そしてまた

 手を挙げたゆづるに

 順はもう一度

 殴られるのかと

 怯えて顔を両手で

 隠したが
 ゆづるは言いながら

 順の背中側に

 回って肩を叩くように

 押した。

「ほら帰れよ!さっさと歩けよ!」

 しかし順は

 振り返ってゆづるに

 手を回してきた。
「嫌だあ、嫌あああ!

 ぼくは今日ゆづるさんに

 抱いてもらうまで

 ここを出ません!
 絶対に今日だけは

 ここを出ません!」
「いい加減にしろ!

 俺をこれ以上

 怒らすんじゃない!!!」
 順が抵抗してゆづるに

 抱き着いてくるので、

 その順の体ごと

 動かして

 追い出そうとした。
 すると今度は順は

 その場に腰を

 下ろすように

 屈んで出ていかない

 意志を現す。
「このっ!!!」
「ぼくを抱いてください!

 ぼくを愛してください!」
 順は泣きながら

 喚き、顔を

 左右に激しく振る。
 ゆづるは順の

 両腕を掴んで

 キッチンから力ずくで

 リビングに引きずった。
 

 

 

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