「うーん、でも東京ってのがね・・・。私はやっぱり地元の大学がいいんだけどな」
「気になってたけど、お前こっち来てからずっと東京弁やん。ホントは東京行きたいんとちゃう?」
「裕美さんの前だからそう言ってるの。家帰ったらいつもの関西弁になるって。進学のことは、ま、おかんとおとんに相談してから決める。そうそう、裕美さんのお兄さんの智さんも明日来るって」
「そっか。あの人ってええ人やで。俺のこと気に入ってもらってるしハンサムやし、あれで彼女おらんのが不思議な人や」
「裕美さん智さんのこと暗いって言ってたけどホント?」
「そんなことない。明るくもないけど暗くもない、ええ人。これからはいろいろ就職のこととか相談したい思てる」
「彼女いないんだってね。私立候補しようかな?」
「お前が!?ええけど多分相手にしてもらえんと思う。お前とは七つも年離れてるんやで。子供にしか思えんやろ。でも、ま、試してみたら?智さんにもお前にも今はお互い相手おらんしな」
「うん、頑張る。もし上手く行けたら東京目指すかもね」
「どーせ大学入ってもテニス続けるお前には男と付き合う時間なんてないやろ。智さんも仕事で毎日帰ってくるの遅いみたいやしお互い時間取れんと思うけどな」
「もー、おにいって今でも否定的なことしか考えられないの?智さんがハンサムだったらそれで十分なの。まずはどんな人か会ってみないとね」そのままお茶もらって部屋に戻った。裕美さんもピグ始めてた。
「ただいま、裕美さん。お茶どうぞ」
「お帰りなさい。アリガトね」
「裕美さん、ピグでチャットでもしましょうよ」
「そうだね。もうすぐ終わるから始めようか」
「俺も仲間に入れてや。やっとピグ出来る。長かったわ」
「ご苦労様でした。鮫君も入って3人でやりましょうか」
「はいはい。でも私文字打ち遅いからついていけるかなぁ」
「別に急いでどうこうする必要ないからゆっくりやってけばええって」
「じゃ始めましょう」どこがいいのか分かんなかったけど、おにいがお風呂場って言ったので3人仲良く『お風呂でほっこり広場01』に行った。私は初めて行く場所なのでヒワイなとこかと思っていたが、全然そんなことはなく服着たままでそのままお風呂に入るような場所だった。でも混浴。そこで他愛のない会話して過した。もー、おにいったら裕美さんとばっかし会話して私のことテンで無視してる。あーウザイなぁ。裕美さんはおにいだけの人じゃないのに。そんな感じでネットカフェでのひとときも終わった。
次は居酒屋か。そう言えばお昼食べないままネットカフェで過してたんだ。原宿から歩き尽くめだったのでネットカフェで休めたのは良かったけどそろそろお腹が空いてきた。
「16時40分。そろそろお腹空いてきた」私。
「お、もうそんな時間か。ネットカフェ来たのはええけど、結局ほとんど喋ってばっかりやったな。そろそろ出るか」おにい。
(続く)