無”を問わず認められる。
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また…
上記未満の期間を定めても,“強行規定”により無効となる。
(無効となれば… 更新後の期間は,20年 or 10年となる!)


3)普通借地権の更新-2(法定更新)
存続期間満了時に,借地権者が“更新の請求 or 土地の使用継続”をしたときは,地主との合意がなくても,建物がある場合に限り,“自動的に”更新される。
(更新後の期間は… 初回更新で20年,2回目以降で10年)
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借地権設定者は,正当事由がなければ,この“法定更新”を拒絶できない。
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正当事由には, “一定額の交付(立退料)の有無”も考慮されるが,あくまでも判断材料の1つにすぎないため,“立退料だけ”では正当事由にならない


4)建物買取請求権
存続期間満了時において更新がない場合,借地権者は,借地権設定者に対し,建物等を買い取るよう請求できる。
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ただし,建物が,借地権の存続期間満了前に“滅失”したため,残存期間を超えてもつような“立派な”建物を再築したが,これが借地権設定者の“承諾を得ない”築造だった場合…
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裁判所は,借地権設定者の請求があれば,買取代金の支払いについて,相当の期限を許与できる。
(例:買取代金の一部支払いについて“猶予”を認める。)

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【借地権の対抗力(強行規定)

1)“建物登記”による対抗力
借地権は,その登記(地上権 or 土地賃借権の登記)がなくても,登記のある建物(借地権者“本人”の名義に限る!)を所有するときは,これをもって第三者に対抗できる。
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ちなみに… 
この建物登記は,「権利に関する登記」「表示に関する登記」の“どちらでもOK”である。


2)“掲示”による対抗力
上記1)の“登記のある建物”が滅失しても,借地権者が,一定事項を“土地上の見やすい場所”に掲示すれば,その借地権は,なお対抗力を有する。
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● 滅失から2年が経過する時点で,“建物の再築&その建物登記”が済んでいれば,滅失から2年経過後も,引き続き対抗力が残る!
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● 滅失から2年が経過する時点で,“建物再築ナシor再築したが建物登記ナシ”であれば,滅失から2年経過後は,対抗力がなくなる!



注)もし,上記1)の建物登記がなくても,借地権の登記(地上権 or 土地賃借権の登記)があれば,当然に,第三者に対抗できる。
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この場合は,建物が滅失しても,上記2)の“掲示”は必要ない(掲示がなくても,対抗力はそのまま残る!)。
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建物ではなく“借地権そのものの登記”だから…である。

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【地代等の増減請求(強行規定ではない!)

当事者は,“将来”に向かって地代等の増減を請求できる。
(“過去”にさかのぼっての増減請求は…NG!
 ↓
ただし…
地代等を“増額しない旨の特約”はOKなので,この特約があれば,増額請求はできなくなる。
(地代等を“減額しない旨の特約”は…NG!
 ↓
 ↓
 ↓
もし… 
地代の“値上げ・値下げ”でもめたら?
 ↓
次の順となる。
● ガンバって,当事者間で“協議(話し合い)”。
● やっぱり協議が決裂…そしたら,調停に持ち込む!
● 調停が不調に終わったら,訴訟で争う!
(調停をすっ飛ばして,いきなり訴訟は…NG!

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【裁判所の介入】

次の1)5)は,“困ったときは裁判所が助けてくれるョ…”シリーズだ。



1)借地条件の変更(強行規定)
借地条件(例:建物は木造しかダメ)があるため,当事者間でもめてしまった場合…
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裁判所は,当事者の申立てにより,借地条件を変更できる。


2)増改築の許可(強行規定)
増改築の制限があるため,当事者間でもめてしまった場合…
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裁判所は,借地権者の申立てにより,増改築を許可できる(存続期間の“延長”等もできる!)。


3)更新後の建物滅失における再築の許可(強行規定)
契約の更新後において,残存期間を超えてもつような立派な建物を再築することについてやむを得ない事情があるのに,借地権設定者がその再築を承諾しないときは…
 ↓
裁判所は,借地権者の申立てにより,借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。


4)“土地賃借権”の譲渡・転貸の許可(強行規定)
借地権者が,建物を第三者に譲渡しようとする場合で,借地権設定者が,何ら不利ではないのに,土地賃借権(「地上権」の場合は関係なし!)の譲渡・転貸を
承諾しないときは…
 ↓
裁判所は,借地権者の申立てにより,
土地賃借権の譲渡・転貸を許可できる。
 ↓
 ↓
 ↓
ちなみに… 
借地権設定者からの土地賃借権の譲渡・転貸の“承諾がない”まま,建物が売却された場合には…
 ↓
その建物を購入した第三者は,借地権設定者に対し,建物等の買取りを請求できる(第三者の建物買取請求権)


5)競売等があった場合の“土地賃借権”の譲渡の許可
第三者が,借地上の建物を競売等により取得した場合で,借地権設定者が,何ら不利ではないのに,土地賃借権(「地上権」の場合は関係なし!)の譲渡を承諾しないときは…
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裁判所は,その第三者の申立てにより,土地賃借権の譲渡を許可できる。
(この第三者の申立ては,競売代金支払い後2ヵ月以内に限り…認められる!)
 ↓
 ↓
 ↓
ちなみに…
こちらの第三者にも,上記4)と同様の買取請求権(第三者の建物買取請求権)が認められる。



注)上記1)4)は,強行規定だが,5)の“譲渡の許可”に関する規定は,強行規定ではない!

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【定期借地権等】

ここでは,“更新のない借地権”を紹介する。



1)定期借地権(通称:一般定期借地権)
存続期間が50年以上
 +
書面が必要となる(公正証書でなくても…OK!


2)事業用定期借地権等
存続期間が10年以上~50年未満
 +
公正証書が必要となる(公正証書以外は…NG!
 +
建物の用途は,専ら事業用に限定される。
(ただし,事業用であっても“居住用建物”は…NG!


3)建物譲渡特約付き借地権
借地権を“消滅”させるため,借地権設定後30年以上経過した日に,“建物を借地権設定者に譲渡する”旨の特約がある借地権
 ↓
書面はいらない(書面の作成は要件となっていない!)。



注)上記1)3)では,建物の“用途”は,とくに制限されない

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【一時使用目的の借地権】

一時使用のための借地権であることが明らか”…な場合,借地借家法の“一部の規定”は,適用されない
 ↓
ただし…
一時使用目的の借地権も,“借地権の一種”である。
(したがって,借地借家法の“一部”は…適用される!)

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今回の“要点まとめ”は…ここまで。



●●● 今回の穴埋め(『  』に入るのは?)●●●

1) 借地権とは,『  』の所有を目的とする『  』権又は土地の『  』権をいう。

2) 当事者が借地契約を更新する場合においては,その期間は,更新の日から『  』年(借地権の設定後の最初の更新にあっては,『  』年)とする。ただし,当事者がこれより『  』期間を定めたときは,その期間とする。

3) 借地権の存続期間が満了する場合において,借地権者が契約の更新を請求したときは,『  』がある場合に限り,当事者間の合意がなくても,従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。

4) 借地権の存続期間が満了した場合において,契約の更新がないときは,借地権者は,借地権設定者に対し,建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができ『  』

5) 借地権は,その登記がなくても,土地の上に借地権者が『  』されている建物を所有するときは,これをもって第三者に対抗することができる。

6) 地代が,近傍類似の土地の地代に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,『  』は,『  』に向かって地代の額の増減を請求することができる。

7) 増改築を制限する旨の借地条件がある場合において,土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは,裁判所は,『  』の申立てにより,その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

8) 存続期間を50年以上として借地権を設定する場合には,契約の更新がない等の特約をすることができるが,この場合,その特約は,『  』によってしなければならない。

9) 借地権を設定する場合においては,当該借地権を消滅させるため,その設定後『  』年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。

(正解はこちら ^o^)
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1) 借地権とは,『建物』の所有を目的とする『地上』権又は土地の『賃借』権をいう。

2) 当事者が借地契約を更新する場合においては,その期間は,更新の日から『10』年(借地権の設定後の最初の更新にあっては,『20』年)とする。ただし,当事者がこれより『長い』期間を定めたときは,その期間とする。

3) 借地権の存続期間が満了する場合において,借地権者が契約の更新を請求したときは,『建物』がある場合に限り,当事者間の合意がなくても,従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。

4) 借地権の存続期間が満了した場合において,契約の更新がないときは,借地権者は,借地権設定者に対し,建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができ『る』

5) 借地権は,その登記がなくても,土地の上に借地権者が『登記』されている建物を所有するときは,これをもって第三者に対抗することができる。

6) 地代が,近傍類似の土地の地代に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,『当事者』は,『将来』に向かって地代の額の増減を請求することができる。

7) 増改築を制限する旨の借地条件がある場合において,土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは,裁判所は,『借地権者』の申立てにより,その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

8) 存続期間を50年以上として借地権を設定する場合には,契約の更新がない等の特約をすることができるが,この場合,その特約は,『書面』によってしなければならない。

9) 借地権を設定する場合においては,当該借地権を消滅させるため,その設定後『30』年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。

(今回の穴埋め…オワリ!)






【制作・著作】
たっけんコム(http://www.takken.com/)代表 保坂つとむ

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