「俺と妻は

 沢村さんの映画が

 好きでね。

 映画館がある

 街まで二人で

 見に行ったんだよ。
 沢村さんの映画を

 見た後に妻に

 プロポーズしたから

 思い出が深いんだ。
 だから沢村さんから

 手紙が来た時は

 本当に驚いたよ。

 北海道には

 大きな牧場が

 たくさん他にあるのに
 なんでうちみたいな

 小さな牧場で

 働きたかったんですか?」

 尋ねられた

 答えではなく

 ゆづるはちょっと

 別のお願いをした。
「沢村さんじゃなく

 今日から

 ゆづるでいいです。

 沢村の名前は

 捨てました。
 俺と冬子ちゃんは

 短い間ですが

 夫婦になったから

 俺もお義父さんって

 呼ばせてもらえませんか?
「いや、なんだか照れるね。」

 でも牧場主は

 嬉しそうな顔だ。
「…俺が

 ここに来た理由は

 俺の親友です。

 この牧場の景色の

 すばらしさ、

 家族の人柄の良さ
 何より牛乳が

 濃くて忘れられない

 味だって言って。

 大人になったら

 住み込みで

 働かせてもらって
 いずれ自分の牧場を

 持ちたいって

 あいつが言ってました。」
 

 

 

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