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「弥次喜多珍道中」 レビュー (ファミコン)

2019-06-07 21:00:28 | ファミコンレビュー
分かりやすくタイトルを一部省いたが
正確には「御存知 弥次喜多珍道中」
御存知でしたか?

コマンド選択式アドベンチャー
HAL研究所から発売
1989年11月17日発売

あらすじ

『弥次郎兵衛』が長屋で幼馴染の『おはる』と喧嘩をして(原因不明)
お伊勢参りをする事にした。(急だな)
その『弥次郎兵衛』通りがかりに『喜多八』がいたので
半ば強引に自分のお伊勢参りに付き合わせる事にした。

2人の道中はいかに?

『おはる』はそんな『弥次郎兵衛』の後についていくことにした。

箱&取説付を購入したので
取説内の登場人物。





箱絵とは違う絵師なんだろうけど
何か残念。


特徴

このゲームに
独自システムや本作唯一と言えるようなものはない。

パスワードコンテニューが可能。
本作は「ぱあと(PART)」という風に章構成であるが
章の最初でパスワードが表示される訳ではない。
セレクトボタン押したり、コマンドでパスワードに関するものがあるわけではない。

各地方にある『飯屋』にいる『松尾芭蕉』と話す事で
『復活の俳句』というものを聞く事が出来る。
それがパスワードである。


操作方法
十字キー:カーソル移動
Aボタン:決定
Bボタン:キャンセル


得点は50点

良い点
・作りが丁寧


悪い点
・特になし


良い点の解説
・作りが丁寧

 話はとっつきやすく演出も悪くはない。
 


悪い点は特にない。
システムとか操作性だとかおかしなこともないし
ストーリー自体も破綻するような事もなってないし…
不満はない。
たださ…
ハッキリ言って『地味』なんだよね。
ファミコンのアドベンチャー系ってのは大きく分けて主に3つぐらいか…

①探偵もの。
殺人事件の犯人を探るというようなもの。
例としては
ポートピア連続殺人事件」「オホーツクに消ゆ」「ファミコン探偵倶楽部」「探偵 神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件

②は冒険もの。
敵を倒すなど目的があって旅をするようなもの。
例としては
「新・鬼ヶ島」「リップルアイランド」「サラダの国のトマト姫」「えりかとさとるの夢冒険

③はギャグもの。
ギャグが主体でそれぞれ独自の目的があるもの。
例としては
「アイドル八犬伝」「東方見聞録」「おそ松くん


③に関しては①と②の組み合わせもあるか…
さんまの名探偵」なんかは探偵ものであるしギャグがあったりするし


本作はギャグ物に位置するんだけども
そんなぶっ飛んだ事をやっている訳でもないしな。
しかも痴話喧嘩の勢いでお伊勢参りって…
何やねんその動機と目的は。

それに、アドベンチャー物にたまにあるようなお色気的サービス要素もない。

最終的に『地味』とか『印象に残らない』って評価になるんだよな…

各地を出歩いている際に現代的な設定などを織り交ぜていて独自のセンスは出ているんだけど
時代劇をベースにしているからその他のぶっ飛んだファミコンアドベンチャーと比べると
印象は薄い。

「御存知」ってあるけど発売当時『弥次喜多』コンビって誰でも知っていたもんなの?
まぁ…みんな知っているのなら売れたんだろうから
本作はマイナーな部類だからそれを表していることだろう。


あ…
画面下部に出る顔アイコンだけど、
女子キャラがあんま可愛くないのがな…
実に残念。
釣り目かジト目しかないもん。
『おはる』はジト目。

ただ、中央に出てくるときは『おはる』は可愛い。

PS)パッケージなどには書かれてないが
 ゲームタイトルに

「必殺
 天下御免の暴れん坊町人
 東海道五十三次を斬る!」

という副題がある。
斬るは東海道五十三次を通るって意味だろうけど
ゲームで「東海道五十三次」って出ているから
それをライバル視しているようにも思えなくもない。
ただ、ゲーム的知名度は「東海道五十三次」の方が上だろう。
「御存知」などと言っているこちらの立場がねぇな(苦笑)



しかし、この顔で長屋のアイドルなのか…
ほうれん線見えてるぞ。

ここからがネタバレ






















中盤でタバコ吹かしまくる「神宮寺三郎」みたいな奴が出ていたっけ。



最終章では『おはる』が急に『のぶなが』に捕まり、助けに行く事になる。
それで若干のマルチエンディングになる。

最終的なエンディングは2種ある。

それまでの過程が4種あり、上記エンディングの2種につながる。

過程その1
 最終章、京都に着くと霧に阻まれ『喜多八』が通れない。
 そこで3種の神器を全て投げ込むと通れるようになる。

 それからアイテムをもらいつつ進めていく…
 (中身は割愛、攻略サイトを見てね)
 
 二条城城内に入り即座に扉に入る。
 『信長』の亡霊と戦うがどうにもならず危機が迫る。
 そこで『おはる』が牢屋から自ら脱出する。
 (劇中の漢字変換でお送りします)

 信長「むむっ? 小娘、どうやって 閉じ込めておいた
    牢を抜け出した?」

 おはる「何 言ってんのよ!恋に燃える 
     乙女の パワーを なめちゃいけないわよっ!」


 信長「小賢しいことを! まとめて 葬ってくれるわ!」

 おはる「そんな事 させるもんですかっ!
     あんたの 野望なんかの為に、戦さが 起こるのなんて
     まっぴらよ!

     あんたなんか、あんたなんか 消えちゃいなさーーいっ!!」

 信長「な、何だ この 強烈なオーラは!
    普通の 人間に こんな オーラが出せるのか?」

 おはる「愛の力は 偉大なのよっ!」

 信長「うぎゃああっ!
    我が思い 遂に果たせず…
    無念じゃ…」


 って訳で『おはる』が『信長』を倒すのである。


 エンディングAルート


過程その2
 最終章、京都に着くと霧に阻まれ『喜多八』が通れない。
 そこで3種の神器を全て投げ込むと通れるようになる。

 それからアイテムをもらいつつ進めていく…
 (中身は割愛、攻略サイトを見てね)
 
 二条城城内に入り牢屋に行くと『おはる』がぐったりしている。
 ただ、何もすることはできない。

 戻って、『信長』と戦って
 最終的に持っていた『さじ』を投げる事で
 『信長』の弱点を突く形となり勝利。

 エンディングBルート
  

過程その3
 最終章、京都に着くと霧に阻まれ『喜多八』が通れない。
 そこで

 「やたのかがみ」か「やさかにのたま」

 を渡すと『喜多八』も通れるよって京都に乗り込む。
 二条城内に入ると『信長』がいる扉が開かない。
 『やさかにのたま』を使うと扉が開いて『信長』を戦う事が出来るが
 力が強く倒せない。
 地下に行き、奇妙なホトトギスがいてそいつに話しかけると
 そこにある穴が『信長』に力を与えていることを知る。
 穴を「やたのかがみ」を使うと穴が塞がれる。

 再び『信長』に再戦し、「くさなぎの剣」を使う事で
 『信長』を倒す事が出来る。

 エンディングBルート


過程その4

 最終章、京都に着くと霧に阻まれ『喜多八』が通れない。 
 何度か話しかけると

 「『弥次』さんだけで行ってくれ」

 と、『喜多八』が言うので単独で京都に乗り込む。
 京都内にいる人々話しかけて

 北にいる『いしだ』に『やたのかがみ』と『たいのおふだ』
 西にいる『たんご』に『くさなぎのつるぎ』と『ききょうのおふだ』
 南にいる『なぞのわかもの』に『やさかにのたま』と『ひょうたんのおふだ』
 
 それぞれに物々交換する。

 城内の地下にいるとホトトギスからは話していると『あおいおふだ』をもらえる。

 そして『信長』とご対面
 指示された順番通りにお札を使う。

 『ききょう』→『ひょうたん』→『あおい』→『たい』

 の順に使うと一件落着となる。

 エンディングBルート
 

 詳しく言うと

 『ききょう』のお札で『明智光秀』の亡霊が現れ、
 『信長』を倒すのだが
 『光秀』が「私が信長に代わって!」と言い出す。
 
 そこで
 『ひょうたん』のお札で『豊臣秀吉』の亡霊が現れ
 『光秀』を倒すのだが
 『秀吉』は「私が光秀に代わって!」と言い出すので

 そこで
 『あおい』のお札で『徳川家康』の亡霊が現れ
 『秀吉』を倒すのだが
 『家康』は「私が秀吉に代わって!」と言い出すので

 『たい』のお札を使うと
 『家康』好物の鯛の天ぷらを食べ、食中毒ですべて消滅。

 という運びである。
 ちなみに、お札使用を誤ると使用すると

 エンディングAルートになる。



 さてエンディングの2つのルートであるが…


 Aルート

  グルグル回る『おはる』の後

  喜多「あっ、弥次さん、お春ちゃん!」

  弥次「おう 喜多さん!魔物は 退治したぜ。」

  喜多「そうかい、良かったねえ…」

  おはる「ね、喜多さん、お願いだから
      ちょっと 気を 利かせてくれない?」

  喜多「あっごめんごめん!
     こいつは おいらが 間抜けだったよ。
     じゃあ、弥次さん、おいらは
     ちょっと 消えるからね」

  弥次「おい、喜多さん、別に 構いやしねえから…
     と、いっちまったい…」

  おはる「さーて 弥次さん!二人っきりになれた 事だし、
     これから ゆっくり デートでも しましょ?」

  「『はい』
   『いいえ』」

   が選べるが…『いいえ』を選んでも

  弥次「何 言ってやがんでいっ!
     女の いう事なんかを へこへこ聞くような
     弥次さんだと…」

  おはる「何 言ってんのよ!」

  弥次「いててっ!こいつは 効くなあ…」

  「『はい』
   『はい』」

  の2択になり、

  弥次「分かったよ、どこにでも おめえの
     好きなとこに 付き合ってやらあ!」

  おはる「わあ 嬉しい!
      ねえ、弥次さん、新婚旅行には
      また この 思い出の場所に来ましょうねっ!」

 スタッフロール

  おはる「弥次さーん、私 西陣織の 帯が欲しいの!」

  弥次「わーったよ、こんちくちょう!
     今日も京都は日本晴れでいっ!」

  おはる「あーら 弥次さん、もう日が 暮れるわよ!」
  デートの際に「西陣織の帯」を買わされるというかかあ天下的エンディング。

  

  完



 Bルート
  『弥次郎兵衛』と『喜多八』と『おはる』の3人

  弥次「なあに、あたぼうよ!この 弥次さんに
     かかりゃ 信長の 一匹や 二匹ぐれえ、
     朝飯前よ!」

  喜多「じゃ おいらは 気を利かせて、
     ちょっと いなくなるからね。」

  弥次「おい、喜多さん、そいつは どういうこったい?
     喜多さん、おい!

     … …」

  おはる「…あは、あはははっ。
      喜多さんったら やーね。
      気を利かして、だなんて…」

  弥次「何 言ってんでい!おめえが お江戸で
     じっとしてりゃあ 信長 なんぞに
     捕まる事も なかったんでい。分かってんのか!」

  おはる「…はーい。ごめんなさい…」

  弥次「まあ わかりゃ いいって事よ。
     しかし、また 危なっかしい事に
     巻き込まれるのは 面倒だからよ、

     その…まあ、なんだ、おめえの
     面倒は 俺が 見る事に
     しちまって いいな?」

  おはる「弥次さん!」


  スタッフロール

  弥次「今日も…
      日本は 日本晴れでいっ!」


  完


AとB、両ルート共に、エンディング後にクイズがあり
全8問で7点以上取るとサウンドモードになる。
(ちなみに最終問題のみ5点もらえる)

サウンドモードは任意に聞く事は出来ず順番に聴くしかない。
 


さて、エンディングはA&Bルート
共通してぐるぐる回る『おはる』を必ず見る事になる。
ただ、大きく、角度の描写も多く可愛らしく力の入れようを伺わせる。

しかし、エンディングAルートのご都合主義とはいえ乙女のパワー凄すぎ。
「ドラゴンクエスト」で言ったら、ラスボス戦で瀕死になった途端に
突如『ローラ』姫が現れて『竜王』撃破するぐらいの無茶苦茶ぶりだろ。 

まぁ…
かかあ天下は避けられないが
これと言って不幸さは感じないからハッピーエンドで差し支えないだろう。

エンディングBルートの『おはる』は
『弥次』に責められてしっかりと謝っているのがいいね。
こういうのが素直になれない意地っ張りキャラだと

弥次「(略)おめえが お江戸で
   じっとしてりゃあ 信長 なんぞに
   捕まる事も なかったんでい。分かってんのか!」

おはる「はぁ?
    弥次さんが ぶたれたぐらいで 
    伊勢参りするなんか言い出したのが原因じゃないの!」

弥次「何だとおめえ!」
おはる「何よぉ!」

こんな展開になってしまって収拾がつかない。(苦笑)
いや、それはそれで、続きがありそうとか『喜多』さん辺りが

喜多「喧嘩するほど仲がいいという事で…」

なんて締め方をするのもありだろうけど。

おっと妄想垂れ流していてもレビューも終わらないからそろそろ締めよう。
A&Bのエンディング共に
ラブラブな『やじはる』物語って事で…
御馳走さんでした。


ってな訳でエンディングを紹介した訳だが…
『髭人』はこのソフトを手に取るまで存在を知らなかった。
だから、今の髭人と昔の髭人とでは認識が異なる。


今髭人「なぁ…
 昔の俺、『弥次喜多』って知ってる?」
昔髭人「?
 弥次さん喜多さんってのは聞いた事はあるが内容は知らん」
今髭人「じゃぁ、『御存知 弥次喜多珍道中』ってファミコンソフトは?」
昔髭人「は?何それ?初耳。
 そんなのあるの?」
今髭人「あまり世間的に御存知ないのが『御存知 弥次喜多珍道中』という皮肉」


チーン…





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