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「して、ナオ、奈緒ちゃんの他の条件とはなんじゃ?」

ナオはそのショックから立ち直る為に何とか理性を精一杯働かせて、一息吐いてから続きを述べ始めた。

「・・・そう、ここからは政治のお話しになるわ。」

「ふむ、現実的な条件と言う事じゃな?」

「そう、大叔父さんにとってかなりキツイ条件よ。それでも良い?」

「うむ・・・構わん、続けてくれ。」

「解った。じゃあ、第二の条件。」

「うむ。」

客間の全員が事の成り行きを固唾を呑んで見守る。

「大叔父さんが民自党からぶっこ抜いて来た、他派閥だった参議院議員の全てを奈緒が起ち上げる派閥に渡す事。」

「な・・・全てをか?」

「そう、全員。」

「いや・・・しかし・・・それは・・・党内の参議院議員の2/3になるでは無いか!」

「そうね・・・大叔父さんの所が9人、竹上さんの所が19人、それ以外だから41人ね。」

「待て・・・そうなると今回の衆議院の議員数がワシの派閥が96、竹上の所が74、吉原の所が20、奈緒ちゃんが58と威信に貸している党籍が50で108・・・・。

・・・まさに実権を渡せと言う意味に聞こえるぞ?」

「う~ん・・・大叔父さんには申し訳ないけど、そう云う事なのよねぇ。奈緒が出した条件は。」

「・・・・それはワシに引退しろとでも言っておるのか?」

「ううん、そうじゃないわ。この後の条件にも関わって来るんだけど・・・。」

「な、何?まだ有るのか?」

「あるわよ。だから大叔父さん、良いの?って何回も聞いたじゃない。」

「うっ・・・・・しかし・・・・」

「嫌ならやめちゃえば?私もちょっと面倒くさそうだし、無しにするならそれはそれで良いから。」

「いや・・・それは最悪じゃ。しかし・・・・いや、ナオ、全部話してくれ。それから判断する事にする。」

「ふ~ん・・・まあ良いけど・・・大叔父さん、卒倒しないでね。」

「うっ・・・・・そんなに厳しいのか?」

「それは大叔父さんの考え方次第じゃないかしら。」

「・・・まあ、良い。続けてくれ。」

「じゃあ、第三の条件。」

「うむ・・・。」

「党内の事は竹上さんに任せる事。」

「な!!!竹上じゃと?・・・まさか奈緒ちゃんは既に竹上を抱き込んでおるとでも言うのか?」

「さあ?それは私に聞かれても解んないわよ。これは奈緒が出した条件なんだから。」

「うっ!・・・感じてはおったのじゃ。ワシは虎の子を招き入れたのでは無いかとな・・・・

しかし、この短期間で・・・しかしまさかあの可愛いだけだったの奈緒ちゃんがそこまで・・・。」

「大叔父さん、続ける?」

「はあ?まだ有るのか~。」

「あるわよ~。どうする?」

大叔父の慌てぶりにナオも少し楽しくなって来た。

「う・・・続けてくれ・・・・。」

「第四の条件。奈緒が立てた政策の邪魔は絶対にしない事。」

「あ、ふむ。それは別に構わん。ワシだってこの国を良くする政策は大いにやるべきだと思う。」

「でも大叔父さん、奈緒の政策だとパンダハガーの大叔父さんの利権の大部分がそれの標的になりそうだけど良いの?」

「うむ・・・それは致し方あるまい。利権なぞいくらでも探せるわ。政治とはそう云うもんじゃ。」

「ふ~ん・・・さすが老獪な大叔父さんだわ。」

「クッ・・・嫌味にしか聞こえんわい。」

「ふふふ・・・。嫌味だもん。ふふふ・・・。」

「クッ・・・口の減らん娘じゃ。」

「あ!また上から目線!」

「くぅ~・・・解った、解った。もう終わりですかお嬢様?」

「残念、まだあるわよ~。」

二階堂の顔色がドンドン蒼白になり始めている。



続く