応援家インタビュー 横山英子さん第9回「地産地消のエネルギー2 理念は『根帯(こんたい)』です」 | みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKA

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生命礼賛をテーマに彫刻を創作。得意な素材は石、亜鉛版。
クライアントに寄り添ったオーダー制作多数。主なクライアントは医療者・経営者。
育児休暇中の2011年よりブログで作家紹介を開始。それを出版するのが夢。指針は「自分の人生で試みる!」

みんなの学び場美術館 館長 IKUKO KUSAKAです。

今日から素敵なインタビューをお届けします。

 

あとりえ横山会長で、Date fm「がんばろう宮城 希望のラジオ」パーソナリティー等々、多彩な活動で、文化・芸術を応援されている、横山英子さんです。

 

横山英子さん

 

 

横山英子さんは、宮城県第一女子高等学校(現・宮城県第一高等学校)の先輩です。芸術文化、東日本大震災以前から、以降はより一層、東北を大切に思い、様々な分野を縦横無尽にリード、応援されている、とても尊敬する女性です。

今年4月に横山さんのラジオにゲスト出演させていただいたのを機に、私もその横山先輩を見習いたいと思い、横山先輩の人となり、ご活動を根掘り葉掘り!インタビューさせていただきました。

第8〜11回は、地産地消のエネルギーと題して、横山英子さんとご主人でサステイナブルエネルギー開発株式会社の代表取締役社長 CEO 光山 昌浩さんを交えたインタビューをお届けします。

 

どうぞお楽しみ下さい。

 

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クサカ

先の光山さんのお話では、地域から出たゴミを石炭と同じような使い方ができるブラックペレットを作ることで、それが燃料として石炭火力発電所で使えるというお話お聴かせいただきました。

また、災害の時に光山さんの会社で開発されたゴミ処理装置を車に積んで被災地に出向くことで、送電線が切れてしまった場所でも、その地域で出るゴミから発電できるというお話でした。

 

光山さん

その一方で、自治体側のニーズとして、人口が減少しているじゃないですか。仙台市はともかくとして、何々郡、何々町というと、今の人口規模でゴミ処理施設を作ったとしても、人口の予想動体で見ると、将来半分の人口になった時に半分の人口で維持できるのか、ということはやっぱり町長さん、村長さんレベルでいうと非常に悩むわけです。そんな中で言うと、ある自治体さんの方にはご提案申し上げているんですが、じゃあ、移動・移設もできる、もっと言うとコミュニティ単位、集落単位で置くことができるようなゴミ処理施設。ゴミから電気ができるような施設を作って、また熱も作って、水道、飲料水もできるような仕組みがあれば、柔軟に対応できるようなものができる、ということが一点。

 

もう一つは、乾いたゴミ、要するに燃えるゴミを処理するのと、さっき申し上げた下水汚泥とか濡れているものって相反するもので、それぞれゴミ焼却施設と下水処理場とか必要だったんですが、これを一つのシステムでできるとすると節約につながるじゃないですか。ということが上手くアピールできて、かなりお引き合いいただいているという状況です。

 

クサカ

はい、素晴らしいですね。

 

横山さん

だから一緒に仕事やりだしてからもいろんなことがあって、国内もそうだし、やってきたことが世の中に必要だということが、どんどん、どんどん際立ってきたという感じ。だから、いろいろ引き合いもあって大変なんですよね。でもやっとそういう風になった。周りが時代にあってきた(笑)

 

クサカ

おめでとうございます!

先輩はなんでも早くて先端でいらっしゃいますよね。

 

横山さん

早いのよね! 何でも早いかというとうちの父もそうでしたが、やっぱりみんなそうだと思っていても、なかなか難しいのよ。みんな保守的だから、なかなか変わらないじゃない。

だからやっぱり20年30年かかるんですよね。

 

うちの父が元々「化石燃料はあと30年でなくなるんだぞ」って言ったのが30年前でした。「この後の世の中どうなるんだ」とよく言っていましたから。それが今、枯渇するわけではないですが、でも、自分達で作らなきゃいけないっていう風になってきていますよね。だからやっと時代が。分かっていてもやれない、その国とか行政とか大企業とかいるわけですよね。

 

それを変えるきっかけというのが、残念ながら、災害があったとか、今回のコロナのように自分達の手では何ともならないようなことが起きた時に、みんながこういう風になるべきだと思っていたことが、爆発するというか、吹き出してくるというかね。それで世の中で変わってくるのかなと思っていますね。

人生まだ五十何年かしか生きてないけど、東日本大震災以上でしょ、今回の世の中の変わり方ってね。

 

光山さん

そうですね。

 

クサカ

局部じゃないですからね。

 

横山さん

全世界だからね。こんな経験って一生に一回あるかないかだと思いますが、今そこにぶち当たっていて、尚更感じますよね。まあ、間違ってなかったということもあるし、一緒にやって下さる方がどんどん増えていくんじゃないかなとすごく感じます。

 

彼がすごいのは、私の所って色んな情報がすごく集まるんです、いろんなことをしているから。

要するに、誰にも注目されてないけどこんな凄い技術があるとか、こんな人がいる、こんなことがあるとか集まってくるわけです。だけどそれって、私のキャバ的にはとってもじゃないけど、それを活かすことなんて考えられることじゃなかったりするんですよね。だけど、今は幸せなことに彼がいるので、今日こんな人に会ったとか、こんなことがあったとか、こういう会社、こういう技術があるんだって、ということを伝えるわけです。そうすると、全部ではないですが、その中のいくつかに注目をして、ちゃんとバトンを渡すとそれをちゃんとやるみたいな関係になっている感じですよね。

 

光山さん

組み合わせですよね。

 

横山さん

だから、今のところ上手くいっています。

 

クサカ

素晴らしいですね

 

横山さん

そういう役割分担というか、人って多面的だから、同じもの同じ人をどこで活かすかって、会う人によって全然違うと思うんです。だから私が同じ人と会っていても、彼に紹介すると全然違うところで反応したりする人なのです。だから、今までは単なる友達として会っていた人が、ビジネスでものすごくつながってきたり、という感じで大変ですが。今までは、ただ飲んでいるだけで良かった人が突然、株主になったとか突然、ビジネスパートナーになったとかって言うと、違う緊張感が出てくるから私的には辛いわけですが、そんな感じです。

 

クサカ

すごいですね。

ホームページも拝見しましたけど、「根帯(こんたい)」というキーワード、素晴らしいなと思いました。

 

横山さん

あれは岡本康平先生という書家の先生に描いていただきました。20年近いお付き合いの方で、私たちが一緒になることが決まって、岡本先生のところにご挨拶に行ったら「誰だ、それは!」と仰って(笑)。

先生が個展を開かれるときに毎年一緒に会うんですが、彼はその岡本先生の作品を見るときの見方が私とは違っていて、先生は彼の方を気に入っちゃって。私が先生に会いに行くと「光山さんは?光山さんは?」と仰るので、私からしたら「先生、誰と会ってるんですか?私じゃないの?」と言うんですけど(笑)。

 

それで先生に「今、世の中で要らないと思われているゴミから資源を作るということをやっているんです。その会社、考えを一言で言うと、どういう言葉、表現がありますか。」ということをご相談したら、あの「根帯」という言葉を書いていただいたんですね。世の中に入らないものなんてないというか、簡単に言うとそういうことなんでしょう。

今度、伝建地区(伝統的建造物群保存地区)の村田町にお店を出すことになってその名前もこの前先生と会って先生と決めてきたのですが「余白」というんです。いいでしょう?

 

クサカ

おお!「余白」、いいですねぇ!

 

横山さん

今回のコロナで、結構、哲学者の方で大切なワードとして「余白」って出てきているんですよね。

結局、食べるため、人並みであるために必要なことと、生きるために必要なことって実はちょっと違いますよね。だからずっと話していますが、人間って食べるものがない時でも、文化や芸術が無くなったら生きていけない、とずっと思っています。それをまさにやってらっしゃる先生だから、実はその意味で「余白」は、無くても成り立ちはするけれど「余白」がなかったら生きていけないわけでしょう。それで「余白」という名前をいただいて、私がやるべき事はこれか、というのを今ここで熟成させているところなんです。

 

光山さん

今日ここに来る前に、宮城県美術館でウィリアム・モリス展を見たんです。本のデザインもされているんですよね。いかに美しい本を作るか、という時に「余白」は結構大事ですね。文字だけワーッと並べてあっても本にならないわけじゃないですか。

 

横山さん

文字そのものもデザインしているでしょう。本は装丁も挿絵も、行間もあって作品、1つの完成品だと思うんですが、今は電子書籍で読めればいいだろう、という感じになっちゃってすごく悲しいですよね。

 

クサカ

そうですね

 

光山さん

美しいバランスってあるんでしょうね。僕は芸術ってよく分からないけど、バランス。黄金比っていうのも美しいんですよね。

 

横山さん

理論的にですよね。人によって心地良いバランスって違いますよね。みんながみんな、100の中で同じものを選ばないと思います。だから、多分私たちも違うもの選ぶと思いますよ。それでいいんですよね。

 

光山さん

うんうん。

 

横山さん

だけど学校の美術の授業とかも今までは「どの構成が1番いいですか?正しいですか?」で、ちゃんと誰もがお手本になるようなのを選ばないとバツだったじゃない。でも今は違うらしいです。アクティブラーニングと言って、生徒たちが考えたことを逆に先生が理解するということで、「これが正しいんですよ」という押付けではない教育に、日本も変わっていかなきゃいけない、という途中なんですかね。

 

光山さん

僕なんか絵心もないし、粘土細工作ったらみんな回収になっちゃったりして実技は全くダメなんですけど、美術は5なんです。どうしてかというとペーパーテストが良かったんです。要は教師が何を意図しているかを読めれば書けるんです。それで5を取れると言うのはどうかとはちょっと思いましたけどね。

 

横山さん

指導要領とか教科書ガイドに書いてある、期待されている答えを書くわけでしょ(笑)。

 

(企画書を見せてくださりながら)村田は、これは元々街づくり会社でやった時の写真ですが、今は使ってないのでここを借りるんです。

 

クサカ

そのお店は先輩が作るんですか。

(横山さんは村田町歴史を活かしたまちづくりアドバイザー、村田町地方創生推進委員会委員もされています。)

 

横山さん

そう。店内はこんな感じで、村田は陶器市をやっているから、出店している陶芸家の作品も一部置いたり、ワークショップしたりできるように考えています。

 

クサカ

そうですか。(資料の中に建築家 横山芳一氏を発見。)あっ、お兄様ですね。

 

横山さん

(隣の写真を指して)これが兄の恩師で、この方がいるから東京駅が残ったんです。というぐらい、国内の古い建造物、近代的な建築物の保存にご尽力されている先生なんです。この先生に、村田地区のアドバイザーになって頂いたから伝建地区に指定されたんです。これからその場所を活かして本当に「余白」を創るということをやります。

 

クサカ

素晴らしいです。

素晴らしいお話をありがとうございました。

 

※「根帯(こんたい)」

https://sustainable-energy.co.jp/vision/

 

 

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■編集後記

 

「根帯(こんたい)」とは「おおもと」にあたるような植物の根や果実の萼である蔕(へた)にあたるものだそうです。そして「余白」。今日はこの二つのキーワードが表す後活動についてお話いただきました。どちらも人間の生活、人間の精神になくてはならないものです。

横山さんの『「余白」は、無くても成り立ちはするけれど「余白」がなかったら生きていけないわけでしょう。それで「余白」という名前をいただいて、私がやるべき事はこれか、というのを今ここで熟成させているところなんです。

という言葉がとても響きました。

 

 

■横山英子さん 経歴

仙台生まれの仙台育ち。祖父が創業した横山芳夫建築設計監理事務所を建築家の兄とともに継承。28歳の時、入会した仙台青年会議所にて仙台七夕花火祭実行委員長、理事長などを務め、東北地区協議会会長・日本青年会議所監事を経て40歳で卒業。その後、シャープドキュメント21ヨシダ副社長執行役員・パワフルジャパン宮城代表取締役・サステイナブルエネルギー開発取締役副社長、ホンモノジャパン代表取締役社長に就任。地域活動としてはNPO法人キューオーエル理事長・街角仕事人くみあい代表・映画「エクレールお菓子放浪記」製作と上映を支える宮城県民の会代表委員・事務局長・映画「じんじん」製作と上映を応援する会代表呼びかけ人・人形アニメ「ちえりとチェリー」宮城県上映推進委員会代表・映画「君の笑顔に会いたくて」製作と上映を支える宮城県民の会代表委員・事務局長・映画「あの日のオルガン」宮城県上映推進委員会代表委員・事務局長などを務めている。2011年8月からは商工会議所被災事業所復興支援プロジェクトマネージャーとして、全国の商工会議所会員企業からいただいた遊休機械や事業再開に必要な設備、OA機器などを東北3県被災事業所へ無償で提供するマッチング事業を行っていたが、2016年3月で任務を終える。震災直後よりセーブザチルドレンジャパンの震災担当理事、復興庁復興推進委員会委員会委員、元気な日本を作る会宮城県支部事務局長として、復興プロジェクトに関わっている。2012年10月より東北公済病院と連携して行っている「医食同源プロジェクト・宮城カルテ食堂」も実業の可能性を模索中。ほかに宮城県村田町まちづくりアドバイザー・松島町景観審議会委員・宮城県屋外広告審議会会長として景観形成と地域経済活性化に取り組んでいる。宮城県亘理町ではショッピングサイト「みんなの亘理」を企画運営し、商品開発や6次化、販売促進、バイオマスメタンガス化発電を核にした循環型社会の形成と地域活性化の実現に向けて活動中。
http://www.yokoyama-design.com/profile.html

 


 

■横山英子さんに関わるWEBページ

 ●あとりえ横山

  http://www.yokoyama-design.com/index.html

 

 ●サステイナブルエネルギー開発

https://sustainable-energy.co.jp/

 

 ●パワフルジャパン宮城

  https://pj-miyagi.jp/company/

 

 ●仙台人図鑑

  https://jinzukan.myjcom.jp/sendai/post/373

 

■光山昌浩さんプロフィール

 https://sustainable-energy.co.jp/profile/

 

 

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