個人ブログに「私事」を書くのは当たり前で、
何をわざわざ断るのか、と感じた方もいるだろう。
とにかく一通り読んでいただきたい。
5月19日(火)、土木事務所の方が5人そろって我が家に来られて、
県道の拡幅に関する用地交渉が始まった。
ウチの前は、主要地方道砺波福光線、県道20号で、
かつて市内では、国道156号線に次いで交通量の多い道であった。
すでに多くの区間が4車線に拡幅されているのだが、
用地交渉に応じない不在地主がいたりして、工事が後回しにされてきた。
地元に詳しい方ならご存知の通り、
拡幅済みの九本杉地内から車線が狭まり、広上町南の三叉路まで、
浦之島地内約400m、西側が歩道もないまま、50年ほぼ変わっていない。
うちの子らは、ここを通って小学校に通った。
誰かが交通事故で死なない限り拡幅はないかもといわれ、
実際に、若者が交通事故で亡くなったりもした。
地元念願の待ちに待った拡幅でもあり、
建物のない水田などは、買収どころか、すでに昨年度の予算で土木工事に入っている。
我が家は、たぶん最後の用地交渉で、
唯一、今年度予算となったものだろうと思われる。
3年前に親父がなくなって、不動産はすべて私が相続した。
昨年度までに私の収入や敷地の現況の調査は終わっている。
あれこれ知恵を授けてくれる人はいたが、
車庫や作業場を、タダで壊せとはいわないだろう、
いったいどんな話がされるものか、何の予断も持たずに職員さんをお迎えした。
うかがった要点は、以下のようなものである。
1.道路にかかる用地は150㎡、この工区の宅地買収は31,000円/㎡
460万円ほどの「土地代金」が、課税免除で支払われる。
(元は160坪ほどの土地だったので、残りは380㎡となる)
2.建築物は、解体しての移築が必要になるので、「移転料」として補償される。
別の敷地に、同様の建物を建てることを基本とした、「構外再築工法」という計算方法で、解体処分費を含めた金額が課税免除で支払われる(もちろん経年劣化は考慮される)
また、木造の住宅と鉄骨の作業場が一体として使われており、道路用地のかからない木造住宅部分も、構外再築の対象となる。
3.機械や舗装など、工作物の移転料、立木の補償金も、原則課税免除
4.別途家具の移転運搬費、建築確認申請や、設計工事管理等業務報酬などは「通常損失補償」として、領収証がなければ課税対象収入となる。
5.構外再築工法での計算のため、同じところに新しく建てるとしても、「仮住まい」や「休業」はないものとされ、その補償はない。
金額的には、なんといっても「2.」の「建物移転料」が大きく、「1.」に書いた「土地代金」とはケタが違う。
鉄骨のボロの作業場(5間×6間=30坪が二棟)でも、解体処分費と再築費に、同じく900万以上が計上されている。
さらに木造の住宅には、それを超える補償がある。
作業場は昭和44年から順次増築され、古いところは50年を過ぎている。
住宅は建物としては最も新しいが、昭和60年に建てたもので、これも築35年、改装はしたが、耐用年数を超えている。
こちらから見れば、これらの「建て直し」を、公費でしてくれるということである。
ありがたい話である。
家に道路がかかった人たちが、「御殿」を建てる、というのは、こういうからくりだったのだ。
税金のかからないお金が千万円単位で転がり込むとは、
宝くじに当たったようなものである。
スケジュールとしては、この夏の間に契約すれば、
総費用の7割が、1か月後に支払われるという。
1年半後、2022年3月末までの「更地での土地引き渡し」が条件で、
その際に残金が支払われる。
今日までの2週間で、
「他の用地を求めての移転はせず、この場所の、残った土地で、仕事も生活も営む」
「基本的に現状のものは解体、作業場と住居と一体となった建物を新築する」
という方針を、家族で決めた。
私も来年は還暦で、家具製造業を継ぐものもいない。
全体に規模を縮小して、こざっぱりした住居兼作業場を、というようなつもりである。
我が家、わが作業場のことは、究極「私事・わたくしごと」ではあるが、
今回は、公費の支出を得て、公の道路を充実させるための工事である。
ほぼ「公事・おおやけごと」でもあろうと思っている。
提示をいただいた日付をとって、「519事件」というテーマ(書庫)を作った。
突然にして始まった、「人生の一大事」
そのあれこれをここに順次報告するので、ご意見や提案のある方、
オンライン・オフラインどちらでも、ご連絡いただければ、と思う。
(ただし、業界に知り合いが多いので、単純な営業はお断りさせていただく)
この話の続きはこちら