黒いペンダントから

 放散される

 豪の怒りの電流が

 堂島の手のひらに

 痛みを与えた。
 畜生!畜生!!

 ここから出せええええええええええええええええええ!!
 今豪は不思議な空間に

 閉じ込められている。

 どこにも何もない世界だ。
 豪の怒りと憎しみの

 強烈な波動が

 堂島に伝わったが、
 堂島は黒い魂を

 封印したペンダントを

 強く握って抑えると

 豪の魂は眠って

 静かになった。
 救急車のサイレンが

 聞こえてきて、

 堂島はもう何も言わずに

 ペンダントを握ったままで
 その場を去った。
 救急車がやって来て、

 倒れている「自分」が

 運ばれるのに

 一成は付き添った。

 そうして千堂の実家に

 連絡を入れ、

 千堂の両親は
 精神病院を

 抜け出した息子が、

 意識不明の重体に

 なったと知らされて

 激しく慟哭する。
「一成!!一成ー!!!」
 母は名前を叫び続け、

 父は口を引き結び

 泣き声を

 漏らさぬようにしたが、
 流れる涙を

 抑えられなかった。

 

 

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