冬子が違う

 解釈をしても、

 ゆづるは話を

 進めるしかなかった。
「君に光を与えられると

 気づいて俺は

 救われた。

 俺の人生は

 汚いものだ。

 でも君の目になれば、
 君が見る

 新しい世界を俺も

 見れるんだ。」
 途中から意味が

 分からなくなって

 呆けたような顔を

 冬子はしている。
 何を言っているの?

 …冬子は尋ねた

 かったがまた嫌な

 予感がして言葉が

 出ない。
「本当は死刑でも

 おかしくなかった俺なんだ。

 だから俺は
 がんの余命宣告を

 受けた時、

 やっと終わると

 思って心から安堵した。

 死ねると思った
 俺は本当に

 ホッとしてしまった。

 それは重い荷物を

 下せる気持ちだったから。」
 冬子は頭を左右に

 振っている。

 その目から

 どんどん涙が溢れて

 流れ出した。
 

 

 

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