ゆづるの死から5年後。
 初夏の牧場。

 森も草原も

 鮮やかな緑で美しい。

 牧場主の家は

 少しだけ増築されて
 大きくなっていた。

 冬子の部屋で、

 目覚ましが鳴り、

 冬子は無意識で

 一度切って、再度
 寝てしまった。

 それから40分程して

 冬子は大慌てで

 起き上がった。
「やだ、また寝過ごした!!!」
 ベッドから

 飛び起きると、しかし

 冬子はまずは

 大きな鏡の前に走って

 鏡に映る自分に
 挨拶した。
「おはようゆづる。」
 鏡の中の

 ゆづるの目に

 挨拶すると鏡の下に

 置いてある

 写真立てを持ち上げ、
 ゆづるの写真に

 キスをした。
 その写真は

 俳優時代のゆづるの

 雑誌から加工した

 写真だ。
 役者の頃の

 美形なゆづるの写真は

 ゆづるの支援者たちから

 冬子に贈られたものだ。
 

 

 

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