ミナトなら

 合鍵を持っている。

 捨てていなかったのか?
「ミナト

 お前帰ったのか?!」
 ゆづるは靴を

 脱ぎすて、

 飛ぶように床に

 上がって部屋に

 急いだ。
 リビングのローテーブルには

 たくさんの料理が

 並んでいる。
 ミナトの姿を探して

 キッチンに行くと、

 背の低い少年が

 料理を作っている。
 …やはり高坂順だ。

 ミナトであるはずもない。

 しかし、

 ゆづるは相当失望した。
「おまえ…

 何をやってるんだっ順!!!」
 ゆづるは失望感と、

 騙された気分と、

 勝手に家に

 入った上に

 料理を作るという順の
  異常な行為に

 腹を立て怒鳴った。
 キッチンで野菜を

 切っていた順は

 ゆづるの怒鳴り声に

 驚いて一瞬

 びくんっと肩が上がった。
「……。」
 俯くようにして

 動かない順にゆづるは

 ダイニングテーブルを

 強く叩いて呼んだ。
「おい順!!

 ちゃんとこっちを向けよ!!」
 順は包丁を置いて、

 振り向き、

 なんとか笑顔を

 浮かべてみせた。
 

 

 

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