牧場主は

 ゆづるの話の

 内容で誰の事かを

 すぐに理解した。
「冬馬君か!

 そうだったのか!

 冬馬君の縁で…。

 ありがたい…

 本当にありがたい。」
 そういわれて

 ゆづるの声音が

 弾んだ。
「冬馬の事を覚えてて

 くれたんですか?!」
「ああ、俺が牧場で

 働き始めた頃に

 初めて会って

 3回は牧場に

 来てくれた。
 可愛い子で、

 なつっこかった。
 年賀状も毎年くれた。

 毎年毎年

 大人になったら

 うちで働きたいって

 書いてあった。
 嬉しかったね。

 うちみたいな所を

 好きになってくれて。

 事故の知らせを聞いて
 俺も両親も泣いたよ。

 一緒に働こうって

 みんな決めてたから。

 あんなにいい子は

 いなかった。
 妻にも話して教えて、

 妻が冬子の名前を

 決めるとき、

 穢れない雪の景色を
 あらわすのに冬馬って

 いいねって言って、

 冬の文字で冬子に

 決めてきたんだ。」
 

 

 

 

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