昨日、8月8日は語呂合わせで、”はならび(歯並び)”の日だったらしい((社団)日本臨床矯正歯科医会 制定)。


そういう訳で、今日は歯並びの話、小学生低学年に見られる前歯のことについて記していこう。

小学1年、2年生あたりの子供さんは、上の前歯が生え変わる時期にあたる。
永久歯が生え始めた直後、下のイラストのように前歯間に隙間が見られたり、外側に向かって生えていることがある。



それまで萌出していた乳歯よりも大きい永久歯の様子も相まり、口元の見た目が大きく変わって余計にその歯並びが不正に見られがちになる。
しかしながら、多くの場合、この様相は歯の並びが悪いと心配することはない。


これは、前歯永久歯の生える順序、特に一番遅く萌出する犬歯の歯冠が顎の骨の中で側切歯の歯根に接触するような位置に存在するために起こる一時的な現象である(下図)。



*画像は、slide share Netより引用(https://www.slideshare.net/koilonychia/development-of-occlusion-31396186


このような歯の見え方をする時期のことを、「醜いアヒルの子の時期(ugly duckling stage)」と我々は読んでいる。



顎の発育、後続永久歯の萌出に合わせて、次第に歯の隙間は閉じ、歯の生える方向も整ってくるのが普通で通常は治療の必要はない。

上記、永久歯萌出の経時的変化を非常にわかりやすく動画で示しているものがyoutubeにあったので下記に示しておく。



*YouTube「Ugly duckling stage badri」(Ugly duckling stage badri)より引用



さて、この”醜いアヒルの子の時期”なる用語。
数十年もの間、大きな誤解をして記憶していた。
てっきり、アヒルの子の歯は醜いものだと思っていた。

この記事を読まれている賢明な方は、すでにお気づきであろう。
これは、アンデルセン童話に由来し、「一時的に見た目が悪くなる時期」のことを指す。
先日、うちのスタッフにこの話をして半ば呆れ顔で指摘された(お恥ずかしい限り)。


以下、余談。
画像は成長したアヒルの口元(くちばし)を示したものである。



*画像は、上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) | Twitterより引用
https://twitter.com/uenozoogardens/status/762122485319897088


アヒルのくちばしには、(なんと)歯らしきものがある(ただし、これは歯ではない)。

なお、同じカモ科で姿の良く似たガチョウの口元は、もっと恐ろしいものになっている(興味ある方は検索してみてください)。


そして、アヒルの子の口元。



*ASKIDEAS.COM 「Baby Duck Smiling Face Funny Picture」(https://www.askideas.com/baby-duck-smiling-face-funny-picture/)より引用

まだ、くちばしに歯のようなギザギザはない。
それにしても、なんとも愛くるしい。


今日はここまで。