冬子はゆづるが

 何か嫌な話を

 するような気がして

 心臓が

 ドキドキしてきた。
 ゆづるは冬子の

 手を握り、

 その手をゆづるの

 頬に引っ張り寄せる。
「俺は子供の頃から

 大人に利用されて

 成長した。

 憎しみや悔しさで

 いつも腹の中で

 怒っていた。
 そのせいで…

 怒りで自分を

 失う性格になった。

 俺は誰も信じられず、

 俺に愛情を

 注ごうとした
 人まで疎み、憎んだ。

 俺は…

 その人を殺したんだ。」
 冬子は、

 聞き間違えたかと

 思ったが、

 尋ね直すのが

 怖くて黙っていた。
 ゆづるは高坂順が

 ゆづるの住む

 マンションに勝手に

 入り込んでいたあの日、

 部屋の掃除や
 料理など、

 精神的に異常な

 状況だったのを

 気味悪く思い、

 すがり付く順を

 嫌悪と憎悪で
 刺殺してしまった情景を

 目に浮かべた。
 

 

 

 

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