安堵感と満足感。

 かつて芸能界で

 大成功を納め、

 たくさんの賞を取り、

 ファンからの
 賞賛に酔ったが、

 今感じる充足感を

 感じたことはない。

 いつも心の中が

 寂しかった。
 あんなに渇望した

 芸能界の輝きに

 照らされても、

 心の中に穴が

 開いていた。
 今、その穴は

 冬馬の贈り物で

 満たされた。

 冬馬がくれた贈り物、

 ゆづるの家族だ。
 ゆづるは目を閉じ

 少し眠った。

 その表情は

 穏やかなものだ。
 しかし家がもう

 見えそうになると

 牧場主は急に

 トラックを止めた。

 深く眠って

 いなかったゆづるは

 急停車の振動で

 ハッと目を開けた。

 何故か牧場主が

 もうすぐ見えてくる

 家の方向を

 怯えた顔で見ている。
「沢村さ…ゆづるさん、

 実はまだ問題が残ってる。」
 牧場主の顔色が

 暗くなって、

 何事かとゆづるも

 怪訝な顔で問い返した。
「なんですか?」
「冬子はあんたのことを

 何も知らない。」
「え?」

 

 

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